フランスの田舎町でのことだったと思うのですが、バレエ団の海外ツアーの途中の予備日に小さな素敵なホテルで1日過ごすことになりました。
普段は移動か本番かというツアー日程の最中に一日だけエアーポケットのように空いた日だったように記憶しています。リハーサルもなかったのか、あったとしても昼ではなく夕方からだったのか、、、それとも近くに借りられるスタジオやバレエ団がなかったのか(そういう気がします)、正直記憶は曖昧です。
ただ、かなり遅い朝食を仲間と食べている最中に、遅れてGさんがパートナーと一緒に入って来られました。彼女はパリ・オペラ座でエトワールをつとめたあとにイギリス・ロイヤル・バレエ団でプリンシパルとなりました。当時はその移籍に際して「フランスの国家的損失」とまで言われたものです。まあ男勝りでとても魅力的な方です。
そのG女史が席について、何を食べるのかなと思っていたら、キウイを6つほど持ってきて、ナイフで器用に剥いて、ひとつずつ食べていらしていました。スルスルと器用に剥いていたのが印象的でした。朝食にフルーツというとナチュラル・ハイジーンを思わせます(もちろん違うでしょうが)。
そんな夢を見ました(まさかの夢オチ?!)
c.f.こんな夢を見た。腕組をして枕元に坐っていると、仰向に寝た女が、静かな声でもう死にますと云う。 2023年10月22日
ポイントはキウイの皮をナイフで剥くところです。
スルスルと剥いては器用に食べていらっしゃいました。
トーマス・マイヤーも果物の皮を剥くようにとしばしば言います。
これは比喩以上のものがあるように思います(いや、比喩ですけど)。
トーマス・マイヤーは穏健な感じながら、僕にはレジスタンスの闘志に見えることがあります。
ああ、そう言えば「軟骨にも市民権を」と軟骨と骨とを平等に扱うようにとレジスタンス活動をされていました。
そんなトムの素敵なお言葉がこちら!
ヒトとグレープフルーツの構造はきわめてよく似ている(トーマス・マイヤー)
まさかホモ・サピエンスも植物との構造の類似性を指摘されるとは思わなかったでしょう。
あまりに抽象度が高い視点です。
素敵です!
ヒトとグレープフルーツの構造はきわめてよく似ている。グレープフルーツの外皮はヒトの皮膚ときわめて似ており、外界に対応するようにデザインされている。(中略)外皮はヒトがまとまっている「脂肪のフリース」と同じである。朝食用にグレープフルーツを真ん中で切った場合、隣り合う区分がそれぞれ壁で仕切られていることがわかる。オレンジのように皮を剥いて1房ごとに分けると、外見上1つの壁は実際には2つ壁であり、片方が各房にくっついていることがわかる。筋間中隔も同様である。これはナイフで切り離されることが多いために、単に各筋の筋外膜と考えられている。しかし、グレープフルーツの壁が食べた後に残るのと同様に、図A1-9のように筋間中隔も残り、これらが強力な構造であることがわかり、切り離して検討する価値がある。(p.307)
このイメージはきわめて大事だと思います。
Fasciaと言ったときに筋膜と考えるからうまくいかないのです。
筋膜というと筋肉を覆っている膜のようです。
その視点ではFasciaの本当の姿が見えてこないのです。
朝食用にグレープフルーツを真ん中で切った場合、隣り合う区分がそれぞれ壁で仕切られていることがわかる。オレンジのように皮を剥いて1房ごとに分けると、外見上1つの壁は実際には2つ壁であり、片方が各房にくっついていることがわかる。筋間中隔も同様である。(p.307)
「外見上1つの壁は実際には2つ壁であり、片方が各房にくっついていることがわかる」ここが重要かと思います!
その上で、トムが脳内でやっている作業はグレープフルーツからジュースを絞って(すなわちヒトから挽肉を取り去って)、そのときに残るものを考えたいのです。
グレープフルーツは我々が思い描こうとしてるものをうまく例えている。魔法のように構造を壊さずに、グレープフルーツのジュースをすべて取り出すことを想像してほしい。この場合、真皮層と疎性結合層の皮は損なわれず、グレープフルーツの形は保たれる。(p.307)
このグレープフルーツによって例えられている思い描こうとしているものは何かと言えば、、、、「まといのば」の表現で言えば、漫画『亜人』のIBMであり、イマンで象徴している砂金でできたマイケル・ジャクソンです。
c.f.実際には骨に付着している筋は身体に存在しない‐-筋は付着する膜がなければ挽肉である。 2024年03月02日 テーマ:講座案内 公式ジャンル記事ランキング:整体・リラクゼーション1位
IBMは、物質だよ
たとえば、以下の写真は皮膚も脂肪も靭帯も筋肉も骨も取り去られていますが、、、、我々は足だとわかります。なぜでしょう
これはIBMを思わせます。
亜人のIBMはもちろんサイエンス・フィクションですが、同じような構造物ないだろうか、それもつ物理で、、、と探した結果、トーマス・マイヤーは3つの構造体を見つけました。いや、偉大なるヴェッサリウスが先に発見し、素晴らしい解剖図も描いていました!
