レイヤーとは層のことで、階層性と絡めて話すことが多いです。
抽象度には階層性があります。
階層性というのは、建物のようなもので、一階があり、二階があり、三階があるということです。
透けている建物を上から眺めたら(下から見上げても良いのですが)、一階にあるものと二階にあるものが並んで観えるかもしれません。
でも近くにいけば、それは並んでいるわけではなく、レイヤーが異なることが分かります。階が違うのです。
でも遠くから観ている分には好き勝手が言えます。
僕らは近くで見て、その階に言って、実際にモノを動かせるヒーラーを育てたいと考えています。真に社会で役割を果たせるヒーラーです。雰囲気で物を語って(いや騙って)いるかわいそうなヒーラーもどきではなく、きちんと結果を出せるヒーラーです。
たとえば、蟲とか脱洗脳というのは多くの人が好きです。呪術とか、魔術も同様です。
好きなのは良いのですが、せっかく好きになってハマったのであれば、しっかり使えるようになって欲しいと思っています。
僕らが思う以上に世界は奇妙な場所です。
陰謀論に夢中になるのであれば、せっせと街のサロンでクライアントの身体に触れて、ゆるめていきましょう。数をこなしましょう。ひとりひとりのことを真剣に考えて、心を込めて施術しましょう。ヒーラーのお仕事というのは結局は目の前のクライアントを癒やすことしか無いのですから。
蟲が原因かもと思う前に、まず通過すべきレイヤー(層)があります。
たとえば、解剖学のレイヤー、生化学のレイヤー、神経科学のレイヤーです。
クライアントさんが痛みを訴えているときは、まずは解剖学的に考えるべきです。
筋肉を痛めているのか、内臓を傷めているのか、関節を痛めているのか、と解剖学的に考えましょう。
次に生化学的に考えます。たとえば栄養失調は痛みの原因になります(痩せすぎだけではなく、肥満はほぼ栄養失調だと「まといのば」では考えます)。
また神経の圧迫や神経の過剰な興奮、神経自体の問題で痛みが起きることもあります。ホルモンもまた一つの原因になります。
器質的な問題だとしても、それは筋肉量の不足なのか、筋力の不足なのか、腱や靭帯を傷めたのか、それとも使い方が負担をかけているのか、、、という分析が必要です。
これらを丁寧に腑分けしたあとで、どうしても治らないおかしな場所があるときに、もしかしたら、、ということで、蟲や呪いやサイキックアタックやらそういうものの原因の可能性が浮上してきます。
1階の解剖学を通過しないで、5階の蟲に辿り着いてはいけないのです。下から順番にやるべきです。
実際に「蟲が原因で」とか「呪われていて」とか「被ってしまって」「攻撃を受けています」という人のほとんどがもっと低い階層(レイヤー)での問題が原因であることが多いです。
栄養不足や睡眠不足、運動不足であったり、身体の使い方の癖、思考の癖、考えすぎ、考えなさすぎ、短絡的すぎなどが原因です。
(とは言え、本人にそのまま伝えると急に不機嫌になるので、本人のファンタジーを尊重しつつ、少しずつ視点をずらさせていきます)。
優秀なヒーラーが素早く蟲という動物霊・下級霊(低い抽象度の「情報」)を駆除しているのを見ると、華やかで憧れるのかもしれません。
でも、その一面だけを切り取らず、彼らがその裏で何を考え、何をしているかをしっかりと見抜く必要があります。
もっと普通にありえそうなところから順番につぶしているのです。
「起こりやすいことが起こりやすい」のです。
もっとも起こりやすいことから順番にレイヤーを通過しているのです。その速度がとても速いので、一挙に5階まで駆け上っているように見えるのでしょうが、実際は地道に1階からゆっくり上がっているのです。そしてかなり多くの問題を1階で解決しています。
きちんと順番通りにやれば、ヒーリングはサクサクと成功します。
でもエゴが出てくるると、つい派手な大技を使いたくなります。
そんなときは落ち着いて、何が重要かを思い出しましょう。
僕らは称賛されることではなく、クライアントの具体的な利益がゴールです。それは健康であったり、ゴールに向かうことであったり、ゴール達成であったり、IQが上がったりすることです。
としたら、地道に下の階層からレイヤーを上がっていくのが最も効率的で、最も具体的な利益が得られやすいのです。
マシンのように正確に普通に丁寧にヒーリングのレイヤーを上がっていきましょう。