インドか何かの神話で、子供の頃にこんな話を聞いたか読んだことがあります。
(「まといのば」のメンバーはセッションやセミナーで幾度も聞いていて、耳タコかもしれません)
こんな話です。
ある宮殿に王様が住んでいて、そこで華やかにパーティーというか、昼食会のようなものが催されています。
そこの王様にある若者が訪ねてきて、質問します。
おそらく「どうすれば悟れますか?」というような質問をします。
王様(というか、僕の印象では王子様という感じ)は徳が高い方なのです。
それに対して、王様はこのティースプーンにオイルを乗せて、この屋敷中をまわってくるようにと言います。ただし、オイルをこぼさないように、と。
運動会のスプーンリレーみたいな感じですね。スプーンの上に乗せるのはピンポン玉ではなく、オイルです。
若者は早速、スプーンにオイルをもらい、それをこぼさないようにして、いそいそと部屋から部屋へとめぐり、すべての部屋を見てから、またパーティー会場の王様の元へ戻ります。
もちろん油をこぼすことなく!( ー`дー´)キリッ
そして王様に「宮殿中を言われたとおりに、オイルをこぼさないようにして回ってきました!」と犬のようにしっぽを振りながら申し述べたのでしょう!
それに対して王様は笑顔で、
「私の素晴らしい宮殿の彫刻や絵画は見てくれたかね?部屋や調度品は?手入れされた庭の花々を楽しんだかい?」などと言います。
もちろん若者はオイルをこぼさないことに夢中で、何も目に入っていません。何も見ていないし、覚えていません。目はスプーンに釘付けでした。
それを見て取った王様は再度、宮殿中を回ることを勧めます。今回もオイルをこぼさないように、ただしそれに夢中で、宮殿中の素晴らしい光景を見逃さないように、と。
若者は部屋を飛び出し、宮殿を見て回ります。部屋から部屋へと、庭やバルコニーからの素晴らしい風景を堪能します。そうやって素晴らしいものをたくさん見て、再び王様のもとへ帰ってきます。
王様は「どうだった、私の宮殿は?」などと聞きます。
若者はどんなに素晴らしかったかを全力で語ります。
王様は「では、スプーンに乗せたオイルは?」と聞きます。
残念ながら、若者は素晴らしい光景に心を奪われてしまい、観ることに夢中で、いつの間にかオイルをこぼしてしまったことに気付きます。
恥じ入る若者に対して、王様は一言、「悟りとは、、、スプーンに乗せたオイルをこぼさないように歩きながら、世界の美しさも同時に愛でることだ」と答えます。
そんな話です。
僕らもゴールの臨場感を片時もこぼさないようにしつつ、いま目の前に広がる世界の美しさも愛でていきましょう!