パラダイムが転換すると、善が悪になり、悪が善になります。
これまで良いとされていたことが、悪かったことになり、これまで悪いとされていたことが良いことになります。
かつてはタバコとアルコールというのは大人への階段であり、自由の象徴でした。
飛行機でも、電車でも、車でももちろんタバコは吸えました。
タバコが健康に良いという科学者や医者がいました。
今はそれらの場所ではもちろんタバコを吸えません。
飛行機ではまだアルコールは飲めますが、電車の中で缶チューハイを飲むおじさんなどもはや絶滅危惧種です。
昔は赤鉛筆を耳に挟んで、大関をちびちび飲みながら、競輪新聞を読むおじさんがたくさんいたものです。いや、それは今もいらっしゃるか。
大人に憧れた子どもたちがお酒を飲み、タバコを吸いました。
それが自由であり、自律であり、憧れる大人の象徴だったのです。
そればかりか、自由を求めて、夜の校舎 窓ガラス壊してまわったりします。
♫行儀よくまじめなんて 出来やしなかった
夜の校舎 窓ガラス壊してまわった
逆らい続け あがき続けた 早く自由になりたかった♫
ちなみに僕の大好きな倫理の先生もスモーカーです。
映画「LEON」において、(実際には吸っていないとはいえ)少女のマチルダはタバコを手にしています。
c.f.「良いカードを持っているやつがいつも必ず勝つわけじゃない」(Silicon Valley) 2016年08月07日
かつて刑事コロンボというドラマがあり、あるエピソードのラストシーンでしたか、事件を解決したコロンボ警部がワインを飲んだ直後に車を運転していました(それも犯人と共に)。
今でそれを放映するのであれば、もしかしたら注意書きが必ず出てくるでしょう。
もしくはひっそりと見えなくされます。ミュート(発禁)されます。
(僕の改変された記憶では、ここにくわえタバコ(もしくは葉巻)まであったように思ったのですが、それは記憶違いでした。昨日のBootCampでは間違いを言ってしまいましたm(_ _)m)
過去のいわゆるどんな名作であっても、
「収録されている表現は、作品の執筆年代・執筆された状況を考慮し、発売当時のまま掲載しています。」
という但し書きが必要な世界線にどんどん入るわけです。
まあ、刑事コロンボも今見ると違和感のオンパレードです。
今の僕らの価値観で裁くから「違和感」がオンパレードするのです。それが時代の流れというものです。
昨日のBootCampでは、「おしん」や「フーテンの寅さん」「北の国から」の話も出ました。
当時許されていたことが、いまや許されなくなるのです。
これがホワイト革命の感触です。
いや、いつも起きているパラダイムシフトの実状です。
老いた我々は新しい時代を意識的に学ばないで安穏していると、時代に取り残されるのです。
一方でいつの時代も若い人は必死で学ばなくてはいけません。大人が作った不条理なゲームを強いられるのですから。
我々も必死で学ばなくはいけません。時代は淡々と変わっていくからです。
その意味でどちらも同じです。
革命というのはパラダイム・シフトであり、その内実は洗脳と似ています。
いや、穏健に内部表現の書き換えと言った方が良いのかもしれません。もしくは社会の共有されたブリーフシステムの改変です。もちろん全員が全員変わるわけではありません。時代に取り残される人もいます。
過去のブリーフシステムを変えることは難しいので、基本的な傾向として、若い人から順に適応していくのでしょう。
ただ「年老いた愚かな鳥(ケプラー)」である我々も、知識によって頑張って適応していきましょう。
それが次のセミナーのテーマです。
そして、適応した上で、古来から続く龍脈にも乗りましょうというのが次のスクールのテーマです。変わるものに着目し、先取りし、変わらないものに着目ししっかりと学ぶことです。
僕自身は性と攻撃性もまた漂白されていくと思います。
スパイダーマンもスーパーマンも呪術廻戦も鬼滅の刃もその通奏低音は暴力です。
知的なやり取りに見える「嘘喰い」の本質もむき出しの暴力です。イカゲームはもっとむき出しの暴力です(それでも現実より優しいと考えられています)。
ライアーゲームやカイジも同様です。
