クエン酸回路という巨大な車輪を回すときに、それぞれの反応にはビタミンB群が必要です。
クエン酸回路というのは、細胞の中にたくさんあるミトコンドリアで行われる化学反応です。大量のATPを取得できます。
PTA???
違います。
ATPです。
アデノシン三リン酸と言います。
身体の元気の素ですね。身体の通貨ですね。
繰り返しますが、クエン酸回路という巨大な車輪を回すときに、それぞれの反応にはビタミンB群が必要です。
ビタミンBが不幸にも少ないと、音を立てて巨大な車輪が止まるのです(あくまでイメージです)。
皮肉なことに、糖質を摂りすぎて、ビタミンB群が枯渇させられていると、ミトコンドリアのクエン酸回路がうまく回りません。なぜなら糖を代謝するときに、たくさんのビタミンBを使うからです。
せっかく、ATPという通貨をジャラジャラとミトコンドリアで作ろうとしているときに、その原材料(の一つ)である糖質を摂ることで皮肉にも、ATPが作られず、むしろその糖質は中性脂肪になるという皮肉な結果になります(伝わりますかね??、、説明が下手すぎるOrz)
「人は食べたものでできている」という言い方がありますが、これは「日が昇る」という言い方と同じくらいに楽観的です(ちょっと意味不明)。
この考えは少し無邪気すぎるのです、インプットとアウトプットで考えるというのは、シンプルですが、アインシュタインではないですが、シンプルすぎるのです。ナイーブすぎる見解です。
c.f.ものごとはできるかぎりシンプルにすべきだ。しかし、シンプルすぎてもいけない(アインシュタイン)
インプット → f → アウトプット
以前、アイスを食べて筋肉になる人、プロテインを摂って(それが)脂肪になる人という話をしましたが、これは、パラドックスのようで、ありうる事実です。
糖質であっても、筋肉が口をあけて待っているならば(そしてインスリン抵抗性を起こしていないのであれば←ここ重要)、それほどインスリンの助けを得なくても、血糖値は下がっていきます。筋肉がグルコース(血糖)を吸い上げていくからです。そこに運動などを追加したら、もっと吸い上げていきます。
そういう人には、たまに食べるアイスは(糖が)枯渇した筋肉に染み込んでいくだけです。筋グリコーゲンとなり、筋肉の一部になります。
逆にせっせとプロテインシェイクを飲んでも、過剰なカロリーは中性脂肪になります。
筋肉を肥大させたり、ホルモンにしたり、身体の材料にしていくニーズがなければ、低きに流れるように、中性脂肪に変化していきます。
脂肪にはインスリン抵抗性が起こらず(だから糖を吸い込みたい放題です)、そして多くなりすぎた中性脂肪はインスリン抵抗性へ誘導します。
筋肉細胞がインスリン抵抗性を起こせばサルコペニア、神経細胞がインスリン抵抗性を起こせばアルツハイマーです(アルツハイマーは3型糖尿病とも言われます)。
ですので、「僕らは食べたものでできている」というよりは、もっと複雑なシステムの中で、食べたものが変化したもので、我々はできているのです。
たとえば、糖質がともかく欲しい人は、体内のカビたちの要求に屈しているのかもしれません。
ちなみに糖質は唾液アミラーゼ以外では消化されません(あとは膵液と膜消化。膵液は全部溶かします)
胃酸で分解するのはタンパク質。
ですので、胃腸が弱っていると、炭水化物を摂りたくなります。
アドレナル・ファティーグ(副腎疲労)を治す過程で、たとえば葉酸を通常の100倍摂取させることがあるそうです。なぜなら、システムが不具合を起こしており、百分の一しか処理できないからです。
メチレーションを調べながら(反応後の代謝物を調べながら)、100倍から少しずつ減らしていき、そして通常の摂取量(そして、野菜から普通に葉酸を摂る)へと変化させていきます。
