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Channel: 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ
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人間は繰り返しおこなっていることの結果である。従って卓越性(アレテー)とは行為ではなく習慣なのだ

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とは言え、プランクのお抱えの運転手が繰り返し繰り返し講演をしながら、質問に回答していけば、彼はプランクにはなれなくても、立派なプランクの解説者か影武者にはなれそうです。

c.f.自分の能力の輪がわかっているなら、そこにとどまっていればいい(ウォーレン・バフェット) 2019年08月06日

 

何の話かと言えば、、、昨日のブログのネタですが、こんな話でした。

 

プランクがノーベル物理学賞を受賞したとき、ドイツ中を講演して回るのに少し飽きた頃に(そう飽きるんです)、一緒に回っていたお抱えの運転手が演者の代わりを申し出ました。

 

お抱えの運転手は毎回毎回同じことを話すプランクの講演を完全に諳んじていたので、ミュンヘン講演のときに、プランクの代わりとなって話すことを提案したのです。

 

門前の小僧習わぬ経を読む、ですねーーーー(ちがうかw)

 

まあ、単なる笑い話ですが、この小咄はもちろん、プランクのような「ほんものの知性」に対して、聞いたことをそのままパクるような「お抱えの運転手」のような知性を批判しています。

 

とは言え、もちろんプランクを騙(かた)るのはダメですが、プランクが飽きてしまった自説の解説を代わりにやる人としてのポジションは有りだと思います。

 

そしてそこに「能力の輪」があるとしたら、それは一生の仕事にできると思います。

運転以上に能力の輪があるならば、転身するのは可だと思います。

 

いわゆる翻訳者や橋渡し役としての役割は非常に重要です。

 

 

プランクはセミナー講師ではなく、物理学者です。

考えることが仕事であり、そこにプランクの「能力の輪」は存在し、そこに耽溺することが重要です。

講演会を街から街へと回ることは、いわば能力の輪の外に属するのです。

 

 

もちろん研究も得意であり、啓蒙活動も得意という天才的な人もたしかにいます。

僕らに馴染み深い人で言えば、ファインマン先生がそうでしょう。

とは言え、ファインマン先生が下界に降りてくることはそれほど多くありませんでした。

あのファインマン物理学の教科書ですら、学部生に2年間だけ教えた講義録です。

長い教授生活の中で2年だけ大学生に教えたのです(あとは院生相手の指導です)。

 

 

 

自分の能力の輪がどこにあるのかを知るためには、ともかく手当り次第にいろいろなことをやることが必要です。

 

いま、ヒーラーたちにマッサージ店でセラピストとして働いてもらっているのも同じです。

やりながら自分の得意不得意を見つけて欲しいと思っています。

自分は腰痛専門なのか、それとも腕のヒーリングが得意なのか、脚に関して得意なのか。

トークによってカウンセリングすることが多いのか、それとも遠隔の方が得意なのか。

 

そしてそれを磨き上げて欲しいと思っています。

 

それから、これは大いなる偏見ですし、「まといのば」として少ないサンプルで見た上での発言ですが、、、その意味でカーネマンが批判するところの少数の法則であることは重々承知で言いますが、、、、

 

 

ヒーラーを志す人は、軽度かもしれないですが、、、コミュ障率がきわめて高いです。

まともなコミュニケーションが難しい人が多くいますwww

 

で、マッサージ店で働くことで、そこを矯正されると良いな〜と思っています。

 

「まといのば」サイドで、「そのコミュニケーションはおかしいよ」と伝えてもいいですし、いや実際に伝えてもいるのですが、ほとんど伝わりません。僕の伝え方もおかしいのでしょうし、「お前が言うな」というところもあるのでしょうがOrz

 

でも、仕事をしながら、お客さまとトラブりながらコミュ障が矯正されると良いな〜と思っています。

 

 

で、まあ、そんなわけで、セラピストとしてガンガン働きながら、そこでは確実に気功を使わざるを得ませんので、気功を日々仕事で使えます。

 

 

アリストテレスはこんな風に言っています。

(とは言え、これついては少し注解が必要です)

 

人間は繰り返しおこなっていることの結果である。従って、卓越性とは行為ではなく習慣なのだ。(アリストテレス)

 

「卓越性(アレテー)」という用語で分かるようにアリストテレスの言葉です。

 

*アテナイの学堂(ラファエロ)

 

 

これは「才能を伸ばすシンプルな本」という全くシンプルではない内容の本の冒頭に書かれています。シンプルでは無いですが、中身は非常に良いです!

 

この言葉はおそらくはニコマコス倫理学から取られているので(特に出典は書かれていませんでした)、ニコマコス倫理学から該当箇所を紹介します!(と思ったのですが、無駄に専門的なので、追記に)

 

この「才能を伸ばすシンプルな本」の中身は上達法であり、類まれなるパフォーマンスを短時間で習得するための実践的な方法論がまとまっています。

 

*ここに出てくるスイートスポットこそが、瞑想スクールにおけるLemonですね〜

*これがシュワルツネッガーの言う、「あの街角」です!

c.f.シュワちゃんの有名な言葉「今日もあの街角を見に行くぞ」の「あの街角」って情報空間のエッジのこと 2018年03月01日

 

 

 

とは言え、一般には、パフォーマンス上達法などは経験論的になりがちです。そして結果的に、良くも悪くもスパルタ教育になりがちです。

 

しかし、圧倒的なパフォーマンスを上げている集団というのは存在します(「まといのば」も気功業界やヒーリング関連、できれば身体開発系ではそういう集団になりたいと思っています)。

 

その集団をいくつも周り、そのコツを取材をもとにしてまとめたものが本書です。

 

