モナリザにヒゲを描いて、それを作品としたマルセル・デュシャンを思い出しました。
*『L.H.O.O.Q.』(フランス語発音: [el aʃ o o ky]、エラショオキュ)とは、マルセル・デュシャンが1919年に発表した芸術作品。レオナルド・ダ・ヴィンチの『モナリザ』を複製した安価な絵葉書に、デュシャン自らが鉛筆で口ひげやあごひげを描き加え、題名を付したものである。(Wikipedia)
レディ・ガガとアリアナ・グランデの豪華なデュエットのPVを渡辺直美さんが完全にパロディしました。
かなり気合の入ったパロディーで(アリアナ・グランデ役はゆりやんレトリバーさん)、そのYoutubeをレディ・ガガの振付家のリッチージャクソンがツイート!、それにレディ・ガガがLove this(これ最高!)とリツイートしましたw
Love this!!! @watanabe_naomi 🤩 https://t.co/qbWVhTJIgs
— Lady Gaga (@ladygaga) August 3, 2020
それこそ最高な話しです!
渡辺直美さんの素晴らしいダンスを見る前に本家を見ておかないと(笑)、レディ・ガガとアリアナ・グランデの素晴らしいパフォーマンスが何か物足りなく感じるかも。
まさに、マルセル・デュシャンを見たあとに本家のモナリザを見て、物足りなく感じるようにw
(ちなみに、マルセル・デュシャンは本家のモナリザの複製に「ひげを剃ったL.H.O.O.Q.」と悪ノリに悪ノリを重ねていますw)
Rain on meは「艱難辛苦汝を玉にす」という歌です(ちょっと違うかな)。
One time I felt like I was crying so much it would never stop. Instead of fighting it, I thought bring it on, I can do hard things. @arianagrande I love you for your strength and friendship. Let’s show them what we’ve got. 👯♀️ https://t.co/eX18JePJqg
— Lady Gaga (@ladygaga) May 22, 2020
(ある時は、泣きすぎて、涙が止まらないんじゃないかと思ったこともありました。戦うのではなく、頑張ろうと思ったのです。アリアナ・グランデ、あなたの強さと友情が大好きです。私達が成し遂げたことを、あいつらに見せつけようね!ーーレディ・ガガ)
one time ..... i met a woman who knew pain the same way i did... who cried as much as i did, drank as much wine as i did, ate as much pasta as i did and who’s heart was bigger than her whole body. she immediately felt like a sister to me.
— Ariana Grande (@ArianaGrande) May 22, 2020
(ある時........私と同じように痛みを知っている女性に出会ったのですが、その女性は私と同じように泣き、同じようにワインを飲み、同じようにパスタを食べ、彼女の心は身体全体よりも大きく、すぐに私にとって姉妹のように感じました。)
*パスタっていうのが良いですね〜(アリアナ・グランデはビーガンなので、肉をやけ食いすることはないですね)
レディ・ガガがOne time(あるとき、、)と書き出しているのに対して、アリアナ・グランデもone timeで書き出し、私と同じように痛みを覚えている女性と出会ったと書いています。
Rain on me(雨よもっと私に降れ)というのは、容赦のない批判にさらされていることも暗示しつつ、大量に流した涙、そして大量に飲んだワイン(アルコール)のメタファーでもあるそうです(そして僕らは過剰なカパドーシャをそこに見ます)。
痛みを紛らすためにたくさん飲んで、そして感覚をなくしたくなるというのは誰しも経験があるのでは(♬1,2,3,1,2,3,drink♬のシャンデリアに首を吊りたいという「都合の良い女」と扱われるパリピの痛みも)
c.f.泣くに時があり、笑うに時があり、悲しむに時があり、踊るに時があり(伝道の書) 2017年01月21日
雨に抗うのではなく、もっと降れ、もっと流れろと振り切ります。
I’m ready, rain on me
ちなみに、浅瀬(Shallow)ではなく、もっと深みに入ろう、もっと、、、というのが、レディ・ガガとブラッドリー・クーパーの映画「A Star is born」の「Shallow(浅瀬)」です。
浅瀬で、パチャパチャと水遊びをするのではなく、どっぷりと深みにはまろうという誘いです。
映画ももちろん素晴らしかったですが、こちらのパフォーマンスは心を打ちました。
♬Tell me somethin' girl
(教えてくれないかな)
Are you happy in this modern world?
