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Channel: 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ
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「あなたはあなたが食べたものでできている」から「あなたはあなたが消化したものでできている」へ

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アーユルベーダでは「消化」を大切にします。

僕はあえて消化ではなく「代謝」という言葉を使いたくなります。

 

アリストテレスは生命と非生命の違いを聞かれたときに「呼吸」と言いました。

死んだ瞬間の人というのは、何が失われたかと言えば「呼吸」が失われたということです。逆にそれ以外の違いは存在しません。

 

 

呼吸をしない生命は存在しますので(定義によりますが)、代謝という計算をすると考えれば、それはこのまま現代科学でも使える定義かと思います。

 

ドーシャスクールのテーマでもあった栄養学とアーユルベーダの最大の違いは何かと言えば、それはきわめて些細で、そしてきわめて重要なことです。

 

栄養学:あなたはあなたが食べたものでできている。

 

言うなれば、栄養学は「あなたはあなたが食べたものでできている(You're what you eat.)」です。

これは非常に直感的に納得できるものです

 

ですが、アーユルベーダはそこから一歩進み、

 

アーユルベーダ:あなたはあなたが消化したものでできている

 

と考えます(このような言い方をアーユルベーダの古典書がしているわけではなく、僕らがあえてこのような言葉にしています)。

 

口に入れて、食べたものの内できちんと消化したものだけで、身体は構成されます。

逆に未消化物をアーマと呼び、毒になると見做します。

 

食べたもの(で身体はできている)vs消化したもの(で身体はできている)

 

という対立は非常に面白いものです。アーユルベーダの視点から観ると、食べたものは全て消化されるわけではないという視点が入ります。

 

逆に栄養学の視点では、容易に「良いものはたくさん摂りましょう」というMoreの暴君が顔を出しがちなのです。

良いものをたくさん摂ったら、それは悪いものになってしまうのです(なぜなら未消化となるからです)。

 

「良いものは悪いもの」というマクベスの魔女のようなことになります。

 

 

ドーシャスクールでのポイントは調理とは消化のプロセスであるということです。

代謝のプロセスと言っても良いでしょう。

 

そのとき愛情を持って食材と向き合い、彼らが気分良く食べられるように配慮するというオカルトチックな(でもきわめて大事な)視点が必要となります。

 

繰り返し出てくる言葉にたとえば「スパイスに風邪をひかさない」というものがあります。これは僕らもスパイス料理を習う中で幾度となく言われたものです。冷たいオイルにスパイスを放り込んで香油を出そうとしてはいけないという意味なのですが、あえて「風邪」という言葉を使うところに先人達の知恵があるのです。

 

食材を選ぶか、どう切るか、どう火を入れるか。どうスパイスを加えていくか。

 

「刃の入れ方」、「火の入れ方」が大事となってきます。
(第二回のテーマの1つは土器と鉄器です)

 

これは美味しく食べるためであり、シンプルに消化のためです。

 

また消化の火という考え方がありますので、離乳食のようにドロドロにすれば良いわけでもありません(それを選択することもあります)。その日、その人の消化力に合わせた調理法が選ばれます。ここにも双方向性があるのです。

消化力が強い人(時期)には、消化に重いものをあえて出します。

消化力が弱まっているとき(人)には、消化に軽いようにして、出します。

 

「良薬口に苦し」などと申しますが、アーユルベーダでは良薬は口に美味しくあるべきだと徹底的にこだわります。

 

 

また盛り付けや飾りつけ、そしてどんな気分で調理し、どんな気分で食べるかも消化にとって重要です。そのようなアートとして、贄(にえ)の儀式が存在するということです。

 

だからこそ「(命を)いただきます」なのです。

 

ビーガンの不思議な論理の中に動物の命を奪いたくないというものがありますが、我々は誰かの犠牲の上にしか生きながらえることはできません。Dr.Tは以前、「腸内細菌たちを今この瞬間にも殺している」とおっしゃっていました。命に軽重をつけないなら、動物も植物も菌も同じです(つけるならば、それは命の差別に繋がります)。

 

宮沢賢治の「よだかの星」の中に、よだかが虫を食べるシーンがあります。自分が虫を食べることに嫌悪感を持ちながら、でも食べないと生きていけない矛盾を描いています。

 

(ああ、かぶとむしや、たくさんの羽虫が、毎晩僕に殺される。そしてそのただ一つの僕がこんどは鷹に殺される。それがこんなにつらいのだ。ああ、つらい、つらい。僕はもう虫をたべないで餓えて死のう。いやその前にもう鷹が僕を殺すだろう。いや、その前に、僕は遠くの遠くの空の向うに行ってしまおう。)

 

観念的に考えず、我々は先達の智慧に従い、感謝して喜んで命を頂きましょう。

それがEcoSystemのクローズショットです。

 

そして採集・調理・食事の過程のディテールが大事であり、そこが「消化」であり「代謝」なのです。それが分かると、なぜ食材の切り方にこだわり、完成図にこだわり(完成図から逆算して食材を切り、火を入れ)、皿の置き方、食材の色が全て見えるようにするかにこだわるカラクリが見えてきます。華やかで美味しそうであることも大事なのです。

 

*チャイは歴史は浅いものの、きわめてスパイスの伝統に沿うものに仕上がっています!(同様に唐辛子も歴史は浅いですが、スパイスの世界に溶け込んで、そして欠かせないものになっています。ここに僕らはEcoSystemを観るわけです。伝統を頑なに守ることがEcoSystemではありません。変化にしなやかに適応することがEcoSystemです)

 

 

ドーシャスクールは通年の講座(スクール)です。

これからの参入も歓迎です!!

 

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p.s.華やかと言えば、華やかな舞台がいよいよ開幕です!

当日券はあるそうです!

料理と同じでその瞬間しか味わえない感動があります。

 

*お陰様でアメブロの整体・リラクゼーション部門記事ランキング(9月2日)で1位を頂きました(他に6位と10位も)。総合ランキングは3位でした。いつも読んでくださる皆様のお陰です。ありがとうございます!

 

c.f.「ごん、お前だったのか。いつも栗をくれたのは」 〜EcoSystemの禍福は糾える縄の如し 2023年08月31日 テーマ:講座案内 公式ジャンル記事ランキング:整体・リラクゼーション1位

 

c.f.♫歌を忘れたカナリアは 象牙の舟に銀のかい 月夜の海に浮かべれば 忘れた歌を思い出す♫〜物忌 2023年08月31日 テーマ:講座案内 公式ジャンル記事ランキング:整体・リラクゼーション6位

 

c.f.「大神(おおかみ)たちの恩頼(みたまのふゆ)の蒙(かふが)り奉(たてまつ)りて」 2023年08月31日 テーマ:講座案内 公式ジャンル記事ランキング:整体・リラクゼーション10位

 


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