Quantcast
Channel: 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 3544

私たちの社会は身銭を切らない連中に乗っ取られてしまっているのだ。(ナシーム・ニコラス・タレブ)

$
0
0

前回の金融危機のときにこんなことがありました。

(詳しくは是非、マネー・ショートなどの映画を見て欲しいと思いますが)

 

何の話かと言えば、金融恐慌を起こした張本人たちに対して膨大なボーナスが支払われたという話です。それも税金から、、、、、。

 

 

 

2008年から2009年にかけての金融危機に際して、株式市場は暴落し、アメリカの家庭は11兆ドルを失ったそうで(これはドイツ、日本、イギリスのGNPの総計に匹敵。とんでもない額です)。

 

*ここの議論はサンデル教授の書籍から引いています!

 

 

そして、2008年10月、ジョージ・ブッシュ大統領は、大手の銀行や金融会社を救済するために、7000億ドルの支出を議会に求めます。

 

7000億ドル!!

(ちなみに歴史は繰り返します!あ、韻を踏みますw)

 

その理由が、Too big to fail"(大きすぎて潰せない)という、、、、資本主義とは思えないものでした。

 

ちなみに日本でも似たような形で膨大な税金が注ぎ込まれました。

いまや名前も知られていないような、銀行に対して。

それをきわめて手触りのある状態に絵本にしてくれたのが村上龍さんです。

 

 

 

*文庫版になったようです!!

 

いま見ても、本当に無駄金でした。

 

(これは私見ですが、前回の金融恐慌はいわゆる通貨発行権を巡る権力闘争であったところの銀行、そして金のなる木を持つ金融機関の終わりの始まりで、今回のInfodemicは現代医療の終わりだと考えています。

終わりは突然にやってきます。

通貨はまだあるではないかと思うかもしれませんが、暗号通貨や暗号資産というものが台頭していき、その勢いは止まりません。

医療に関しては、かなり明確な未来像が描けます。今回は医療という神聖不可侵なものが終わったことを示しています。現代医療は一気に縮小し、ERや外科手術だけが残るという予想です。これは何年も前から言っているので、耳タコでしょうが)

 

 

ちなみにウィルス感染など、ある程度のボリュームがあるところでは、エントロピーであり、正規分布に従います。

 

この正規分布を見て、自粛の効果がとか、「ゆるみによって感染拡大」とか言っている方は、まずガウス分布から学びましょう。正規分布のことですね。

 

いわゆるベルカーブです。

 

自然はほぼ全てベルカーブで描けますが、そこからはみ出すのがブラック・スワン(ナシーム・ニコラス・タレブ)です。

 

知的バカは、自分の言動が評判にどう影響するかを常にわかっている。

だが、もっと簡単な見分け方がある。知的バカは、まずデッドリフトをしない。(ナシーム・ニコラス・タレブ『身銭を切れー「リスクを生きる」人だけが知っている人生の本質」)

 

 

ちなみに、イノベーターとか、アーリーアダプターとか、ラガードのあの「キャズム」という議論もそもそもは、この正規分布が元です。

 

だから汎用性が高いのです。

 

 

*表紙に明確にガウス分布が描かれています。

そもそもキャズム理論って(数学がわかっている人にとっては当たり前のことですが)、正規分布を2つに割って、もう2つに割って、そして、ヘッドの部分を2つに割っています(←わかりにくい)。

 

ボリュームがあるところが、マジョリティ(多数は)です。前者がアーリー、そいて後者がレイトです。そのままです。

トップがイノベーター。そして続くのがアーリーアダプターです。

見て分かるように、単純に四等分して、そして、ヘッドの部分を2頭分しているだけです。

 

 

そして、この正規分布というのはあまりに汎用性が高いので、ありとあらゆるところに顔を出します。

 

「まといのば」の寺子屋シリーズでは、皆さんがうなされたであろうパスカルの三角形(二項係数)もこの正規分布に従います。

 

 

 

 

で、この正規分布にほとんどのことが従うので(いわゆる数学の超越性ですね〜)、多くのモデルはこの正規分布を使います(たとえば経済学の理論でも)。

 

 

 

 

 

しかし、この正規分布が外れる現象があり、それがありとあらゆることを変えてしまうことがあります。それがブラック・スワンでした。

 

 

 

 

そもそもガウス分布(正規分布、ベルカーブ)について知らなければ、ブラック・スワンについては理解できません。

 

そして正規分布の感覚があるならば、これらの図を見たときに、正規分布を見るのです。

 

*5月1日に発表された専門家会議の資料

 

 

 

 

 

 

ですから、このような西浦先生の想定というのは、さすがに数学的にありえないのです。

きわめて人文科学的な恐怖の煽り方です(科学の内容についての議論なので、ここでは「人文科学的」というのは揶揄です)。

 

そもそも、東京で区切るのも決して賢い方法ではありません(国ごとですら、人口や構成比が大きく違いますので、なかなか比較が難しいのです)。

 

*通常の生活に戻ると、赤い線のような感染爆発が起こると予言されています(さすがに6月には通常の生活には戻りますので、いよいよ40万人死亡という西浦先生の予想が検証されるときが来ます)。

*専門家が専門家として権威があり、尊敬され、皆が従うのは、本当にその人がその学問の専門家であると認めている間だけです。

*というか、何か政治的な思惑があるとしか言いようがありません。もしくは市民の科学リテラシーの無さを確信しての、あえての確信犯なのか(確信犯って使い方が間違っていますが、あえて誤用します)。

*いや、正直に言えば、、、、ご自身の仮説を心から信じていらっしゃるのだと思います。

 

(これに関しては、タレブが辛辣に言っていますね)

 

 

