Ray式オイルトリートメントのセラピストは身体の使い方が人間を超越しているということです。
いや、超越は大げさですが、セラピストが普段の身体の使い方とは違う身体の使い方をすることによって、シンプルな手技にも関わらず、圧倒的な結果が出るのです。
ちょっと別な視点から説明してみましょう。
アニメーションダンスやポッピングと呼ばれるダンスの世界のカリスマにPoppin Johnという人がいます。このブログでも幾度となく紹介させてもらっています。
彼のWaveには秘密があります。
そもそもWaveというのは、、、って言葉で説明するのが面倒なので、ググってくださいw。
そのWaveのやり方に全くの逆転の発想というか、不思議な秘密がある、、、そうです。
これは、昨日のRay式オイルトリートメントスクールの質疑応答のラストで紹介したビデオです。
c.f.アロマセラピーと気功整体では、指の使い方も労宮の使い方も身体の使い方も真逆?! 2020年05月24日
(一年前もほとんど同じ趣旨の記事を書いていますので、興味がある人は熟読を)
このときに、MP関節主体で指骨をコントロールしているのが分かるでしょうか?
多くの人は何かを握ろうとすると、DIPやPIPを先に動かしてしまいます。
MP関節主体でMP関節のみで曲げることを「まといのば」では労宮ピンチと言っています。
労宮で挟む(ピンチ)するからです。気功整体でも多用します。
ニーディングのような、お腹を揉む手技において、普通に指をにぎりこんでしまうと、それは悪い意味でマッサージになります。
ここでまた余談ですが、、
オイルトリートメント系の技術には3系統あると「まといのば」では認識しております。
強く揉むのがオイルマッサージ。
そしてなでるように弱いのが、リンパ・マッサージ、もしくはリンパ・ドレナージュ(もしくはドレナージュ)です。
ドレナージュはともかくソフトタッチで、リンパを流すというものです(リンパ液に関する理解に深い誤解があるとしか思えない人たちの理論です)。
そして、オイルマッサージは単にマッサージに付加価値をつけるためだけに、オイルを塗りたくっています。
その中間がオイルトリートメントです。
いや、中間ですら無いのは、強い弱いという次元ではなく、密着と圧という次元方向に移動していくからです。
たとえば、巷のマッサージであれば、「もっと強く押して」などと言われて、指に力を入れてしまったりします(そしてメンバーからのタレコミによれば、セラピストの間で指のアイシングが流行っているそうで、、、。指を使う前に、耳と耳の間の臓器を少し使うことを覚えた方が良いですね)。
オイルにおいても、同じように考えてしまうと、アホみたいなことになります。オイルを使っているだけの下手な強揉みのマッサージとなります。
だから、密着と圧なのです。圧は平たく言えば体幹で行います。肘と肩の力を抜いて、たとえば大胸筋で、たとえば広背筋で、たとえば腹圧で行います。密着はシンプルに手の脱力をした上で、手のひらを敏感にして、沿わせていきます。
これは言うは易く行うは難しの手技で、これで全身をオイルトリートメントされると、不思議な感覚に文字通り包まれます。癒やしとか、身体の回復という言葉では言い表せない(もしくは言葉がそれでは足りない)のです。
そのためにセラピスト候補生たちは、ひたすらに自分の身体と向き合い、身体を書き換え、特殊な身体の使い方に卓越していくために時間を費やしています(もはや現在のスクールや講習会はそれをチェックして、より高める場でしかありませんね)。
これに関しても、結論だけを言えば、Yogaなのです。本当のヨガというのは、本当の体操法です(ディスっているのか、褒めているのか分かりませんが、そのままの意味です)。体操法とは、身体の操作法です。きちんと身体を使うということをYogaでは(少なくとも「まといのば」の教えるYogaでは)伝えています。
ただ、一般にはそれが非常に不思議で、不可能なことを強制されているように観えるのです(整形外科学会から批判されるわけです)。僕らもいわゆる「解剖学を教えるような教師達」から、そこまで関節を伸ばしてはいけないと幾度となく言われました。見解の相違というか、自分のスコトーマ、自分の限界を人に押し付けるなよ、と思います。