僕自身は暴力もホワイト化していくと予想しています。
犯罪はホワイト化して、より厄介になりました。
なぜなら現代の暴力はWorld War(世界大戦)の残滓だからです。
「有史以来、暴力は存在した」というのは事実ですが、不条理で問答無用なジェノサイドというのはやはり珍しいのです。
それはテクノロジーが可能にしたのです。科学技術がなければ、人を殺すのは大変なのです。
僕らはスパイダーマンNo Way Homeに感動し、アベンジャーズに感動しますが、このヒーローシリーズの原型は第二次大戦にあります。
そもそもスーパーマンの敵は日本でした。
キャプテン・アメリカの敵は日本でした。
スパイダーマンはまだ生まれていませんでしたw(1962年初登場)。
時代の流れには逆らえません。
その流れが良いのか悪いかの判断もできません。というか判断すべきことではないのです。
いや、我々は今の時代に適応しているので、時代の変化にネガティブな感覚を持ちがちです。
ですので、自分にとってありえないと思うようなことを飲み込むことが、求められます。
自分の直感に反することが、求められると思うことです。
次の時代を先取りして、自分のブリーフシステムを切り替えていくことを「ホワイト化」と仮に名付けます。社会のホワイト化ではなく(それはすでに起きているホワイト革命)、自分自身の価値観や行動原理をどんどんホワイト化していくのです。
「昭和からの離脱」「平成からの離脱」です(笑)。
いやいや真面目に過去からの離脱です。
清潔であったり、暴力表現の減少、性的表現の減少、ドラッグの忌避、ソーシャルディスタンス、反グローバリズム(セクト的運動ではなく、ホワイト革命としての)キャッシュレスなどなどが少なくとも挙げられます。
こんなのは慣れですので(多分)、ゲーム感覚でガンガン行きましょう!
思い起こすと数年前から、「まといのば」のメンバーたちの表現のホワイト化を薦めていたのを思い出します(心当たりのあるメンバーさんも多いでしょう)。
これは良い悪いではなく、適応であり、進化なのです。
もちろん取り残される悲哀を味わうのも悪くはありません。
僕はカズオ・イシグロの「日の名残り」のを思い出します。
と思って、該当箇所を探したのですが、見つかりません。
(自分にとっての)古き良き世界が目の前で崩れ去っていくのを自覚しつつ、それにしがみつく懐古趣味的な喜びと喪失の悲哀が描かれた一節があったと思ったのですが。
ただどれほど忠誠を尽くしたとしても、過ぎ去った時代はそれに報いることはありません。
私は選ばずに信じたのです。私は自分が価値あることをしていると信じていただけなのです。(カズオ・イシグロ『日の名残り』)
c.f.私は選ばずに信じたのです。私は自分が価値あることをしていると信じていただけなのです。(カズオ・イシグロ『日の名残り』)
*カズオ・イシグロのこの「日の名残り」を読んで、ジェフ・ベゾスはエリート街道ととてつもないボーナスを捨てて、裸一貫でAmazonを創業しました。
変わらない世界というのはつまらないものです。
想像を絶するような見たこともない景色を楽しみに、そこで生き残れるように自身の「ホワイト化」を進めていきましょう。その前提としての解毒や脱洗脳も。
【まといのば講座『漂白された未来に備えよ〜不可避なホワイト革命に備えるための解毒法』】
【日時】 1月29日(土)17:00~20:00
【場所】 四ツ谷のセミナールーム(丸ノ内線四谷三丁目駅、都営新宿線曙橋駅が最寄り)
【受講料】 30,000円(PayPal決済可能です。請求先アドレスを記載してください)
【受講資格】 「まといのば」スクール修了生、OnLine MenTor受講生・修了生
【持ち物】 情熱とゴールと筆記用具
【お申し込み】お申し込みはこちらから!!
*ライブ(Zoom)受講も、ヴァーチャル(ビデオ)受講も可能です!!
c.f.【募集開始】六条御息所ではなく、優雅な野獣を目指そう。〜漂白された社会で生き残るための解毒法〜 2022年01月22日
バレエをやめれば楽になれると思った。
だが違った。
苦しみから解放されるには踊るしかない(セルゲイ・ポルーニン)