*明日は寺子屋の実に一年ぶりのコンテンツである「はじめてのイスラーム」の追加開催です!!
是非、お楽しみに!!
もちろん駆け込み受講も歓迎です!!
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お申し込みはまだ可能です!!
移り気なボスのもとで働く部下は大変です。
ボスに愛と忠誠を誓ったばかりに、そしてそれを忠実に実践したために、ボスの不興を買うというパラドキシカルな展開になることもあります。
町工場や中小企業の話ではありません。
神さまとルシファーの話です。
ある日、神さまがやってきて、「わしは今から地上に代理者を設置しようと思う」(コーラン1.28)と言います。
代理者とはアダムのこと、すなわち人間を創ることを宣言します。
ここで天使たちは一同が抗議します。
「いやいや、人間はまずいでしょ」って天使が大抗議するのです。
全員でデモしてしまったりします。
「人間の創造、ハンターイ」とか言って反対運動が巻き起こります。
神さまに対する反乱ですね。
でも主張は非常にシンプルですし、(人間の我々から見ても)その通りの主張なのです。
「地上に悪をはたらき、流血の災いを巻き起こすような者を汝はわざわざ作り給うのか」(同上)と。
ここでの、ポイントは天使が一同抗議したということです。
ところが、このあと神さまは姑息な手段を用いて、天使たちを懐柔します。
姑息な手段とは、こんな手段です。
反対運動を無視して、アダムを泥からつくったあとに、そのアダムにあらかじめすべてのものの名前を教えます。そして、そのあとに、天使たちにいろいろなものの名前を聞くのです。
でも、天使は教えられていないので、名前を知りません。
イメージとしては、超難しい試験問題の回答をAくんにだけ教えておいて、それを一斉にテストして、天使くんたちは0点で、Aくんことアダムくんは100点にさせたというチーティングです。
そんな方法で納得させたということです。
その上で「跪いてアダームを拝せよ」(コーラン1:32)と言います。
するとすべての天使はその知識に恐れおののいて、跪拝(きはい)します、、、、いや、ただひとり天上で最も美しい天使を除いて。
それがルシファーであり、クルアーン(コーラン)においてはイブリースと呼ばれます。
わがままな神さまは「俺以外に頭を下げるな」と言います。
金の子牛を拝礼しただけで、皆殺しにしてしまう神さまです。
(なぜか首謀者だけは免除されますが)
ルシファーも神を愛し、神を尊敬していたからこそ、人間には頭を下げられなかったのです。
これはイエス様によってきっと是とされたでしょう。
だれも、ふたりの主人に兼ね仕えることはできない。一方を憎んで他方を愛し、あるいは、一方に親しんで他方をうとんじるからである。(マタイ6:24)
ですので、ルシファーのあり方が正しいと思うのですが、移り気で変わり気で、瞬間湯沸かし器な神さまにとっては、自分の言っていることの矛盾点よりも、自分の言うことを聞かない方がはるかに許せないことです。その怒りのままに、ルシファーを地獄の底へ突き落とします。
そして哀れなルシファーはサタンと名前を変えて、悪魔の王として、いまも地獄の底で引きこもっています。
最近だと引きこもりの家庭訪問には、ウェルギリウスの手引でダンテという人が行ったそうです。
*ちょっとこの写真ではわかりにくいかもしれませんが、手前の方にウェルギリウスとダンテが小さくいますね。
なぜそこに引きこもっているかと言えば、今でも神さまの声が反響するからだそうです。
「お前なんて、地獄へ落ちてしまえーー落ちてしまえーー落ちてしまえーー」
という愛しい神さまの声が地獄の壁という壁に永遠に反響しているのでしょう。
呪いの言葉であると同時に、愛すべき神の自分にかけてくれた最後の言葉であるというのがまた泣かせます。
DV男とメンヘラ女のカップルが、、、、いやこれ以上は宇宙を敵に回しそうなのでやめます。
ただ、罵倒してブロックされたLINEを日に何度も眺めてしまうとか、最後の留守電の怒鳴り声を何度も聞いて涙してしまうような、哀しみがサタンにはありますね。
