アロマセラピーの身体の使い方と気功整体師の身体の使い方は真逆です。
どちらが良い悪いではなく、どちらもそれぞれのゴールに沿った身体の使い方です。
ただ、あまりに逆なので、非常に興味深いものがあります。また、お互いがお互いの方法を知ると、それぞれの施術の深みが増します（おそらく！）。
両者の違いがくっきりとわかっていて、それぞれを習熟できて、そしてスイッチできれば最高です！！
たとえば、気功整体を考える上で、労宮というのは重要です！
労宮の水平ライン上にMP関節があります。
指の付け根（水かきの部分）に、騙されてはいけません（笑）
指骨の付け根は手のひらの中にあります。
労宮の水平ラインでスパッと切って（反対側の四指をそろえて、爪でスパッと）、そこでクシャッと折るようにします。
ポイントになるのは、労宮が後ろに引くことです。
前屈を考えてみましょう。
前屈で前に倒れるときは必ず腰を引きます。
何をしているかと言えば、そのことでバランスを取っているのです。
頭が前に倒れていけば、腰を引くことで前後のバランスを取ります。
（ですので、たとえば、どんなに柔らかい人でも、背中と足をぴったりと壁につけた状態では、前屈はできません、、、、あ、たまに特異体質の人もいますがｗ）
このカラクリはすべての屈曲において（伸展もそうですが）、成り立つので、MP関節で綺麗に折ろうと思ったら、指が前に行く以上は労宮を後ろに引くのが得策です。
というか、この身体の使い方を覚えると、動作が軽やかになります。
同様に、アラベスクのときは、足を後ろに上げているので、バランスを取るために、上体を前にして、つり合わせます。
たとえば、頭を後ろに倒したいと思ったら（頚椎の伸展ですね）、曲げている部分を前につきだすようにします。単に倒すと、頭は十分に重いので、身体のバランスが崩れて、後ろに倒れそうになります。
ですので、頭を後ろに倒さないことで、逃れようと身体は考えます。
これが首が硬い理由です。
逆にきちんと上体を前にスライドさせて（頚椎も一番から気持ちだけ少し前に押すようにすると）綺麗に頚椎が伸展していきます。
ちなみに頚椎は上から順に動きます。
首が動かないという人は、顎の下からの頚椎だけを意識しているので、耳の位置にあるという頚椎1番を動かすという発想がないのです。
逆に言えば、そこに頚椎の1番があると認識するだけでも、首は解放されます。楽に動くようになります。
楽に動くようになると、今までどれだけ力をこめて動かしていたのかが分かるようになります。
なぜ力をこめて動かしていたのかと言えば、アクセルとブレーキを一緒に踏んでいたからです。
何か動かそうとするときに、主働筋に力を込め、拮抗筋にも力を込めてしまうからです。
どちらも一緒にゆるめていくと、驚くほど小さい力で身体が動かせます。
たとえば、上腕二頭筋に対して（肘関節の屈曲に対して）、拮抗筋は上腕三頭筋です。
上腕三頭筋ががんばりすぎていると、上腕二頭筋はもっと力を入れなくてはいけません。逆に上手に上腕三頭筋をゆるめられれば、上腕二頭筋は小さな力で圧倒的なパワーを出せます。
話を戻します。
労宮を中心にして、水平にスパッと切ると、MP関節です。
このMP関節を力を抜くことでクシャッと折るのが大事です。
指の力をこめないで、単に力を抜くだけです（指を伸展させている力を抜くだけです）。
この練習を繰り返しましょう、そして労宮で挟む（ピンチ）するようにしましょう！というのが、気功整体のポイントでした。
労宮ピンチですね。
しかし、、、、
アロマセラピーは全く逆になります。
気功整体とアロマセラピーの関係は非常に面白く、簡単に言えば、真逆なのです。
端的に結論だけ並べると、、、たとえば、気功整体はクンダリーニ、アロマセラピーは丹田。
気功整体は労宮ピンチ、アロマセラピーは労宮密着（指も密着）、移動の仕方も気功整体は基本的に術と術の間に歩くだけですが、アロマセラピーは太極拳のように動的下丹田でスルスルと動きます。
気功整体：アロマセラピー
クンダリーニ：丹田
労宮ピンチ：労宮密着
歩く：動的下丹田で太極拳のように
という感じです。
というか、逆にこのコツをつかめると、気功整体師であっても、あっさりとアロマセラピストに移動できるかなと思います。もちろん手技のバリエーションはありますが、、、、（まあ、ここらへんはいろいろと思うところもあり、効くものを開発したいと思っています）。