私たちの社会は身銭を切らない連中に乗っ取られてしまっているのだ。(略)知的バカは私たちの生活のあらゆる場所にいるが、いまだ少数派だ。シンクタンク、メディア、大学の社会科学系の学部といった専門化された場所以外では、めったにお目にかかれない。ほとのどの人はまともな仕事に就いているし、知的バカの枠はそう空きが多いわけでもない。だからこそ、知的バカは数が少ない割に大きな影響力を握っているのだ。

知的バカは自分の理解が狭いのかもしれないとは思いもせず、自分の理解ができない行動を取る人々を病気に仕立て上げる。(略)

ニーチェはそういうヤツらを「教養俗物」と呼んだ。自分が博識だと思っている中途半端な博識家には、脳手術ができると思っている床屋と同じくらい、気をつけたほうがいい。(ナシーム・ニコラス・タレブ『身銭を切れ』)

*ここで知的バカが少数者であるとタレブが言っていることに注目です。

ほかでは「めったにお目にかかれない」のです。

では、なぜ彼らが影響力を持ちうるのか、これもシンプルな話で、それをタレブは「少数決」と言っています。

 

 

ちなみに日刊ゲンダイから不思議な報道がなされました。

 

[【新型コロナウイルス】コロナ対策の“顔”に疑惑 補正予算に「尾身枠」65億円の謎|日刊ゲンダイDIGITAL]

 

 

専門家会議の尾身先生が率いる独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO:ジェイコー )に65億円の予算がついたという話です(国立病院機構(NHO)とJCHO併せて、65億円です)。

 

JCHOは全国57の病院の連合です。

 

その病院の一つで先日、クラスターが発生しました。

(クラスターが発生という言い方は好きではないのですが、、、、まあ、院内感染というのもあれなので)

 

新型コロナウイルス感染症に関するお知らせ(5月15日13時現在)

 

4月30日に職員の新型コロナウイルス感染が確認されたことにより、現在 職員および入院患者さまのPCR検査を継続して行っているところですが、5月8日以降入院患者5名、職員他2名計7名が陽性と判明、感染者は特定のフロアに集中している状況です。

 

 

これを批判する声ももちろんあるでしょうが、病院でクラスターが発生するのは普通のことです。批判されることではないでしょう(もちろん自粛を要請しているという前提がなければ、なおさら)。

 

そのような感染拡大というエントロピー拡大に対して、人と人との接触を少なくしましょうとか、自粛で対抗などというのは、空想科学小説も真っ青な取り組みですから、、、院内感染は普通に仕方ないこととは思います。

ただし、尾身先生は自身が理事長をつとめるJCHOのそのような現象に対して、結果責任は生じるでしょう。ご自身が感染拡大を防ぐために自粛せよと国民に繰り返し要請しているわけですから。

 

JCHO:理事長あいさつ

 

 

 

相変わらず、余談が長いので、冒頭の話に戻ります。

これが本題です。

 

何かと言えば、金融システムを破壊した張本人たちに納税者のお金が注入されたことです。

(そして必ず、これは繰り返されます)。

 

Too big to failで金融機関を潰せないということで、公的資金が投入されました。

しかし、その資金は、、、、、当の本人たちのボーナスに当てられました。

 

こうした背景のもとで、ボーナスの問題が起こった。救済資金の支払いが始まってまもなく公の施しに頼っている企業の幹部が数百万ドルのボーナスを受け取っているというニュースが流れたのだ。なかでも言語道断なのがAIGだった。この巨大保険会社は、金融商品部門によるハイリスクな投資のせいで破綻に追い込まれていた。巨額の政府資金の注入(合計で一七三〇億ドル)によって救済されたにもかかわらず、AIGは危機を招いた当の部門の幹部に一億六五〇〇万ドルのボーナスを払っていたのだ。一〇〇万ドル以上のボーナスを受け取った社員は七三人にのぼった。

(マイケル・サンデル『これからの正義の話をしよう ーいまを生き延びるための哲学ーー』)

 

 

 

 

これは事実の確認でしかありません。

 

これに対して我々はなぜか憤(いきどお)りを感じますが、何について不正義だと憤りを感じているのでしょう?

 

 

そこをしっかりと分析することが、「嗅覚とコンパス」を上手に使いこなす方法です。

 

 

タブロイド紙のニューヨーク・ポストは「そうは問屋が卸さないぞ、この欲張りども」という見出しをつけたそうです。たしかに、わかりやすい。

 

しかし、欲張りや強欲はあの国では美徳です。いや、世界的に美徳です。

(その聖書がプロ倫です。もはや誰も読みませんが、その精神は息づいています。たとえば後ほど紹介するオバマ大統領にも)。

 

 

 

 

サンデル教授は、2つの考えがあると言います。

 

一つは強欲、もう一つは失敗です。

 

 

直感的には強欲を罰したいという気がします。しかし、繰り返しますが、これは奇妙な話ですし、資本主義的ではありません。神の見えざる手は強欲なメンバーによって、全体最適が行われるという話でした。

 

 
 
 

*読まないよりマシなので、まんがで読破!!

 

 

ここは非常に丁寧にサンデル教授が議論しているので、それを是非トレースしていただきたいとおもます(多くの人は再読でしょうが)。

 

 

結論から言えば、失敗に対して報酬が払われること、それも税金から払われることが、怒りの根源であるということです。

 

 

オバマ大統領はこう述べました(サンデル教授からの孫引きです)。

 

ここはアメリカです。われわれは富を軽蔑しません。他人の成功を妬んだりしません。そして、成功は称えられるべきだと確信しています。しかし、人びとが当然にも憤慨しているのは、失敗した経営者が報酬を得ていることです。その報酬を納税者がまかなっているとなれば、なおさらです。

 

 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 3544

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>