天使の中で最も神を愛し、そしてそれゆえに人間に跪拝するのを拒んだルシファーこそが、最も義とされるはずだと思います。そもそも神の子であるイエスの言うように「だれも、ふたりの主人に兼ね仕えることはできない。」からです。
2人の主人に兼ね仕えることはできないという点においては、イスラームは徹底しています。
イスラームとは「絶対服従」ということであり、何に服従するかと言えば神(アッラー:The God)にです。ということは地上も天上もすべての権威に服従しないということでもあります。
ですので数多の神々の偶像を破壊し、アッラーの偶像化も許しません。
(大天使ガブリエルという神の代理は良いのかという問題についてはとりあえず不問に)
で、本稿のポイントはこのよく知られた話の解説ではありません。
罵倒がリフレインしてしまうことについてです。
我々もまた神ならぬ他人の罵倒が脳内にいつまでもリフレインし、そして自分のネガティブセルフトークを構成しています。
トラウマとは何でできているかと言えば、言葉によってできています。
厳密にはネガティブセルフトークによってできています。
それは誰かの罵倒であったり、嘲笑であったり、皮肉であったり、「君には無理だよ」というドリームキラーの言葉が脳内でリフレインすることによってできています。
ルシファーことサタンはあえてリフレインさせて、哀しみの深みへ沈み込んでいますが(地獄の底まで)、我々も同じことをしてしまっているということです。
サタンのやっていることは、我々がやっていることの写像(写し絵)なのです。
で、もっと話を巻いていきます!
じゃあ、なぜそんなネガティブなのか?
トラウマを増幅させるような、エフィカシーをだだ下がりするようなことを我々は無意識にしてしまうのでしょうか?
この結論はシンプルです。
それが進化における適応だからです。
そのような「トラウマを増幅させるような、エフィカシーをだだ下がりするようなことを無意識にしてしまった」人間が生き残り、それ以外が自然に淘汰されたからです(全部が全部ではありません。そもそも恐怖心という回路が壊れているサイコパスな人もわずかにいます)。
なぜそんな自然淘汰かと言えば、その方が生き残れる可能性が上がるからです。
記憶とは失敗のコレクションです。失敗だけをコレクションしておけば、次に同じ失敗を繰り返さず済みます。
逆に成功だけをコレクションしていると、何度も火に触ってやけどし、針に身体を突き刺し、刃物を足に落としてしまうオッチョコチョイが出てくることになります(そしてすぐに死んでしまいます)。
ですので、我々が失敗ばかりを脳内コレクションしてしまい、それを増幅させてしまう機能があり(その方がケガや死を遠ざけられるので)、サタンのように呪われてしまうのはゆえあってのことです。
ですので、自分だけこんな暗い性格と思わないことです。
そうではなく、みんなルシファーなのです。ルシファーであり、サタンなのです。
でも理性の力を使って、逆向きにすることもできます。
失敗をコレクションする性質はNaturalなものなので変えることはできませんし、変える必要もありませんが、逆向きの性格を付与することはできます。
それが、それが呪いをエコーさせるのではなく、祝いをエコーさせます。
誰かに褒められたこと、評価されたこと、成功した喜びなどを脳内にエコーさせます。
気持ちよさや喜びをエコーさせるのです。
ポジティブなリフレインです。
コーランもそうですが、ポイントは声に出すことです。
声に出して読誦(どくしょう:どくじゅ)することが大事です。
ポジティブな成功体験の脳内エコーも同様です。
声に出すことが肝要です!!
*そのネガティブなセルフトークを一瞬でも止める方法、そして心の静寂を一瞬でも得る方法が瞑想であり、その実践の一つの形態がヨーガです。無限ループするネガティブセルフトークを強制終了する方法論はいくつもありますが、そのカラクリはシンプルです。
そしてそのカラクリが解脱とか涅槃とか、Nowhereとかnirvanaと呼ばれるものです。別に死ぬことが涅槃なのではありません。心の状態のことです。
【書籍紹介】
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