謎解きにふさわしくパラドキシカルなことはたくさんあります。
世の中にも、整体にも。
パラドキシカルというのは逆説的という感じの言葉ですね。
いつも思い出すのは、大学での聖書学の講義です(余談ながら、僕は大学の聖書学の講義を幾度も受けています。なぜなら、幾度も落としたからです。むしろいろいろな先生にキリスト教概論を学べて良かったです。とは言え、ほとんど出ていませんがOrz)。
アメリカ人の先生だったかと思うのですが、バイブルを片手に持ちながら、こう言いました。
「聖書の記述は矛盾に満ちている」と。
「神の言葉なのに矛盾に満ちている」と言いました。
そう、聖書は神の言葉です。だから神の言葉を預かるので預言です。福音の意味のゴスペルとはGod-spellであり、神の言葉です。
「なぜ、聖書は矛盾に満ちているのか、、、、それは、世界が矛盾に満ちているからだ!( ー`дー´)キリッ」という言葉がいまでも脳内エコーします。
重要な知見です。
(同じ先生だったか、別の先生だったか覚えていないのですが、同様にキリスト教概論で、同じように「聖書は読んで面白いか?」という話をされていました。聖書は退屈なんだ、と。しかし、親や教師や牧師や神父が読み聞かせるから面白いんだ、と)。
矛盾に満ちています。
たとえば、生化学の最初に炭水化物がいかにATPになるかを学びますが、精製された糖質を摂れば摂るほどATPの産生能力は落ちます。なぜなら補酵素となり、クエン酸回路という風車を回すためのビタミンB群が消費されるからです。滞留したグルコースはすべて中性脂肪へと変わります。
炭水化物を摂るとATPになると習うのですが、実際はパラドキシカルにも、炭水化物を摂れば摂るほどATPは枯渇していくことがあるのです。
同様に、脂肪を摂れば摂るほど痩せていったり、逆にタンパク質を摂れば摂るほど太っていったり(脂肪が増えたり)、、、パラドキシカルなことは起こります。もちろん全てにはカラクリがあるのですが。
同じように整体でも、肩こりをゆるめてはいけないと言います。
凝っているから辛いのに、なぜゆるめてはいけないのでしょうか?
このパラドキシカルな構造は知っておくと面白いですし、今後の解剖直観2.0にもつながっていく内容です。
従来の解剖直観はひたすらに筋肉にフォーカスしていました(もちろん浅筋膜にフォーカスするゴムゴムや、コアのような骨格のアライメントを修正する技は存在しますが。解剖直観2.0では筋肉以外に注目して、圧倒的な結果を出します)。
何かと言えば、僧帽筋上部繊維は首が前に倒れないように支えています。
ピサの斜塔が倒れないように支えているような感じです。
ずっと筋収縮しているのは疲れるので、拘縮してしまい、固めることで何とかしています。
いわば、綱引きをしているようなものです(この綱引き仮説も厄介なのは、単なる大胸筋と僧帽筋上部の綱引きではなく、そこに隠れボスキャラの重力がいるからです)。
ただ、シンプルに大胸筋や胸鎖乳突筋サイドの前に引っ張る側と、僧帽筋の後ろへ引っ張る側の綱引きだと考えましょう。
紅組と白組が綱引きを戦っているときに、負けそうな側をゆるめたら、負けます。
それが僧帽筋上部をゆるめるということです。
凝っている部分をゆるめれば、もっと首は落ちてしまいます。
「気功整体の基本は固まっている場所をゆるめていくこと」というのはその通りですし、「まといのば」でもそう主張してきているのですが、ゆるめればゆるめるほど増悪するというケースも多く存在します。
よく言う例で言えば、「奇跡のつま先」という技術の「4つの足首」というバレリーナ向けのワークです。これはバレリーナ並に足首をゆるめるワークですが、足首が硬いのには、硬い理由があります。
足首をゆるめてしまうと、捻挫します。
バレリーナのように引き上がっていて、そして繊細に使えるのであれば、ゆるめた方が良いのですが、そうでなければ、単に捻挫の原因となるだけです。
肩こりも同じです。
大概はゆるまないので別に良いのですが、上手にゆるめることができたら、それはもっと増悪する結果になるのです。
ですので、上手に全体を観て、施術する必要があります。
その「全体を観て」という部分は相当に経験や勘に頼る部分がありますが、ある考え方を採用すると、もっとシンプルになります。ただし、その考え方はとてもパラドキシカルなので、頭をフル活用する必要があります。
ただ、慣れればシンプルです!
今月の気功整体師養成スクールでは、そこらへんの解剖直観2.0も導入しつつ、楽しくパワーアップしましょう!!
【気功整体師養成スクール 〜名人・達人への道と解剖直観〜】
【日時】 2月22日(土)13:00~18:00
2月23日(日)13:00~18:00
【場所】 四ツ谷のセミナールーム(丸ノ内線四谷三丁目駅、都営新宿線曙橋駅が最寄り)
【受講料】 230,000円(PayPal決済可能です。請求先アドレスを記載してください)
【受講資格】 「まといのば」セミナー受講生(もしくはそれに準ずる方、他で「まといのば」の主宰のセミナーを受けている方もOKです)
【持ち物】 情熱とゴールと筆記用具と動きやすい服装
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