書いているものや、話していることを一生懸命に読解していくと、そのうち本人が意図していなかったことすらも読み取れるようになります(たとえば、ピース又吉さん扮する万博先生も同じですね)。
c.f.ある日、木のそばを通りかかったりして、魂を閉じ込めている事物に触れると、魂は身震いし、我々を呼ぶ 2021年04月26日
それも細部にとことんこだわることです。細部にとことんこだわると、不思議と大きな絵が変わります。
これがニーチェがこだわった部分です。天才という言い訳に逃げるな、と言った部分です。
c.f.【本日追加開催!】マスタリーの道、Zoneへの道、予兆に従い、神を味方にして強運体質に 2016年08月11日
今日はオリンピックの閉会式ですので、またキプチョゲの話をします!(いや、開会式でも、そうでなくてもしますが)。
3回目のBootCamp講習会では、視点の移動にフォーカスしました。
さらっと書かれていますが、きわめてルー・タイス的です。
Once I worked with Kip Keino,
かつて/私は/働いた/キプチョゲ・ケイノと。(withは大事ですね)
Kipって誰?と思う読者に対して、
a distance runner from Kenya
長距離ランナーだよ、ケニアの選手だよ、と畳み掛けて、
who wanted to compete in the Montreal Olympics
彼はモントリオールオリンピックで戦いたいと望んでいると言います。
ここまで来ると、ケニア出身のランナーがオリンピックで勝つために、コーチングを受けたというのが分かります。
僕らの視点は、
Kipという固有名詞で誰?と思ったところ、長距離ランナー、ケニア、モントリオールオリンピックと連なってきます。
キプチョゲ → 長距離ランナー → ケニア出身 → モントリオールオリンピック
そして、andでつなげて、より本質に切り込みます。2つ目のwant toに入ります。
and he wanted to know if he could do something psychologically to beat the excruciating pain that he always experienced during the last lap, the last quarter mile of the race.
(レースの最終ラップ、最後の四〇〇メートルになるといつも経験する激痛に打ち勝つために、何か心理学的な訓練方法はないか知りたがっていました)
ちなみにルー・タイスはOnceから、raceまで一息でしゃべっています(一文で)。Once-race.(韻を踏んでいるような〜)。
ここでルー・タイスの心象風景というか、世界観を感じたいのです。
結論から言えば、ルー・タイスにとって、オリンピックとはレースなのです。走ることそのものであって、オリンピックにまつわる様々な政治や思惑や権威や熱狂というのはどうでも良いのです(まあ、そもそもスポーツに対して興味が無いですし。興味があるのは人のwant toだけです)。でも僕らはルー・タイスが捨て去る部分が大好きなのです。臨場感が高いからです。
オリンピックという抽象概念と、トラックの上を走るという具象概念(というか行動そのもの)があったときに、ルー・タイスの中では直結するのです。超特急列車のようなもので、始発駅と終点しかないのです。逆に言えば、僕らの多くは各駅で行くので、あまりに遅くて、終点につくまえに人生が終わります。
c.f.トラックの色も知らないお偉方が、我々からオリンピック出場の機会を奪ってしまった。怖ろしいことだ。 2021年08月02日
イエス様が似たようなことを言っていて、僕はこの一節が好きです。
「マルタよ、マルタよ、あなたは多くのことに心を配って思いわずらっている。
しかし、無くてならぬものは多くはない。いや、一つだけである。マリヤはその良い方を選んだのだ。そしてそれは、彼女から取り去ってはならないものである」(ルカ書10:38−42)
フェルメール『マルタとマリアの家のキリスト』
シンプルに言えば、
「あなたは多くのことに心を配って思いわずらっている。
しかし無くてならぬものは多くはない。
いや、一つだけである」
ということです。
これはマリヤの姉であるマルタに向けて言われていますが、我々へのアドバイスでもあります。というか、我々へのアドバイスそのものですね。マルタはまだご存命なら2020歳前後です。
我々は多くのことに思い煩っているが、無くてならないものは一つだけである、と。
(そしてもちろんそれは奪われてはいけないのです)
これを聞くと、ごくわずかな人が「その一つとは何ですか?」と質問するかもしれません。
そしたら、ルー・タイスは答えて曰く、それについて私は何度も答えているし、手元の本にも書いてあるとでも答えるのでしょう!(草葉の陰から!)