で、その脳科学的なカラクリは今月の「まといのば講座」で神経科学のコペルニクス的転回と言っているところの、グリア細胞にポイントがあります。

シンプルに言えば、髄鞘(ずいしょう)です。別名はミエリンです。

 

*ニューロンの胴体に張り付いているブルーのカバーがミエリン(髄鞘)です。

 

ミエリンというのは絶縁体です。

ミエリンという絶縁体でニューロンを覆うことによって、脳内のナローバンドをブロードバンドに切り替えます。

 

ミエリンについてはWikipediaを引きます。

 

(引用開始)

髄鞘は伝導性が低いために、髄鞘化されていることによって神経線維の内外の抵抗は5000倍に、静電容量は50分の1となる。この絶縁性の高い髄鞘が存在することの主たる機能は、髄鞘化された神経線維(有髄線維)に沿った神経パルスの伝導速度が速くなることである。(引用終了)

 

ポイントはミエリンという絶縁体によって神経回路を包み込むことで、信号の伝導速度を早めるのです。シンプルに言えば、ブロードバンドにするということです。

 

頭の回転が速いというのは、ナローバンドがブロードバンドになるということです。

 

そこにはミエリンという絶縁体が関わっているということです。

このミエリンを適切な神経回路を包むために使うことが、鍛錬ということです。

 

 

あるメンバーがこのミエリンの件は、「習得への情熱」を思わせるとフィードバックをくれましたが、その通りだと思います。方法論をしっかりと脳科学的(神経科学的)にも実際的にも学んだ上で、天才的な1人のチェスプレイヤーであり、太極拳の選手としても成功したジョッシュ・ウェイツキンの半生を追体験すると、いろいろとスパークします!

 


 

というわけで、意図的に自分を制限して、そしてシンプルに実践を積み重ねましょう。

人間は習慣化していることが、天才性に繋がります。

ただその習慣の定義が、、、レモンのように酸っぱいのです。

苦しみを伴い、苦痛を伴い、背伸びが必要であるからこそ、ミエリンが絶縁してくれるのです。

 

 

先日、坂東玉三郎さんの歌を聞いてきました。

(踊りもまた今月拝見します!)

坂東玉三郎さんが京都の南座でシャルル・デュモンの「人生は歌だけ」を歌われる前に、「自分の人生は舞台だけ」とおっしゃっていたのが印象的でした。

舞台と自宅とを往復するだけのときもあるけど、それで良いのだ、と。

 

舞台は客席から観ると華やかな世界ですが、舞台側から観ると侘しさがあります。

 

 

*訳詞もほぼご自分でなされています。

*どれも良かったのですが、玉三郎さんの唄う「スマイル(チャリーチャップリン)」が感動でした。

 

 

いま、ヒーラーの卵たちは、マッサージ店と自宅だけを往復する日々かと思います(たまにトレーニングに通い、なけなしのお金を使ってセミナーに来たり)。

 

でも、そのシンプルな「繰り返し行っていること」が卓越性を生むのです。

 

シンプルにがんばりましょう!!

 

 

【セミナー紹介】

 

*今月のセミナーは、、

 

8月17日(土)15:30〜20:30 魔法系ヒーラー養成1Dayスクール(受講料16万円)

8月20日(火)19:00〜 はじめての気功「相手の気の正しい読み取り方 〜気功テストの威力〜」(ちなみに来月は中丹田ラポールです!強烈で強い執着と愛情を人間関係にもたらしましょう!)
8月22日(木)19:00〜 まといのば講座「未来から来たドラえもん 〜神経科学のコペルニクス的転回、二極化の行く先と人工知能との共存の果ての幸福論〜​​​​​​」

8月27日(火)19:00〜 寺子屋「はじめてのリーマン幾何学」(寺子屋は第30回までリニューアル予定です!いよいよカウントダウン!!)

 

です!!!

 

お申し込みは、、、、こちらをクリックしてくださいm(_ _)m

https://ameblo.jp/matoinoba/entry-12502129145.html

 

 

 

【書籍紹介】

 

 

(引用開始)かくして卓越性(アレテー)(徳)には二通りが区別され、「知性的卓越性」「知性的徳」(ディアノエーティケー・アレテー)と、「倫理的卓越性」「倫理的徳」(エーティケー・アレテー)とがすなわちそれであるが、知性的卓越性はその発生をも成長をも大部分教示に負うものであり、まさしくこのゆえに経験と歳月を要するのである。これに対して、倫理的卓越性は習慣づけに基づいて生ずる。「習慣」「習慣づけ」(エトス)という言葉から少しく転化した倫理的(エーティケ−=エートス的)という名称を得ている所以である。(略)

これらの倫理的な卓越性ないしは徳は、、、、、ただ習慣づけ(エトス)によってはじめて、このようなわれわれが完成されるにいたるのである。(略)

かくしてこれを一言に要約すれば、もろもろの「状態(ヘクシス)」は、それに類似的な「活動(エネルゲイア)から生ずる。

つとに年少のときから或る仕方に習慣づけられるか、あるいは他の仕方に習慣づけられるかということの差異は、僅少ではなくして絶大であり、むしろそれがすべてである。(引用終了)

 

ここでポイントとなるのは、ここでの卓越性は倫理的卓越性についてのみということです。

習慣(エトス)がエーティケー・アレテーに結びつきます。

 

エトス → エーティーケー 

 

ですね。

 

そして、年少のときからの習慣付けが「僅少ではなくして絶大であり、むしろそれがすべて」というのは恐ろしいことです。

 

クリティカルエイジというテクニカルタームを思い起こす人もいるでしょうし、マシュマロ・テストを思い起こすかもしれません。

 

 

 

 

 

*「結局、ストア派なんですよね〜」と思わせてくれる本。ブラック・スワンのナシーム・ニコラス・タレブも含め、多くがストア派ですね。

 

 

 


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