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Channel: 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ
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理研のセントラルドグマ(DNA)と化学というレゴ・ブロック

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「まといのば」の寺子屋では体質改善についてあくまでも科学的(化学的)に考えるために、解剖学(骨格)、化学基礎、生化学、解剖学(内臓・消化器系)、栄養学などを体系的に学びたいと考えています。今後は栄養学を生化学視点でまとめなおしつつ、解剖学の内臓編を楽しく学び、化学という言語に習熟できるための速習講座をどこかでやりたいと思っています。

「まといのば」では糖質制限という言葉をあえて嫌い、体質改善と呼んでいますが、体質改善において重要なのは、栄養学であり、栄養学を支える生化学、生化学を支える化学、化学を支える物理学の知識が必要です。栄養学を考えるにあたり、消化器系の知識は不可欠です。胃も腸も分からなければ消化吸収については語れません。最低限の消化器系については知っておきたいと思います。すなわち解剖学のうちの内臓です。

とは言え、これだけでは足りないのも事実です。

「まといのば」が考える体質改善の3つのポイントは「糖中毒、栄養失調、筋量不足」です。
この3つをクリアしていくことで体質を改善していくべきと考えます。もちろんここにアルコール中毒や薬物中毒、摂食障害などが入る場合もあるでしょう。代謝異常症であるメタボリックもこの糖中毒と栄養失調にカテゴライズされると考えています。

で、もし糖中毒ならば禁断症状が酷いですし、栄養失調ですと動けなくなり、ケガも増えます。筋肉量不足というのはクエン酸回路を止めるためにATPは産生しないことは生化学の中でも学びました。
3つは互いに関係していますし、独立しても問題を引き起こします。

たとえば筋肉量不足はケガを起こしますが、ケガを起こすと安静にすることでますます筋肉量が減ります。栄養失調だと動きたくなくなり、筋肉を削って、動かないことが最適解となります。すなわちますます酷い栄養失調と筋肉量不足をまねきます。糖中毒は深刻で、糖が無いとイライラしますし、糖が入れば他の栄養素を摂る必要を感じなくなります。あめ玉を口にいれれば、わざわざステーキを食べる面倒を省きたくなります。それが玄米という糖であっても、野菜という糖であっても同様です(玄米や菜食を否定しているわけではありません。ただその主成分について語っているだけです。水を除けば炭水化物が主です。炭水化物=糖です)。

生化学の半分は化学です。
厳密には化学の言葉で生命現象を扱います。

化学というと難しい印象があるかもしれませんが、その半分は誤解です。そして半分は単純な丸暗記で、もう半分はシンプルなアルゴリズムで解決します。
そのシンプルなアルゴリズムでは、化学はレゴ・ブロックであるということです。
カチャカチャ組み合わせて大きな構造物をつくるものです。レゴのように組み合わせますし、レゴのように1つ1つの部品はシンプルで、組み合わせ方もシンプルですが、それが大量に組み合わせられると複雑さを示します。ただ原理とカラクリはシンプルです。


*化学とはレゴ・ブロックである。


寺子屋では、パウリの排他原理から化学をスタートしました。

化学の底の底にあるのは、物理学です。それも1つの原理から化学はすべて演繹できると言っても過言ではありません。すなわちパウリの排他律です。

パウリの排他律はいわば椅子取りゲームで、1つの椅子には1つの電子くんしか座れないという原理です。それが原子模型を支えています。そうでなければ電子というマイナスの電荷は原子核というプラスの電荷に落下していきます。
そして最外殻電子を考え、原子から手が生えているというメタファーで化学的な結合を考えます。

そこまでが化学をやるための物理的な知識です。あとは「化学」という新しい言語をいつものように学んでいくだけです。
まずは周期表を語呂合わせで機械的に覚えます。
いわゆる「すいへーりーべー」で良いので、まずは暗唱し、それを「H,He,Li,Be」と書けるようにします。



アルファベットを覚えるのと同じなので機械的に覚えます。
そして、周期表がスラスラと書けるようになったら、Hが水素、Heがヘリウムという風に元素記号と元素の名称を対応させていきます。

次に主な分子を化学式で覚えます。たとえば水ならH2Oとか、水素分子ならH2などのようにです。これは語学で言う単語にあたります。これも100個程度を機械的に覚えれば十分だと思います。

