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15分待ったのに、マシュマロを取り上げられたら、その子は次も自制心を発揮できるの?

素敵なコメントをいただきました!!

マシュマロ・テストがらみの記事に関してのコメントです。
記事はこちらです!「マシュマロ・テストは決して我慢できるかのテストではなく、貪欲度をはかるテスト 2016-03-22


*分かりやすいマシュマロ・テストの動画です!!

深いレベルで理解していただき、非常に本質的な疑問を投げかけてくださり、非常にありがたいです。

以前のブログでの話は、自己抑制が成功につながるという話でした。自己抑制力は意志力のリソースを節約するからです。意志力のリソースは重要なところにだけ使いたいのです。

コメントを引用します!!

(引用開始)
抑えることにかけては自信がありました。

でも、それは大きな欲望がかなえられると信じたから。

それがかなわなかったら、もう抑える意味を見いだせなくなってしまいました。ゴールへの臨場感が薄かったのか、抑えるべきものが間違っていたのか・・・

でも、自分をコントロールできた子供も、15分待ってマシュマロを両方取り上げられてしまったら、次はもう待ちませんよね、きっと。そういう経験をしたらどうやって乗り越えたらいいのでしょう・・・

(引用終了)


マシュマロ・テストをパスして、15分待てた子供も、やってきたオトナに持っているマシュマロまで取り上げられたら??

という問題意識です。

そのときは次のマシュマロ・テストで自制心を発揮できるのでしょうか?という疑問です。


これは非常に本質的な質問だと思います。

そして多くの人が感じる疑問だと思います。


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一足飛びに、まず結論から言います。

おそらくは、マシュマロを取り上げられた子供は次のマシュマロ・テストでも、おそらく自制心を発揮できるのだと思います。


自制心のある子は結果が自分の思い通りにならなかったとしても、そこに自制心を発揮できるからです。

たとえば「あのマシュマロは酸っぱかったんだよ(だから食べなくて正解さ!)」というような自分に対する言い訳をひねり出します。イソップ物語の酸っぱい葡萄のようなものです。
そうやって自己抑制します。


自制心というのは筋肉のようなものです。
鍛えることで、鍛えられていくものです。
過負荷によって鍛えられます。


持ち上がらない重量のものがあっても(我慢ができない体験があっても)、いやあるからこそ、筋肉も意志力も鍛えられますし、またそれが報われないことがあっても、長期的にはあまり関係ないのです。


自制とは、取引ではなく、あり方です。


自制心とは、すぐに報酬が与えられるようなものではありません。
ただ自制心によって、うまくいく可能性が上がるということです。

というか、そもそも自制心によっては短期的には損します。

マシュマロをひとつムシャムシャ食べている子の隣で、必死で耐えているわけですから、短期的には苦しんでいますし、損しています。

人生も同じです。

それに人生というマシュマロ・テストはもう少し分かりにくくなっています。「15分」と神さまは区切ってくれません。


自制心というのは、経験から帰納される合理的な選択ではなく、非合理な姿勢です。

まず信仰ありきなのです。

信仰という言い方に語弊があれば、まずブリーフシステムありきなのです(なぜ、そんなブリーフシステムをその子が得られたのかは良く分かりませんが、親を含めた周りの大人の影響か躾だと思います。もちろん進化論上も、未来に高い臨場感を持つ個体のほうが生き残るとは思いますが)。

そもそも信念というものは不合理なものです。

信念は、経験や計算によって獲得するものではありません。そして見返りも求めないものです(だからこそ、どの信念を手にするかが重要なのですが)。



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