(君は本当にその世界にいて幸せなのかい?)
Or do you need more?
(これ以上もう求めていないのかい?)
Is there somethin' else you’re searchin' for?
(探し求めているものがまだあるだろ)♬
というブラッドリー・クーパーの誘いがカッコいいですね。
(Q.なぜここで「modern」なのでしょう?w)
批判の雨にさらされ、雨のように涙を流し、雨のようにワインを流し込みます。
レディ・ガガやアリアナ・グランデたちはとてつもないスケールの痛みとして、それを味わっています。
もちろん自分たちも無傷でいたいし、シラフでいたいけど(I'd rather be dry)、でも生きているから良いやという感じですね。
I'd rather be dry, but at least I'm alive
(濡れないほうがいいけど、でも少なくとも私は生きている)
もう準備はできた、艱難辛苦(かんなんしんく)よ降り注げ、と
Rain on me, tsunami(津波のように、私に降り注げ)
*あえて「津波」と使うところにレディ・ガガの覚悟を感じます。
なぜこれは事実無根な批判の嵐も指しています。というのは、MVの中で雨としてナイフが降り注ぎ、レディ・ガガの身体を突き刺していることからも分かります。
ひとつひとつの雨粒は小さくても、それが大量にあればずぶぬれになるのです。
(ひとつひとつのツイートは他愛もない批判のようでも、、、)
話は変わりますが、最近、身の回りでお酒を飲む人が減っている気がします(回数でも良いのですが)。
アディトレで断酒を成功した人も多くて嬉しい限りです。
ほぼアル中に近い生活を何年も送っていて、唐突の断酒です。
これは僕らの周りだけではないようで、、、、
たとえば、イギリスも似たような感じだそうです。
(引用開始)
こうしたパブはいまどきレアだ。というか、近年、英国ではパブじたいが激減している。若い世代がアルコールを飲まなくなったからだ。だから、多くのパブは店の半分をレストランにしたり、食事を充実させることで生き残りを図っている。「英国人って、つまみも食べずにビールだけを何時間も飲むよね」と日本人観光客が驚いた時代はもう終わった。(引用終了)
ブレディみかこ『ワイルドサイドをほっつき歩け』
(お酒以前に)まずタバコの消費量が落ち、そしてアルコールの消費量が落ち、次に砂糖の消費量が落ちると良いですね〜(落ち始めている地域もあるようで)。
余談はさておき、Rain on meについて、もう少し続けます!!
Livin’ in a world where no one’s innocent
(誰もが罪深い、そんな世界に生きているけど)
Oh, but at least we try, mmm
(でも、少なくともみんな罪から逃れようとがんばっている)
Gotta live my truth, not keep it bottled in
(自分の真実を生きなければね、
自らの真実を瓶に入れておくのではなく)
So I don’t lose my mind, baby, yeah
(そしたら、気が変にならずにすむよね)
ちなみにInnocent(イノセント)を罪と関連して訳すのは、そのあとに罪に言及されているからです。
涙がこぼれて、肌をつたい、その雨のような涙で罪を洗い流して、と。
Let it wash away my sins(私の罪を洗い流させてください)
Gotta live my truthは、まさにSkinな生き方(身銭を切る生き方)を示し、ボトルに閉じ込めているMy truthは殻に閉じこもっている自分自身かのようです。もしくはMy futureかも。
c.f.♬だって私、恋しているの、私の未来と。彼女に会うのが待ち遠しい♬(ビリー・アイリッシュ) 2020年08月01日
批判の嵐の中で命を断つ方もあとを耐えない中で、2人は生き抜こうと決め、そして最大級の告発をしたように思います。
さらっと流してしまいがちの冒頭にそれが現れていて、意訳すると、、、
I didn’t ask for a free ride
(タダ乗りなんて頼んでないよ)
I only asked you to show me a real good time
(私はただ、本当に楽しい時間を過ごしたかっただけ)
I never asked for the rainfall
(雨のように大量に批判してと頼んだわけじゃない)
At least I showed up,
(少なくとも私は姿をあらわしたのに)
you showed me nothing at all
(あなたは姿も見せてくれない)