息は止まりやすいものです。
たとえば、あなたが裁縫をすることを想像してみてください。
最近の人は裁縫などしないのかもしれませんが(僕も針と糸を持ったのは、小学校の家庭科以来かも、いや、そんなことないか)、針と糸を持ち、糸を針に通すことを想像してみてください。
イメージとは言え、リアルに針を持ち、リアルに糸を持ち、その細い糸を、針の細い穴に通します。
余談ながら、こういうワークが得意な人は、気功が得意になります。
脳は「やったつもりになる」のが得意な臓器なので、どこかのタイミングでリアルに想像してみてください。
そうすると糸を針に通そうと集中する瞬間の自分を冷静に外から眺めると、息が止まっているのが分かります。一瞬なので、大して問題にはならないのですが、一瞬息が止まります。
カメラマンなどはシャッターを切る瞬間に息を止めると言います。それはカメラが呼吸でぶれないため、だそうですが、一方で集中してシャッターを切る瞬間は勝手に息も止まっているのではないかと想像します。
この集中すると息が無意識に止まるという行為を俯瞰して見ることができると、我々は普段も息をよく止めていることが見えてきます。
「あ、いま息をしていなかった」
という瞬間はよくあるのです。
カーネマンは瞳孔のサイズで意識よりも先に身体が好悪を判定することを見つけましたが、我々は呼吸でも集中なり、フレームの中断なりを経験しているのです。ただ、それは瞳孔の散大と同じで我々の意識には上がりません。逆に上げられれば(まさに「Rゆらぎ」です)、それは大きな武器になります。
同様に、肩甲骨の挙上や僧帽筋の盛り上がりなどのいわゆる「肩が上がる」という問題があります。
これも緊張したり、防御に入ると、肩が上がるのですが、だんだんそれが癖になってくると、肩が下がっている方が落ち着かなくなります。
姿勢なども同様です。
集中すると姿勢が悪くなる人がいます。
癖になっているということは、ホメオスタシスになっているということです。
これらの癖を治す方法はただ一つです。
「Rゆらぎ」です。
意識するということです。
無意識にしてしまっていることを意識することで、内部表現は書き換わります。
「いま、息が止まっていないかな?」
「いま肩は上がっていないかな?」
「いま姿勢は悪くないかな?」
と普段から繰り返し意識することで、変わってきます。
Rゆらぎのように、無意識に感じていることを意識に上げてあげるだけではなく、より突っ込んであげると、ゴールということになります。
深く息をできていて、肩がいつも下がっていて、いつも姿勢が良い自分を理想として、それをゴールとすることです。
最初は誰かモデルがいても良いです。
そのような理想の自分をいつもクリアに頭に思い描き(先程の針糸のワークのように)、そしてそれを自分に落とし込みます。
理想の自分を着るのです。
そして深くリラックスします。
これが気功の基本です。
気功の基本はシンプルです。
シンプルなことをシンプルに繰り返すと、Crazyで圧倒的な結果に繋がります。