話を戻します。
このオリンピックとレース(特に最終ラップ)が直結するのが、ルー・タイスらしさで、各駅停車しないのです。
一息で、Onceからraceまで話し終えたら、唐突にルー・タイスのセッションルームに我々は招待されます。
私は彼にたずねました。
「レースのそのポイントに差しかかったとき、何を考える?」
そんなことを考えながら、一文字一文字味わいながら、一挙に読んでいくと、視線の移動が劇的で目眩がしそうです。
でもこの感覚がルー・タイスの世界です。
(引用開始)
以前、キプチョゲ・ケイノというケニア出身の長距離ランナーのコーチを務めたことがありました。彼はモントリオール・オリンピック出場を目指していたところで、レースの最終ラップ、最後の四〇〇メートルになるといつも経験する激痛に打ち勝つために、何か心理学的な訓練方法はないか知りたがっていました。
Once I worked with Kip Keino, a distance runner from Kenya who wanted to compete in the Montreal Olympics, and he wanted to know if he could do something psychologically to beat the excruciating pain that he always experienced during the last lap, the last quarter mile of the race.
*excruciating:耐え難い
私は彼にたずねました。
「レースのそのポイントに差しかかったとき、何を考える?」
I asked him, "What do you think about when you get to that point in the race?”(引用終了)
このスピード感と情報空間の移動の振り幅の大きさを全身で感じ取ってほしいのです。
そしてなぜ物理的現実世界では走らないルー・タイスが、情報空間では縦横無尽なのかと言えば、彼が「中間層」を無視するからです。家族の犠牲やCow(牛)や国家のことも無視するからです。
この感触は、「サンタクロース、知っている?」と聞かれて、「いや知り合いじゃないし、会ったこともない」というのと似ています。
c.f.「ねぇ、サンタクロース、知ってるでしょう?」「いや知り合いじゃない、会ったこともないし」 2021年08月07日
*主題歌はRain on me(レディ・ガガ&アリアナ・グランデ)!!
c.f.♬タダ乗りなんて頼んでないよ。私はただ本当に楽しい時間を過ごしたかっただけ♬ 2020年08月05日
中間が無いのです。
上と下しかない。そして上と下が直結しているのです。
これに関して、BootCampではお馴染みの概念として、錬金術から引きました。
エメラルドタブレットの冒頭ですね。
天才錬金術師のニュートンの翻訳のおかげで我々は英文で読めます。
Verum, sine mendacio, certum et verissimum:
Quod est inferius est sicut quod est superius,
et quod est superius est sicut quod est inferius,
ad perpetranda miracula rei unius.
Tis true without lying, certain & most true. | |
That wch is below is like that wch is above & that wch is above is like yt wch is below to do ye miracles of one only thing.(アイザック・ニュートン訳) これは真実にして嘘偽りなく、確実にして最も真正である。 下にあるものは上にあるもののごとく、上にあるものは下にあるもののごとくであり、それは唯一のものの奇蹟を果たすためである。 |
「下にあるものは上にあるもののごとく、上にあるものは下にあるもののごとく」なのですが、もしかしたら上と下の中間層はごっそり無いのではないかと思います。
もしくは、それをヘーゲルは妄想と言ったのではないかと妄想します。
c.f.「空の体感とは何ですか?」関西ヒーラー養成スクールより 2012年09月19日
c.f.「はじめに言葉ありき」から見る世界精神(ヘーゲル)とソクラテスの弁証法 2015年01月28日
c.f.つまりそれは、どんな好き勝手なことでも想像できる柔軟で軟弱な境域のうちにしか存在しない。(ヘーゲル) 2021年07月29日
c.f.「まったくわからないな。いいかい? 私が走らないことは知っているだろう?」(ルー・タイス) 2021年08月01日
ルー・タイスがキプチョゲとの激しいコーチングの中で、牛だとか、家族の犠牲だとか、アメリカの大学だとか、国家だとか、、、そういうものが全部取り払われたときに、キプチョゲの口から出たのが、
He said, "I want to run and win.”