たとえば、ビタミンCであれば、摂りすぎてお腹をゆるくして下すことが分かっているなら、その直前を探りながら、狂ったようにビタミンCを飲むという方法があります。自分で「下し寸」というのは分かるので、そのぎりぎりのラインを攻めるのです(オススメしているわけではありません。でも自分で自分の身体を人体実験するときはそんなイメージです)。
たとえばヘム鉄を摂取するときに、便の色を見ながら、量を調整したりします。
尿の色も同様です。ビタミンBのメチレーションは色で判断できるという人もいます。
面白いことに、最新の機材を使わなくても、昔気質(むかしかたぎ)なおばあちゃんの知恵のような方法で、自分の身体の生化学的な反応が観ることができるのです(もちろん血液検査やメチレーション検査、唾液検査などは非常に重要です)。
たとえば、ある程度、糖質制限をしてきてケトン体質になった人などは、あえてあまーいお菓子を食べてみましょう。
キーンという糖質の強烈な刺激、そして血糖値の上昇、そのあとのインスリンでテンションが上り、そのあと、血糖値とともにテンションもドンと落ちます。
その後、アドレナリンでイライラして、コルチゾールやグルカゴンたちのホルモンカクテルで、なんか妙なテンションの高さとなります。
これを非常に冷静に観察すると、なるほど糖とはドラッグだなと分かります。
性格も情動も、ついでに行動も支配されるのです。
ケトン体質という本来は非常にナチュラルな状態の対概念は糖質体質ではなく、糖中毒ということです。
なぜナチュラルかと言えば、胎児や幼児が高濃度のケトン体で生きているからです。
冬眠中のクマだけでなく、動物たちも。
ケトン体質 v.s. 糖中毒
と考えると、代謝経路では一番最初に解糖系を学びますが、実は解糖系はむしろ特殊な回路で、本来はケトン体回路が通常運転だったのではないかと思います(そもそも、糖と酸素は身体にとって役に立つと同時に、身体にとって有害です。それぞれ糖化という焦げ、酸化というサビをもたらします)。
化学の授業で習ったように、酸化反応はゆっくり起きるとサビですし、猛烈に早いと燃焼です。ポイントはどちらも同じ化学反応ということです。身体の中でも同じです。
身体の中で起こる化学反応をすべて理解することは、まだ人類はできません(おそらくAIが先にその栄誉を得るのでしょう)。
しかし、身体という試験管の中で複雑に起こっている化学反応を、楽しむことは人類はできます。
もちろんホコリを被っているセンサーをよみがえらせ、いろいろな恐ろしい好転反応をくぐり抜ける必要がありますが、自分の身体の中で起きている化学反応を愛でるという新しい楽しみ方が生まれると思います。
もちろん腸脳相関ですし、腸の状態はダイレクトに脳に影響します。
糖が血液の中に流れ込むとすぐに内分泌器官(ホルモン分泌器官)が応答するように、内分泌器官も神経系もフルに働きます。
人はパンのみにて生くるにあらずですが、小さなパンが大きな結果を様々な角度からもたらします。小さなパンが脳を容易にハッキングするのです(小麦の小さなタンパク質であるグルテンは、腸壁をこじあけ、血中に流れ込み、血液脳関門をこじあけて、脳に入ってきます)
ですので、たかがパン、されどパンで、ひとかけらのパンがミクロの決死圏のように大冒険をして、神経系や内分泌系、筋肉、そして性格や行動、情動などに思わぬ状態を引き起こしています。
だから、小麦を避けよう(乳製品を避けよう、砂糖を避けよう)ということではありません。
そうではなく、自分の体の奥底で何が起きているかを感じましょう!
そこから全てが始まります。
ソルジャーは、筋肉や骨格だけではなく、内臓だけでもなく、内分泌系や神経系まで透けて見通す解剖直観を身に着けていきましょう!!
まずは、自分から!!