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Channel: 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ
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狭き門より入れ。滅びに至る門は大きくその路は広く、これより入る者多し(マタイ)狭い付着部から入れ

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聖書の話ではなく、筋肉の話です。

 

広背筋のような筋肉は起始が広く、停止が狭いという話をしました。

筋肉は筋腹を認識して、べったりと覚えていく段階を超えたら、次は筋繊維の方向をベクトルとして認識すると非常に使いやすい知識になります。

広背筋はざっくり言えば、脊椎から始まり、脇の近くの上腕骨(上部小結節稜)に終わります。

スタート地点(起始)はとても広く、ゴール地点(停止)はとても狭いです。

 

 

このスタート地点が広く、ゴールが狭いというのは筋肉にはよく見られます。

スタートとゴールがひっくり返ることはあっても(スタート地点が狭く、ゴール地点が広い)、このワンパターンです。

すなわち付着部のどちらかが広く、どちらかが狭くなります。

 

このパターンを覚えるだけで、筋肉の見方がシンプルになります。

 

 

たとえば、大腰筋は脊椎(胸椎12番から腰椎5番まで)の広い範囲からスタートして、とても狭い範囲(小転子)にゴールします。

 

 

大腰筋を漠然と眺めることも大事ですが、是非、付着部にのみ注意してみてください。

大腰筋のイメージが画像で認識できたら、付着部のみが意識に上るようにします。

付着部がトリガーとなり、筋繊維は2点を結ぶベクトル(の集合)として認識してみましょう。

そうすると解剖学の知識が気功整体に使える知識に変わります。

 

ポイントは筋腹を忘れることです。付着部だけが意識に上がり、その結果として任意の2点を結ぶベクトル(矢印と思ってください)の集合として筋繊維を考えます。実際にそのように機能します。

 

余談ながら、「起始」と「停止」という付着部に関して、覚え方は、、、、、

 

「停止」は動く

 

と覚えてください。

 

「停止」というのは本来は「止まる」という意味です。

 

でも、筋肉においては「停止」側の付着部の骨が良く動きます。

 

たとえば大胸筋を考えてみましょう。

 

 

ざっくりと言えば、胸骨から始まり上腕骨(大結節稜)に終わるのが大胸筋です。

 

上腕骨側が「停止」です。でもよく動くのは胸ではなく、上腕骨です。

ですので、「停止は動く」のです。

 

他愛もないことですが、起始・停止と言われて、頭が真っ白になる人は少なくありません。別に付着部として理解していれば、問題ないのですが、こういうつまらない混乱が脳のバグになりがちです。このような「ラスト1ビット」の些細な知識で混乱する人は多いのです。

 

たとえば小学校の頃にやったリトマス試験紙の「青から赤」「赤から青」と同じです。

 

僕らはどちらかが酸性か塩基(アルカリ)性かは覚えているのですが、どちらがどちらかかは思い出せないのです。近くまで来てもたどり着けなければ、出発していないのと同じです。「ラスト1マイル」ならぬ「ラスト1ビット」はベタなダジャレ暗記法で埋めていきましょう。

 

ちなみにラストワンマイルとはWikipediaの定義を引くと、こんな感じです!

 

ラストワンマイル(英語: Last one mile)は、元々は通信業界に用いられていた用語で「生活者や企業に対し、通信接続を提供する最後の区間」を意味していたが、現在は、物流、交通業界において多く用いられ、「顧客にモノ・サービスが到達する最後の接点」を指す。

 

ちなみに、リトマス試験紙に関しては、「信号機が赤から青に変わると『歩ける(アルケル→アルカリ)』性と覚えます。その逆は酸性です。これも暗記せずにリトマス試験紙は信号機と覚えて、必要なときに思い出すためのトリガーとすることです。赤と青だから信号機」というトリガーから、必要な情報を演繹することです。

そうやって記憶容量を軽くすることが大事かと思います。覚えすぎは禁物だと僕は考えています(個人差は大いにありますが)。

 

 

というわけで、「停止は動く」と覚えてください!!

「停止(とは止まるという意味)なのに動くのかいっ!!」というツッコミを入れながら覚えます。

 

(ですので、余談ですが、たとえば腹直筋などは、胸側も骨盤側どちらも動きますから、解剖書によって起始と停止が混乱しています)

 

話を戻します!

 

このようにどちらかが広く、どちらが狭いことが多いのが筋肉の特長です。

 

これを聖書ではこう言っています(冗談です)。

 

狭き門より入れ。滅びに至る門は大きくその路は広く、これより入る者多し。いのちに至る門は狭く、その路は細く、これを見出す者なし。マタイ7:13-14

 

もちろんこれは筋肉についてではないのですが、この有名な「狭き門より入れ」を筋肉と絡めて覚えると面白いかもしれません。

 

滅びに至る広い門と、命に至る狭く細い門があります。

 

付着部の片方は広く、付着部のもう片方は狭く細いのです。

 

そして狭いほうが意外と探しにくいものです(これを見出す者なし)。

 

 

でも、見出すことができれば、一挙に身体をゆるめることができます。

その筋繊維を一挙にゆるめられるのです。

 

たとえば、上腕骨大結節稜を探してその付着部で大胸筋をゆるめると深くゆるみますし、素早くゆるめられます。大胸筋は基本的に施術が難しい胸に筋腹がありますが、上腕骨でゆるめられることを知っていれば、便利です!

 

 

分かりやすい付着部なのに、施術とほとんど関係があると思われていないのが下腿三頭筋腱であるところのアキレス腱です。

 

 

下腿三頭筋が集合して、踵骨に付着しているのがアキレス腱なのですが、アキレス腱というギリシャの英雄の名前を冠されているせいか(数学では「アキレスと亀」でお馴染み)、ふくらはぎの下腿三頭筋をゆるめるためにアキレス腱を活用するというアイディアはあまり一般的ではありません。

 

通常のふくらはぎの施術はこんなイメージです。これが悪いわけでもなく、僕らもこのような施術を採用します。ただ視点が真逆です。

多くの人はこうやって触れることで、ゆるめようとします。筋繊維をほぐして柔らかくしようとします。

「まといのば」の気功整体では、これで状態を確認し、現状を把握しようとします。この施術でゆるんでしまうことがあっても(よくあります)、ゆるめようとはしていないということです。施術のベクトルが真逆なのです。

 

そして実際の施術に入るときは、特殊なアプローチによって、下腿三頭筋腱を慎重に触れることで、付着部から筋繊維や筋腹をハッキングするという方法を用いて、下腿三頭筋を一挙にゆるめてしまいます。

 

同様に前脛骨筋も下腿(かたい)だけあって硬いのですが(ダジャレです)、そこも停止から攻めると一挙に攻略できます。まさに「狭き門より入れ」です。

 

 

というわけで、解剖学も気功整体も視点をちょっと変えるだけで、宝の山になります。

知識が再構築され、施術が楽しくなります!

 

リブートされる気功整体師養成BootCamp(スクール他)もお楽しみに!!

 

(OnLine MenTorの気功整体編を作りたいという衝動すらあります。ニーズがあれば( ー`дー´)キリッ、気功整体などは対面の指導のみだと思ってきたのですが、最近気功整体やオイルトリートメントをヴァーチャル受講でも、きっちり術技を仕上げてくるメンバーが増えてきたので、オンラインも可能かなと思っています)。

 


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