では、そのような3つのシステムとは何でしょう?(いや、もう先の記事で答えているけど)。
明確な解剖学的用語による答えは3つ. すなわち、神経系、循環系、繊維(膜)系である
その3つは密接に絡み合っていますが、物理的には切り離して取り出せます。
次の疑問をきっかけに思考実験を始めよう. 魔法のようにヒトの構成体を無傷で取り出すとしたら、正確な身体の形を内外両側から示すのはどの生理学的系であろうか? つまり、本当にホリスティックなネットはどれか?
ある解剖学的系を除き、身体の各部を魔法のように見えなくできることを想像してほしい。そうすると、その系が生きているように空間に立って動くのが見える. 問題となる身体の形を正確で完全に示すのはどの系であろうか?
著者らの疑問に対する明確な解剖学的用語による答えは3つ. すなわち、神経系、循環系、繊維(膜)系である. この考え方は、1548年にVesaliusがこれら三系を描いて出版しており、独創性に欠けると言わざるを得ない. (p.303)
ここで(独創性の欠如の論拠として)ヴェッサリウスを持ち出すのがCoolと言わざるを得ませんが、実際に近代解剖学の父であるヴェッサリウスは偉大です。
そして、そのヴェッサリウスがすでに神経系、循環系、繊維(膜)系で全身を描いているのはその先見性とともに衝撃的です。
”GoodArtist Copy, Great Artist Steal"とジョブズはピカソから剽窃して言いましたが、トーマス・マイヤーも盗むことにかけては矜持を持っています。
c.f.「画家とは結局なんですか?」という質問にピカソはこう答えた。それは、自分が好きな、、、、 2016年12月29日
1人からアイデアを盗むのは盗用であり、10人からだと学問であるが、100人からであれば、それは新たな研究である(トーマス・マイヤー)
学べば学ぶほど、私の無知の地平線は広がっていく、1人からアイデアを盗むのは盗用であり、10人からだと学問であるが、100人からであれば、それは新たな研究であるといわれる. したがって、私の模倣はまったく独創的なものではない. それでもなお、これらの人々の仕事は胸高鳴るアイデアを注ぎ込むことである. そしてあらゆる誤りや思い違いを引き受けるのは私の仕事であり、今後この研究を繰り返していくなかで、この誤りや思い違いを訂正できることを楽しみにしている.
多くの熱心な私の生徒は、私が単独で行っていたであろうよりも多くの学びへと駆り立ててくれた.(vii『謝辞』アナトミートレイン)
僕自身もトーマス・マイヤーにミメーシスして、「多くの熱心な私の生徒は、私が単独で行っていたであろうよりも多くの学びへと駆り立ててくれた.」と宣言したいと思います!!
いよいよ来週開催!
BodyDesignBootcamp3期は第3回となります!!!
【BodyDesign BootCamp3期 〜密教タントラの奥義〜開発から関係へ】
〈Body Design BootCampは全3コースです〉
・Body Design BootCamp3期プラチナコース(リアル受講+毎月1時間プラチナセッション)(受講料60万円)
・Body Design BootCamp3期リアル受講コース(リアル受講+ビデオ受講)(受講料40万円)
・Body Design BootCamp3期ヴァーチャルコース(ビデオ受講)(受講料20万円)
【受講要件】「まといのば」スクール修了生(メンター修了生)もしくはそれに相当する方
【日程】
#1:1/14(日)18時〜 (Zoom版ですが配信開始!)#2:2/10(土)18時〜(Zoom版ですが配信開始!)
#3:3/9(土)18時〜
#4:4/13(土)18時〜
#5:5/11(土)18時〜
(予備日:6/8(土)18時〜)
(前期までと同じく土曜日オイルBootCampの後にスタートです)
Pearlyな肌を目指して!!!