「僕は走って勝ちたいんです」
でした。
これは要約ではなく、ゴールの宣言です。
ごちゃごちゃした途中過程を取り払わないと出てこない本音であり、ゴールであり、Want toです。
そこにイエスの言葉を響かせると、より2人が言っていることが一つの声として響くのではないかと思います。
「あなたは多くのことに心を配って思いわずらっている。
しかし無くてならぬものは多くはない。
いや、一つだけである」
蛇足だと思いますが、ここに徒然草も付け加えたい!
c.f.「健康になってからでないと・・・」という洗脳 2011年07月30日
c.f.♪翼をください♪ 〜フリーエージェント社会の到来〜 こっそりと本日の「開業」講座案内をシェア 2014年05月02日
c.f.♬夢以外に何もないとき、恐れが心の奥深くに夢を隠しているように見える♬(フラッシュダンス) 2018年08月16日
c.f.稲妻の様に生きていたいだけ お前はどうしたい? 返事はいらない(米津玄師) 2020年07月13日
というわけで、妄想と戯れるのはおしまいにして、臨場感がむしろ全く無いリアルな世界で戯れましょう。
その方が楽しい人生が待っていると、少なくとも僕は思います!
【現代陰陽道実践スクール 〜密教呪術的感覚を取り戻す〜】
【日時】 8月21日(土)13:00〜18:00
8月22日(日)13:00〜18:00
【場所】 四ツ谷のセミナールーム(丸ノ内線四谷三丁目駅、都営新宿線曙橋駅が最寄り)
【受講料】 230,000円(PayPal決済可能です。請求先アドレスを記載してください)
*Zoomによるライブ受講あります!!
*動画教材(当初はZoom版、その後高画質版)によるヴァーチャル受講もあります!
【受講資格】 「まといのば」のセミナー受講生、メンター生・修了生
【持ち物】 情熱とゴールと筆記用具、動きやすい服装
【お申し込み】お申し込みはこちらから!
p.s.
さざなみ発言の高橋洋一さんと竹中平蔵さんのコラボ!!
良い時代になったと思います!
非情に面白い!
関連してこちらも非情に面白いです!
こちらも面白い!!
本当に良い時代になったと思います。
ルカ書の引用を載せますね!
これはこれで読解するに足る味わい深い一節です。
(引用開始)
10:38
一同が旅を続けているうちに、イエスがある村へはいられた。するとマルタという名の女がイエスを家に迎え入れた。
10:39
この女にマリヤという妹がいたが、主の足もとにすわって、御言に聞き入っていた。
10:40
ところが、マルタは接待のことで忙がしくて心をとりみだし、イエスのところにきて言った、「主よ、妹がわたしだけに接待をさせているのを、なんともお思いになりませんか。わたしの手伝いをするように妹におっしゃってください」。
10:41
主は答えて言われた、「マルタよ、マルタよ、あなたは多くのことに心を配って思いわずらっている。
10:42
しかし、無くてならぬものは多くはない。いや、一つだけである。マリヤはその良い方を選んだのだ。そしてそれは、彼女から取り去ってはならないものである」。(引用終了)ルカ書10:38−42
僕らの社会はマルタ側を是とがちですね。それはイエスの時代から変わりません。
でも、神から義とされるのはマリヤなのです。