骨盤底筋群は締めるけど、閉じてはいけません。
締めるけど、閉めてはいけないということですね(^^)
で、実際にどうするかと言えば、バルーンを用います。用いるのですが、お尻をしめてはいけません。
で、少し誤解があるかもしれませんので、確認です!
バルーンも膨らますというイメージがありますが、お腹は膨らませてはいけません。
胸は膨らませますが、お腹は凹ませます。
お腹の力を抜いてぐにゃぐにゃにした状態で、手を下腹部に当てて、グッと押します。
そのつぶした状態でハタをかけて、ロックするイメージです。
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*バルーンは胸腔と腹腔があります。両者を分けているのは横隔膜です。
バルーンというと風船なので、ふくらませるイメージがありますが、バルーンのポイントは腹圧です。お腹をふくらませてはいけません。ポイントは腹圧が全方向にかかるということです。特に背中に膨らむ方向が重要です。押しこむのは下丹田のイメージです。下丹田が仙骨の手前くらいまで押し込まれる感じです。
下丹田は押し上げないで、背中にまっすぐ押し込みます。
そうすると、骨盤が上がります。
骨盤が上がると、足がぶら下がります。
厳密には下丹田をきちんとつくると、骨盤に一種の遊びが生じます。冗長性のようなものです。そのことで、骨盤を上げることができます。解剖学的には筋肉の拘縮が取れることと、アライメントが届くことなのかと思います。
よく整体などは癒着などと言います。本気で筋肉が癒着するはずもないのですが、セマンティクスには「癒着」という言い方がぴったりきます。拘縮も似た感じです。硬く固まってしまい骨も含めて一塊になる印象です。
これはおそらくはカタレプシーの平衡状態になっているのではないかと思います。力を入れているというより、むしろカタレプシーであり、どんな動きに対しても動的平衡を示すので、なめらかに硬いままでいられるのです(褒めてません)。ここで言うなめらかというのは、カチカチながらもかろうじて動くことができるというレベルでのなめらかです。カタレプシーは硬直を普通は硬直しますが、最低限のロボットのような日常生活は可能ということです(いやいや、もはやロボットのようなという形容は使えなくなりますね)。
カタレプシーなので少ない筋肉で済みます。猛烈な力がほぼ無意識的に発揮されている状態です。高齢者に見られる硬い筋肉がこれかと思われます。少ない筋肉で猛烈な力を出すためにはカタレプシーは有効です(ただ使えない筋肉であり、使えない身体になりますが)。
バルーンなどはなかなか誤解されやすい概念ですが、お腹を内側から硬く膨らますというわけではありません(いやそういう面もあるのですが)。
少なくとも最初につくるときは、腹筋をゆるめて、下腹部に手を当てて、その手をそっと背中のほうへ押し込むイメージです。大事なことなので箇条書きします。
1.まず腹筋を完全にゆるめて
2.下腹部に手を当てて
3.その手をそっと背中に押し込める
4.その状態をハタでキープです。
お腹をへこませるということですが、いわゆるお腹をへこませるのとは異なり、丹田としてある程度の大きなかたまりをお腹に押し込んで下さい。
丹田とは何かと言えば、解剖学的には腰椎のアライメントを整えるということです。
背骨が反っているので、それをなるべくストレートにするイメージです。
背中のほうの凹んでいる筋肉が盛り上がっていくイメージ(実際に盛り上がります)です。そうすると背中がスッと綺麗になります。腰椎が広がり、スペースができます。
余談ながら、この腰椎の伸展というべきものがないと、たとえば開脚や、たとえば結跏趺坐は不可能です。開脚や結跏趺坐が股関節や足首の柔軟性だと思っている人は幸いです。その考えをあらためましょう。ポイントは脊椎であり、引き上げです。腰椎を伸ばすと、スペースができて、結跏趺坐や開脚が上達します。
余談ついでに、先日のYoga講習会で判明した気付きというか注意点ですが、PushUpのときはフレックスにしましょう。フレックスというのはバレエの言い方ですが、要は足首を屈曲させて、足の指も屈曲させましょうということです。きっちり屈曲させないと足を壊します。理由はシンプルです。足の指には体重を支えるだけの骨の太さと筋肉の太さがないからです。そしてもしその筋肉を鍛えてしまうと、足全体がバカになります。
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「すべての筋肉を鍛えよ」と最初は言いますが、実際には筋肉には優先順位があります。
気功整体師養成スクールで公開したFrozen(停止)という技術は、その優先順位が低い筋肉をゆるめていく気功技術です。この技術をたとえて言えば、勘違いして熱く盛り上がっている跳ねっ返りの下っ端筋肉を叩(はた)いて眠らせるようなイメージです。
ちなみに、筋肉は小さな小さな小人の集合と考えるのが便利かと思います。プロテインを飲めば新人が大量に参入します。僕もそうでしたがビーガンや菜食主義者はタンパク質の摂取量が控えられるために、筋肉が代謝しません。筋肉は代謝させないと若返りません。成長もしません。代謝しなくなるということは老化したということだからです(激しい代謝もまた問題です。分裂が間に合わなくてエラーが起こることはよく知られています。たとえば、傷口を埋めるときなどは突貫工事で壊れた細胞で埋められています。すぐに取り替えられるので、とりあえずで良いからです。しかしそれが恒常的であると問題です。その意味で身体は全部を使い切ることで、負担を分散したほうが良いのです)。
小人の集合が集まって1つの個体をつくっているというのは、60兆の細胞と100兆の細菌の集合体としての我々の身体像からも明確です。
もっと象徴的に言えばホッブズのリヴァイアサンを思い出します。
ホッブズは国家は聖書に出てくるリヴァイアサンという怪物と同じだと考えました。人の集合が1つの巨大な国家という人格をつくります。
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ホッブズの主著「リヴァイアサン」の表紙は怪物リヴァイアサンの絵ですが、その身体は人間の集合体です。
話を戻しますが、骨盤底筋群です。
骨盤底筋群のコントロールはきわめて難しいので、最初は意識しないほうが良いと思います。
骨盤底筋群を締めようとして、肛門を閉めてしまうと、下手すると排泄を阻害します。阻害された排泄物は大腸で水分が再吸収されるために、硬くなり粘膜を傷つけます。
骨盤底筋群を締めようとしないで、骨盤の位置を正確にすることだけ意識すると、勝手に骨盤底筋群は締まります。それが理想的な状態に近いかと考えます。
骨盤の位置を正確にというのは、腰を反らせず、落とさずです。前傾にすることなく、かと言って後傾にすることもなくフラットにすることです。そのことで骨盤の位置が正常化します。
その状態で骨盤を高くにフローティングさせます。
そのとき足が解放されて、ブラブラする感じと細くなる感じが味わえます。
そのときにそっと床に足をつけるのが「リンカーンの足」というアライメントの技術です。
身体を闇雲に鍛える時期が過ぎたら、科学的に解剖学的に鍛える時期がやってきます。
身体というミクロコスモスの探検を楽しみましょう!!
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*Yogaスクールで圧倒的な身体を目指しましょう!
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お尻(骨盤底筋群)はたしかに締めるけど、閉じてはいけない(^^)
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