自分が解剖の暗記が得意なだけのただのオタクで、身体はガチガチなんだと理解できていないから、人に自分の限界を押し付けがちになるのです。世界はもっと広いのです。
まあ、それはともかく、、、正しく解剖を学び(それをここでは生きた解剖学とか、Anatomy2.0と呼んでいます)、そして正しく身体の操作法を学ぶと(それをYogaとかRayYogaと呼んでいます)、大多数の人からは不思議とか、不可能だとか、はたまた「気持ち悪い」とかw、それを超えると「すごい!!」とか言われるような身体操作法になってきます。
でも、それが普通にできてしまうギルドのメンバー中から、厳しい鍛錬を経て、十分に卓越した方を順にRayサロンのセラピストとしてデビューさせていきます。
ここまで前提を共有した上で、Poppin Johnがこっそり教えてくれたコツについてここに書きます。
真っ直ぐに書くと、たとえば腕のWaveにおいて、関節をの力を抜くことで、屈曲するということです。通常は屈曲などの動きは死んだ解剖学では筋肉を収縮して行います。力を入れて行います。でも、彼は力を抜くことで、曲げると言うのです。曲げるというか、曲がるのです。
Waveの基本動作であるMP関節の伸展・屈曲を考えてみましょう。伸展のときは少し力を入れて、手をピンと平らにします。でも、MP関節を折る動作においては、数字の3を数えたときにバカになるかのように、手の平がバカになるのです。そうすると、非常に美しい屈曲となります。
それを踏まえて、もう一度、動画を観てみましょう。
*身体操作について目が開いている人ならば(Rayオイルトリートメントスクール修了生も)、「MP関節がなぜあれほど美しく曲げられるのだろう」と不思議に思うこと請け合いです。でも本人いわく曲げているのではなく、抜いているのです。ここで言う「抜く」は力を抜くという意味もありますが、高岡先生の「膝抜き」「肘抜き」に敬意を払っての言い方でもあります。
*こういうダンスのビデオも、ルー・タイスの『アファメーション』と同じで一度見たら、多くの人はもう二度と見ないものです。そして新しい刺激を求めて、Youtubeを漁(あさ)ってしまうのです。
でも、やたらにこだわって繰り返し見てしまう人たちがいます(そこには毎回新しい発見があります)。同様にオイルトリートメントのルーティーンを死ぬほど練習してしまう人がいます(そこには毎回新しい発見があります)。やらされているのではなく、やりたからやっているのです。彼らが世界を変えるのです。
c.f.『楽譜を読めるか』って聞くと、『演奏がダメになるほどは読めないよ』って答えるんだ(笑) 2021年02月24日
脱力した状態で重さを支えるということを、たとえばボディビルダーたちは日常的に行っています。
語弊のある言い方ですが、膝を抜いてスクワットをするのです。信じられないでしょうが、それが事実です。彼らがそれを認識できるのか、そして言語化できるのかは別の問題ですが。
素早く動きたいと思ったら、関節をホールドするのをやめて、関節を脱力して、落下していくという話を聞いたことがあるかと思います。武術においては普通のことでしょう。
このからくりをたとえばニーディングでも用いるのです。
脱力で屈曲位に移行し始めたその加速度を利用して、ほんのわずかだけ力を足してあげると、「揉む」ことができるのです。ただし、脱力のフェイズから、わずかに力を入れるフェイズはシームレスにしかし自分では明確に境界を意識することです。
そうすると「お茶を濁す」ことなく、「お茶を立てる」ことができるようになるのです。
前者はただのモノマネ、後者は正しく教わって、正しく学んだ人の方法です。
正しく学んだ人というのは、普通にパフォーマンスをするだけで、圧倒的なパフォーマンスになってしまうのです。
その彼らによるオイルトリートメントによって、自分の身体の限界、知性の限界を超えるべく、是非Rayサロンの極上のオイルトリートメントを堪能してください。そして自分の可能性を切り開いていってください。
Rayサロンは近日募集開始です!