本日のシークレットセミナー(じゃなくて、その後の質疑応答でしたか)でも出た話題ですが、いわゆる意志力とか、情熱とか、モチベーションとか、頑張りというものを持ち出すのは大概は愚者の言い訳です。
意志力や情熱や、モチベーションや頑張り、努力というものを行動の関数にしないことです。
これは会社で言えば、指針もなく戦略もなく、広告もないのに、営業ガンバレと言っているようなものです。そのようなビジネスは単なる押し売りです。押し売りが成立するほど単純な社会ではなくなってきています。営業は疲弊し、売上も利益も上がらず、ジリ貧になります。会社とは我々の自我のメタファーです。
自分の意志力が弱いと思っている人は、意志力に依存しているようなシステムがおかしいと考えると良いと思います。意志力や情熱やモチベーション、頑張り、努力が不可欠なシステムというのは、本質的にシステムとして機能していないという考えたほうが良いと思います。戦略がないのに、ガンバレと言っている無責任な上司です。それが自分と自分との関係において起きています。
意志力に依存しないシステムとは何でしょうか?
単純です。
良い行動を習慣化するといことです。
そのために脳のカラクリをフルに使うのです。
脳についてはかなり誤解されていたことが最近分かっています。
脳のトリセツは存在していたのですが、残念なことに間違っていたのです。
たとえば、断酒するときにお酒に強めに封をするのが効果的です。つい飲んでしまう人にとって、厄介な封を開けて飲むほどのコストをかけたくなくなるのです、脳は。
ダイエットのときに食べたものを書くというレコーディングダイエットが流行ったことがありますが、あれもRゆらぎということと、書くのが億劫なので食べないという脳の機能を用いています。
人間工学という考え方がありますが、我々は達成したいゴールに対して最低限やらなければいけないことに対して、ついやってしまうようなデザインをすることです。
意志力を用いないで、デザインを変えることです。
環境を変えると考えても構いません。
そしてそれを習慣化することです。
たとえば言葉遣いを変えたり、所作を変えたり、聞いている音を変えたり、見ている風景を変えたり、読む文章を変えることです。
見えるところに甘いものがなければ、食べようとはしません。見えるところにゴミ本がなければ、そして楽しそうな専門書や古典しかなければ、それを読みます。ついやってしまうようなデザインをすることです。
もちろん習慣化するまでには、苦痛が生じますが、それもまた脳を使って、ついやってしまうようにデザインします。たとえば、あることを習慣化するとこんなメリットがありますよということを脳に示すのです。そしてそのメリットは全く嘘でもいいのです。
脳はメリットに反応するというよりは、一緒に発火するアンカーの気持ちよさとつながるだけです。
ですから、辛い作業を気持ち良い音楽や映像と共にやると辛い作業に気持ちよさがアンカリングされます。これは肉体的な気持ちよさだけではなく、抽象的な快楽でも構いません。
習慣化したい行動と何か別に大量のドーパミンが出るものを同時にやれば、勝手にアンカリングされるのです。これは脳の機能です。
というか、脳の好き嫌いなんてそんな単純なことでできています。
習慣化したい行動に気持ち良さをアンカリングして、望ましくない行動が起こせないようにデザインすることで、自分をコントロール可能です。
忙しい飲食店で働くようなもので、何も考えないで身体が動くレベルに鍛えることです。スポーツのセットプレイのようなものです。
自分の行動や思考をデザインすると考えると、意志力は不要になるのです。もちろん努力も不要になります。
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意志力とか情熱とか頑張りに依存しなくて済むようなデザインを!!
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