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Channel: 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ
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気功整体の基本は付着部の点と点の関係と筋肉に緊張があるのか、物理的に弛緩しているのかの区別

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上腕二頭筋に触れながら、肘を曲げ伸ばししてみましょう。

そうすると筋肉が皮膚の下で動くのが分かります。

ネズミが前後に動くように、皮膚の下で停止から起始に向かって移動します。この筋腹の移動の感覚をつかむと、体内が立体的に見えてきます。

 

 

筋肉と言えば、力こぶの上腕二頭筋ですが、その筋腹も是非感じて、筋腹を感じられたら、筋腹の収縮の具合も感じてください。単に筋肉が収縮して固くなるだけではなく、収縮のピークが移動します。

これはすべての筋肉で多かれ少なかれ同じことが起きます。

 

上腕二頭筋で確認できたら、今度はその拮抗筋である上腕三頭筋で行います。

上腕三頭筋は上腕二頭筋の反対側についている筋肉で「振り袖」などと言われたりする部位の筋肉です。

上腕三頭筋は肩にある三角筋と似ていて、力を意識的に入れるのが苦手な人が多いです。

 

ですので、いろいろと工夫して上腕三頭筋に力を入れてみてください。

基本的には肘を伸ばすときに上腕三頭筋を使います。そのときに強く抵抗を感じる(負荷を感じる)と上腕三頭筋に力が入れられます。

もしくは伸ばすのではなく、アイソメトリックスで肘を動かさずに力を入れてもOKです。

 

上腕三頭筋に力感を持てない人は多いので、逆にそこに力を入れられるだけでも抜きん出ることができます。鍛えている人にとっては、当たり前に力を入れられますが、多くの人は意識することすら難しい場所です。

この意識する作業を「まといのば」では「神経を通す」などと言っています。

たとえば、上腕三頭筋に神経を通すだけで、背筋が伸びたり、クンダリーニが通りやすくなったりします(本当に)。

 

その次に三角筋に触れましょう。

上半身の最大の堆積量を誇るなどとも言われる三角筋ですが、実際に触ってみるとその大きさが分かります。

僕はいつもキン肉マンという漫画のキャラクターの一人でウォーズマンを思い出します。

 

 

あのウォーズマンの肩のイメージが三角筋ですね。

 

三角筋はかなりのボリュームのある筋肉ですが、これもまた意識的に収縮することができる人が多くありません。

三角筋は明確に前部、中部、後部に分けて意識しましょう。

前部は(肩関節の)屈曲、中部は外転、後部は伸展ととりあえず考えて、なるべく僧帽筋を緊張させずに命令を出してみましょう。

 

たとえば僧帽筋を短縮させて肩関節を動かす人が多いのですが、それをなるべく三角筋だけで動かすイメージです。もちろん次にやるローテーターカフも使いますが、ポイントはいかに僧帽筋を使わないか、です。

 

上腕部だけで、おなじみの上腕二頭筋があり、裏側の上腕三頭筋があり、そして三角筋があります。

 

 

上腕二頭筋と上腕三頭筋の間に指を上手にいれると上腕骨に当たります。

その上腕骨の近くにあるコリコリした部分が腕神経叢です。神経にほぼ直接的に触れることができます。

軽く触るだけでも、指先がピリッとしびれたりします。

腕神経叢の神経鞘(しんけいしょう)という鞘(さや)をゆるめてあげるイメージで整体すると、腕全体が動きやすくなります。アナログ回線がデジタル回線になるような感覚を覚えます。素早く動かせるようになります。

神経の筋膜リリースというのはかなり有効です。

同様に腋窩(えきか)もゆるめましょう。脇の下ですね。

 

 

ペアの施術などで上手にできるのであれば、脇の下から指を入れて、上肢帯と肋骨の間に指を入れることも可能です。上肢帯のみが独立して切り離せるようになります。

 

ぐるぐると筋肉の数え歌を繰り返して、全体のゲシュタルトができたならば、ぶらり途中下車の旅をするのは面白いと思います。

 

肘の曲げ伸ばし(屈曲と伸展)をしたら、今度は変わったことをして、上腕二頭筋を収縮させてみましょう。

筋肉はシンプルではありません。

たとえば上腕二頭筋を触りながら、手首を回外すると上腕二頭筋が緊張するのが分かると思います。とするとトレーニングなどで少し小指を意識すると(手首を回外させると)上腕二頭筋に効かせることができます。逆に回内すると上腕二頭筋はゆるゆるになります。