そして、その単語を組み合わせた代表的な文章を機械的に覚えていきます。たとえば木炭を燃やして二酸化炭素が出ることを、C+O2→CO2のように書けるようにします。逆の翻訳もできるように。化学反応式も100も覚えればOKでしょう(多分)。

寺子屋のどこかで化学という言語の速成講座はやりたいと思っています(いや、もしくは、たとえばある回では周期表、ある回では化学式、ある回では化学反応式という風に細切れのほうがいいのでしょうか?暗記の負荷を軽くしていくためにも)。

とは言え、今回はATPにせよ、核酸にせよ構造式を実際にそれぞれが書いてみました。
ATPというのは身体の通貨であり、いわばエネルギーです。しかし、その実体は単なる分子でしかありません。

ATPをロゼッタストーン式に解きほぐすと、ATPとはアデノシン三リン酸です。Tがモノ・ジ・トリ・テトラのトリ(Tri)ですので、Aアデノシン、T3、Pリン酸という感じです。
アデノシン三リン酸とは、
アデニン + リボース + リン酸が3つというだけの構造です。
アデニンは塩基ですし(核酸にも関わります)、リボースは単なる糖です。リン酸はおなじみです。

それを踏まえて構造式を見るとシンプルです。

右側から、アデニン、リボース、そしてリン酸が3つあるのが分かります。
左から見ると、リン酸はP(リン)が目印、リボースは亀の甲羅の変形みたいのが目印、残りがアデニンという塩基です(Nの窒素が目印です)



同様に核酸も塩基+糖+リン酸というありふれた材料が単位です。それがリン酸を介して数珠つなぎになっているだけです(リン酸エステル結合)。

そう考えると複雑に見える有機の高分子化合物もシンプルです。

核酸という塩基+糖+リン酸というありふれた材料の高分子化合物が織りなすのがいわゆる遺伝です。塩基の部分がA,G,C,Tというアルファベットになっており、それが3つセットで文字になっています(コドン)。20種類のアミノ酸しか使わないので、4文字×4文字×4文字=64通りの組み合わせがあれば十分です。多すぎるくらいです(ただ2文字だと16通りなので、20種類に少しだけ足りません。ここらへんは寺子屋「分子生物学」でやりましたね)。



ざっくりと核酸=塩基+糖+リン酸と覚えて、そのあと塩基には二種類あってとか(プリンとピリミジンの仲間の二種類ですし、種類もたとえばDNAならAGCTでしかありません)、糖も五炭糖でDNAとRNAではOがあるかないかしか違わないなどをあとから追加していけば良いと思います。
まずはざっくりと全体像。それから個別具体に降りれば良いのです。

遺伝とは、DNAの塩基配列という文字をRNAが読み、それをメッセンジャーRNAが核の外に出し、トランスファーRNAが翻訳と称して、アミノ酸配列に変えていきます。アミノ酸が連なったペプチド、それが多くつながればタンパク質です。連なった先から構造化していきますが、その構造は完全にDNAの段階で決っているのが面白いところです。すべてのプロセスは純粋に機械的なのです。

DNA → mRNA → tRNA → ペプチド(タンパク質)

という情報の流れです。その情報は最初は塩基で書かれ、それがアミノ酸配列に翻訳されます。

以下に参考のためにWikipediaを引用しておきます。

(引用開始)


まず、RNAポリメラーゼⅡの働きにより、DNAの遺伝情報はmRNAに転写される[5]。次に、mRNAが核膜の孔を通って核から細胞質に出ると、細胞質中のリボソームに結合する[5]。リボソームにおいては、アミノ酸を運んできたtRNAが、mRNAの3つずつの塩基配列(コドン)に対応して結合し、運ばれてきたアミノ酸が繋がってペプチドを作る[5]。RNAからタンパク質を作ることを翻訳と呼ぶ[6]。この、DNAからタンパク質が出来る流れの概念がセントラルドグマである[5]。
(引用終了)

この機械的な感覚を見事に表現しているのが理研のこのビデオです。
セントラルドグマというのは、二重らせんのワトソン・クリックが提唱したDNAから情報が核酸拡散するということです(この情報の流れは一方向ですよ、というのがセントラルドグマでしたが、もちろんレトロウイルスの発見によって、逆向きにDNAに書き込まれることがあることもわかっています)。



この理研のビデオが良いと僕が思うのは、生命現象でありながら、まさに機械的に描いているからです。

ミンスキーではないですが、生命は生命でないものが寄り集まってできる現象なのです。


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