「オンラインメンターではトランスや深い変性意識状態に入ることを教えないのですか?」とオンラインセッションで聞かれました。
トランスや瞑想や深い変性意識状態というのはきわめて重要です。
教えないのかと言われると、、、たしかにカリキュラムとしては存在しません。
でも通奏低音としてはいつもそこにあるという感じです。
たとえば瞑想は非常に効果的です。
でも瞑想を教えることはありません。でも瞑想状態は重要だと考えています。
ポイントは瞑想とは何か、深い変性意識状態とは何かということです。
*今年度は久々にYogaスクールも開催します!!
我々は物理空間にいるように思っていますが、物理空間以上に情報空間にいます(物理空間もまた情報空間なのですが、いわゆる目の前の物理的現実世界を物理空間と呼び、未来であったり頭の中にしかない情報を情報空間と考えます)。
たとえば試験は目の前にないにもかかわらず、期末試験のために勉強している学生は物理空間以上に情報空間に存在しています。
来年の入学試験のために勉強している受験生は、いま自分がいる物理空間以上に時間を移動したまだ可能性にすぎない情報空間に高い臨場感を持っています。
僕らはこれを単に思い出しているだけだと考えていますが、実際は情報空間を移動しています(まあ「実際は」と言っても定義の問題なのですが、、でも「移動」にこだわる理由があります)。
たとえばこんな話があります。
素晴らしい風景などを思い出してもらって、そのときのバイタル(生体反応)をチェックするという実験がありました。
たておば、被験者がこれまでに言った最も素晴らしい風景の場所をリアルに思い出してもらいます。思い出している最中の、脈拍や脳波や呼吸などを調べます。
上手に思い出すと、呼吸は落ち着き、脈拍も落ち着き、脳波もたとえばα波支配の良い状態になります。
その実験が終わったときに、被験者はきっとこう言うでしょう。
「また、行きたいですね」と。
素晴らしい風景、素晴らしい体験をまた味わいたいというのは自然な感情です。
それに対して、実験者がこう返します。
「いや、あなはた今そこにいたんですよ」と。
この話は僕はとても好きです。
そしてこれはメタファーでは終わらない奥行きがあると思います。
神経科学(脳科学)を真剣に研究している人にとっては、これは「移動」なのです。
きちんと想起して臨場感を高めて、ありありと思い出し、それに身体のホメオスタシスのフィードバックが起きている(脈拍や脳波や呼吸)ということは、その風景に身を浸したのと同じであり、そこに「いた」のと同じということです。
我々が自由なのはこの能力によってです。
パスカルが人間の尊厳を考えることに求めたのも同様です。
だから、われわれの尊厳のすべては、考えることのなかにある。われわれはそこから立ち上がらなければならないのであって、われわれが満たすことのできない空間や時間からではない。だから、よく考えることを努めよう。ここに道徳の原理がある。
ここでのポイントは物理空間と情報空間の対置があるということです。
「われわれが満たすことのできない空間や時間」ではなく、「考えることのなか」に立ち上がらなければならないとあります。
情報空間の優位性、宇宙に対する人間の優位性を示すものとして、「知る」ということをあげています。
だが、たとい宇宙が彼をおしつぶしても、人間は彼を殺すものより尊いだろう。なぜなら、彼は自分が死ねることと、宇宙の自分に対する優勢とを知っているからである。宇宙は何も知らない。
単に宇宙物理学の視点で考えれば、人間も宇宙の一部なのに、なぜ人間と宇宙を対比させているのだろうと思いがちですが、人間の脳の中すなわち内部表現なり情報空間を考えれば、これは物理空間と情報空間の対置であることがわかります(いや、違うかもしれませんがw)。
で、何が言いたいかと言えば、物理空間と同様に情報空間も移動が可能です。
しかし、我々は自分の移動を制限しています。
その制限を取り払い、より遠くへ行こうとすること、行くことこそが「深い変性意識状態」であり、「瞑想」のポイントであるということです。
まあ、どれほど遠くへ行こうが孫悟空と同じく、お釈迦様の手の中でしかないのですが、それでも出来る限り遠くへ行こうとすることは大事です(なぜなら楽しいからであり、それ以外の喜びは多分無いからです)。
とすると、わざわざ深い変性意識状態やトランスの生成、もしくは瞑想などと考えなくても、シンプルに自分がやりたいことをゴール設定すれば、、、、それが情報空間の移動になるのです。
毎朝、ゴール設定をするたびに、「あなはた今そこにいた」のです。
成功の喝采を浴び、夢を叶えた興奮と感動を静かに味わっているのです。
そしてそれは情報空間の移動なのです。
そして情報空間を移動してみると、、、いま目の前に広がる物理的現実世界がその未来の理想世界の残滓(ざんし)で構成されていることがわかります。未来が原因であり、現在が結果に見えてくるのです。
小説リプレイのように、目の前に未来は広がっていて、でもそれは手付かずの未来であり、無限の可能性が広がっている未来です。
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でも、未来を知っているので、走り出したくなるのです。輝かしい未来が待っていることを知っており、かつもっと素晴らしい未来にすることが分かっているから、走り出したくなるのです。
(そのときに脳内ルー・タイスは「君は走る必要はない。でも、走ることを選んだ」と言ってくれるでしょう)
ゴールを楽しく設定することが、深いトランスを生成し、深い変性意識状態を生成し、そして瞑想や座禅が目指す境地に連れて行ってくれます(そして魔境の心配もないのです)。
もちろん変性意識の生成や瞑想やトランスの訓練も重要ですし、大事です。
でも、すべてはゴールを設定することにかかっているのです。
楽しんでやりましょう!!
そこに移動しましょう!!
*トレーニングもまた情報空間の「移動」です。意識状態がすべてです。トム・プラッツの言うように、何をするか、何を食べるかも大事ですが、何を考えるかがもっと重要なのです。
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人間はひとくきの葦にすぎない。自然のなかで最も弱いものである。だが、それは考える葦である。彼をおしつぶすために、宇宙全体が武装するには及ばない。蒸気や一滴の水でも彼を殺すのに十分である。だが、たとい宇宙が彼をおしつぶしても、人間は彼を殺すものより尊いだろう。なぜなら、彼は自分が死ねることと、宇宙の自分に対する優勢とを知っているからである。宇宙は何も知らない。
だから、われわれの尊厳のすべては、考えることのなかにある。われわれはそこから立ち上がらなければならないのであって、われわれが満たすことのできない空間や時間からではない。だから、よく考えることを努めよう。ここに道徳の原理がある。
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