 

筋腹で筋肉を認識できるようになったら、今度は付着部(起始と停止)で筋肉を認識できるようになると、相当に面白い世界が広がります。Dotsのように付着部を感じて、起始と停止の点と点が近づいたり離れたりするイメージです。

ちなみに単純なモデルで考えると、起始と停止が近づいたり離れたりというのは、筋肉が収縮したり、弛緩したりという風になります。

しかし、実際は異なります。

 

 

起始と停止が近づいたり、離れたりということと、筋肉が収縮しているか、弛緩しているかで4種類のマトリックスができます。横軸に起始と停止の距離(近づけたり、離したり)、縦軸に収縮と弛緩を置くと4種類があることがわかります。

 

たとえば、収縮していて、起始と停止が近づいている場合は通常のコンセントリック(短縮性収縮)ですね。ダンベルを持ち上げるような動作です。逆に収縮していて、起始と停止が離れている場合はエキセントリック(伸張性収縮)となります。

ですが、整体の現場では起始と停止を近づけているときに弛緩した状態で行うことがあります。もしくは収縮を無効化させるためにあえてもっと近づけることも。伸ばす方も同様です。自分でできる以上に伸ばしてあげると弛緩します。

 

ペアワークで腕を脱力させて、術者が被験者の腕を曲げ伸ばし(伸展位と屈曲位に)して上げることです。そのときに筋肉を緊張させなければ、マトリックスの下段のワークとなります。

 

ゴムのような筋肉はいつもピンと張っているのではなく、だらんと垂れていることがあるのです(というか多いです)

 

(よくインナーマッスル、アウターマッスルという言い方をしますし、「まといのば」でもしてきましたが、その具体的なカラクリというのは、適切な身体操作か否かということです。適切な身体操作というのは、適切な順番での筋肉の発火ということです。

たとえば肩関節の可動において、僧帽筋上部を先に用いてしまい、三角筋をおざなりにするとアウターマッスルで動いているとみなせます。でも三角筋もまたアウターです。同様に腸腰筋群を使わずに、大腿四頭筋群で動けばアウターマッスルです。腸腰筋群はたしかにインナーマッスルですが、ポイントはそこではなく、使うべき順番です)

 

 

施術をする際にはいまどちらなのかを正確に把握することが大事です。

付着部同士が近づいているのか、遠ざかっているのか、そして緊張しているのか弛緩しているのかを把握することです。

これは触れて確認し(たいがいは緊張を取るべく筋肉にアプローチします)、手に伝わる重みで感じ(重さではなく「重み」です)、そして同調で感じます。

 

 

ちなみにもっと先の話をするならば、高度な身体というのは、ある動作をしたらその位置を維持するための最小限の筋収縮を使って、他は完全に脱力します。その切り替えがあまりに早いので(そして本人も認識できないことがあるので)、「脱力」が大事と言い募ります。実際のカラクリは高速度での切り替えです。

この切り替えがスムーズで上手で必要最小限だと、達人の身体となっていきます(「武術の身体」講座で行います)。

 

まずは複雑に考えずに、力こぶから前腿までを繰り返し触ってください。

習うより慣れろですし、身体の感覚で覚えることが重要です。

 

(引用開始)

筋肉と言えば、力こぶ。力こぶの上腕二頭筋に触れて、肩から首筋を丁寧になでて(僧帽筋)、胸の大きな筋肉である大胸筋へ。大胸筋から腹部をぐるりと触って腹筋群、背面には広い大きな広背筋。その奥におくゆかしい腸腰筋群。お尻に降りてきて、大臀筋。その下の腿裏のハムストリング。前腿に行き、大腿四頭筋でだいたい終わり!(引用終了)

 

 

繰り返し触れて、全身の筋肉のスイッチを入れましょう!!

 


(ちなみに「大腿四頭筋をもっこりとさせたくないので、大腿四頭筋を意識したくありません!」という人がいますが、大腿四頭筋をスルッとさせたければ、腸腰筋群にスイッチを入れることです。「大腿四頭筋を意識しない」という戦略ではなく、むしろ引き上げとお腹を使うを多様すべきです。引き上げと「お腹を使う」が抽象的に感じる人は施術で大腰筋のスイッチを入れてもらうと使い方が分かりやすくなります!)

 


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