ですので、気功整体師でありながら、アロマセラピストでもあるという方向けに、アロマセラピー上達の考え方と気功技術を導入したいと思っています。かなり面白いと思います！
もちろん、BootCampなどの気功整体師養成でも、導入していきます。
というのも、たとえば気功整体にアロマセラピーのエッセンスを入れるだけで、バリエーションが増えるだけではなく、クライアントさんに癒やしを提供できるからです。
また、たとえば大腰筋であったり、中間広筋の施術（上腕筋や後脛骨筋も同様）においては、この「密着」感は重要です。指ではなく、労宮（手のひら）の摩擦でずらす、、、というあれです。
ですから、最終的には、気功整体もアロマセラピーもLUBを取って、どちらにもスイッチできるのが良いセラピストかと思っています。
指の使い方の繊細さ、そして不思議さということで、以前も紹介しましたが、今回のBootCampでも再び紹介したのが、ポッピンジョンです！
すごすぎます！
お馴染みなのは、こちら！
＊PUMPED UP KICKS|DUBSTEP
c.f.アインシュタインはSysteｍ１でブレイクダンスを踊るのか？ 2012年12月13日
c.f.マスタリーの道、Zoneへの道、予兆に従い、神を味方にして強運体質に 2016年08月11日
（リアルバービーとも言われたDyttoのダンスも）
カラクリはシンプルですし、同じです。
あとはひたすらに練習です！
身体に落とし込むだけです。
鬱蒼とした森の中に迷い込むように、肘から先を指と（解剖学的に正確に）理解して、筋繊維をバラバラにしていきましょう。
そして、もう一つだけ！
重要なことを忘れていました。
アロマセラピーと気功整体の大きな違いは労宮です。
気功整体では労宮を含む水平ライン（MP関節）でスパッと切ります。
アロマセラピーでは、労宮を含む垂直ラインでスパッと切ります。
縦に切ります。
そして指が前腕ふくめてクルンと丸まるイメージを持ちます。
そうすると、複雑にデコボコしている身体をきちんと包むことができるのです。
労宮を含む垂直ラインでスパッと切ったら、まず母指対立筋、小指対立筋を確認しながら、使う練習します。
母指対立筋も小指対立筋もシンプルに言えば、内転筋です（内転筋なのか？内転だと単に指を閉じるだけですね）。
たとえば、親指と小指をくっつけるのが対立です。
この母指対立筋、小指対立筋をそれぞれ使ってみて、筋腹をしっかり確認します（同時に、母指外転筋、小指外転筋も）。
その上で母指対立筋、小指対立筋の筋トレをします。
ただし、最初は苦労して対立させていても、あるときふと力が抜けます（もしくは抜きましょう）。そうすると、大きな力無しで、親指と小指をくっつけられることが分かります。拮抗筋をゆるめることを覚えるのです。
それができたら、次は長掌筋（ちょうしょうきん）です。
長掌筋というと、誰かに笑われている（嘲笑）気がしますが、違います。
掌（手のひら）のための筋肉であり、上腕骨内側上顆からスタートして長いので、「長い」と「掌」を取って、長掌筋です。
ちなみに上腕骨内側上顆はDotsです。Dotsというのは「まといのば」提唱の身体操作術ですが、、、ともかく重要なDotsです（あと、豆状骨もDotsです。「父さん倒産」の豆状骨ですね）。
このDotsが自在に動いて、身体がそれに引きずられるようなイメージで身体操作をします。
で、この長掌筋もまた同じように肘の付け根あたりで筋腹を確認した上で、意識的に使いましょう。
そうするとあたかも手根骨をグシャッとできるかのように使えます（「父さん倒産」の手根骨です）。
イメージとしては、前腕もグシャッとなる感じです。
尺骨と橈骨が対立するように。
手首をむしろ折らないで、親指と小指を近づけるような感覚を前腕全体に広げます。
両手でやる場合は、上腕筋内側上顆のDots同士があたかも磁石で近づいているかのようにイメージすると、アロマセラピーっぽくなります。
この感覚で、たとえば、大腰筋の蟹の実をやったり、内転筋群のワニの実をやります。また「ずらす系」のワークは、この「Woods」でゆるめながら、「密着」を使って、労宮をべったりとつけつつも、指は反らない（伸展しないように）します。
そうすると、気功整体がますます面白くなりますし、アロマセラピストの方々は施術がやりやすくなるかと思います！
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＊Shaniqueは本当に綺麗だと思いますが。