Boot Camp向けのテクニカルな話題を
昨日も繰り返しましたが、大腿直筋をずらすときは、ほとんど力を使わないことです。
障子をスッと開く感じです。
そしてインターホンを押すようにして、中間広筋を大腿骨に対して垂直に圧を加えます。
骨面に対して垂直なベクトル方向以外は、リリースにカウントされません。
たとえば、骨面に対してナナメに押すならば、その水平成分と垂直成分に分解されて、水平成分は役に立たないというイメージです。
*写真はイメージです。本文とは一切関係ありませんw
まあ、こういうのも「知に足のつけた知識」(タレブ)にするためにも、何度も試して身体で覚えることです。
そもそも大腿直筋がそれほど小さい力でズルっと動くためには、大腿直筋の起始への筋膜リリースでゆるんでいることが前提ですし、大腿直筋が起始への筋膜リリースでゆるむためには、大腿直筋と機能でかぶる大腰筋(腸腰筋)へのリリースが前提となります。
ですので、ある筋肉に対する施術(たとえば「下腿三頭筋のゆるめかた!」)みたいなものがあるわけではなく(いや、そのようなカリキュラムはありますが)、大きな筋肉を順に緩めていく中でトリクルダウンのように(実経済では存在しないにせよ)、メインの筋肉からサブの筋肉へとゆるんでいきます。
ちなみに逆は存在しません。
今回のスクール受講生から非常に恐ろしい話を聞きました。
あるアスリートが肘を故障し、それを帯同する施術家が肘だけに着目して、肘の筋肉をゆるめたら、そのアスリートの選手生命が終わったという話です(その施術家のキャリアも終わって欲しいです)。
身体が肘を固めるには、それだけの理由があります。
それだけをゆるめてしまうと、肘がぶっ壊れるのです。
全身を観ながら、調整しないといけません。
これは同じことを繰り返し警告しているのですが、(特に北の方面に向けて)、「足首回し」はダンサーでもない素人のヒーラーが、ダンサーでもない身体の素人に教えて欲しくはないのです。
これは希望ではなく、警告です。クライアントを怪我させるのでやめましょうという警告です。
なぜなら、足首回しというのは、ダンサーがつま先を伸ばしたり、ルルベをするための可動域を尋常ではないレベルに広げるための気功技術とワークです。
そもそも引き上げができていることが前提ですし、プロのダンサーではなくとも、10年近くは日々レッスンしている人に向けた気功技術です。
引き上げと呼ばれる身体の使い方ができていないとどうなるかと言えば、歩くだけで捻挫します。それも繰り返し捻挫します。捻挫しすぎて、気付かないくらいに捻挫します。
気付いたら足首が慢性炎症で腫れてきます(そしてそれを肥満のせいと勘違いします)。
基本的にはまず重要な中心部分を改善してから、枝葉を改善するべきです。
何が中心部分で、何が枝葉かというのは難しい問題ですが(明確なのですが、それを言ってしまうといつまでも枝葉のヒーリングが始まらないので)。
気功整体においては、シンプルに体幹(というか、大腰筋)と定義しています。
体幹は大事ですし、横隔膜や腹横筋などの腹筋群も大切ですが、とは言えペラペラの筋肉なのです。体幹部分にある筋肉はどれも小さく弱いものばかりです(四肢に比べると)。
四肢で言えば、上肢より下肢が重要です。
少なくとも下肢の方が巨大な筋肉です。
大きな筋肉が重要、重要な筋肉から順にやるのが「まといのば」の気功整体の原則です。
昨日のスクールでもやりましたが、首の回旋に問題があるときでも、気功整体であるならば、大腰筋からやって、フィードバックを取るのが正解です。大腰筋だけで、問題が解決することはあります(頚椎と大腰筋は遠そうですが、大腰筋はT12からL5までついています。首はC1〜C7です。脊椎ということでは、同じものです)。
もちろん「じゃあ、頚椎の調整には大腰筋なんですね!」ということではありません。
グレタさんに対して、プーチン大統領が言ったのと同じです。
そんなに単純じゃないのです。
シンプルですが、単純ではないのですwww
(タレブが「フリー(自由)はフリー(無料)ではない」と繰り返しますね)
短絡は避けて、その複雑さを理解した上で、きわめてrigidに重要なものから順にということを徹底することかと思います。
順番が大事です。
そして順番以上に、相手の身体をしっかり観る解剖直観が大切です。
とは言え、それぞれの現場では、大腰筋からやるわけにもいかないかもしれませんので、上手に導入していってください。
2月に気功整体師養成スクールの追加開催を予定しています。
日程を決めたら告知します!
今週はアドレナル・ファティーグセミナーです!!お楽しみに!!
未来の医療を先取りしましょう!!