肩甲骨って、背中側にあるイメージですが、前からも実は触れます(笑)
胸の上の方に鎖骨という骨がありますが、その肩側の方のちょっと下に肩甲骨があります。
肩甲骨の一部分が背中側から前に飛び出しているのです。
そう烏口突起ですね(肩峰も肩甲骨ですが)。
烏口突起という肩甲骨の一部が前側から触れます。
烏口突起を探してみましょう!
探し方はシンプルです。
まず肩に触れます。というか、上腕筋の骨頭、三角筋中部あたりに触れて、そこから肩峰へ行きます。
肩峰もまた肩甲骨ですが、そこから内側にナナメに切り込んでいくと烏口突起に触れられます。
この烏口突起は前から触れる肩甲骨です(^o^)
この烏口突起は気功整体でも重要なランドマークの一つです。
烏口腕筋や小胸筋、そして大腿二頭筋の短頭の起始です。ということは、「付着部を押せ」シリーズで言えば、烏口腕筋は押すべきなのです。
「付着部を押せ」シリーズというのは、いま勝手に創った言葉ですが、Boot Campではひたすらに筋腹ではなく、付着部(起始停止)を押すように言っています(下腿三頭筋だけは、下腿三頭筋腱への働きかけが有効です)。
小さな通常の筋肉であれば、筋腹に対するアプローチで十分なのですが、大きな筋肉は筋腹への圧迫では指なり掌底なり肘や膝が負けてしまうのです。
(ちなみに大胸筋ならば、全然指でも行けます。大きいようで薄いので)。
大胸筋について言えば、大胸筋というのは胸板の厚みがあるような人でも、比較的すぐに肋骨に触れます。
一方で三角筋中部などは、よほど筋肉が無い人でも、なかなか上腕骨に達しません。
どちらも例外はありますがw
覚えておきたいのは、体幹の筋肉はペラペラということです(まあ大胸筋は体幹についていますが、腕のための筋肉ですが)。
腹筋群はペラペラですし、僧帽筋も、広背筋(も腕の筋肉ですが)も。
ですので、かなり指でもいけます。
しかし、大臀筋などは、膝でもなかなかゆるみません(以前は、肘や膝での施術を薦めていました)。
いまは起始と停止への圧迫でゆるめていきます。
烏口突起も同様です。
たしかに小胸筋や烏口腕筋や上腕二頭筋の短頭は小さいですが、小胸筋や烏口腕筋は烏口突起から攻めるのが良いでしょう。
烏口突起は重要です。
それに加えて、烏口突起と上腕骨の骨頭の間を広げるという施術が非常に重要になっていきます。
バレエ講習会の番外編で行った(本編でやったかな?)『硬すぎる僧帽筋のゆるめ方』でもこのワークが出てきました。
ちなみにBoot Campでも重要になってくる手順ですので、さらっとまとめます。
まず姿勢をチェックします。
猫背になっていないか、肩が巻き肩(上腕骨が肩関節に対して内転、内旋している)になっていないかなどをチェックします。
頚椎もいま風の下部頚椎が伸展して、上部頸椎が屈曲している状態になっていないかをチェックします。
というか、ほとんどの人はそうなっています。
ですので、大きな筋肉から修正していきます。
まず大胸筋(いや、まず最初は耳と耳の間の臓器から)、大胸筋は肩に近い筋繊維を圧迫します。
これは付着部ではなく、筋腹です。
大胸筋であれば、付着部でなくてもかなりゆるめられます。
もちろん上腕骨の大結節稜を押せればそれはそれで良いことです。
大胸筋を肋骨に向かって押して、ゆるめられたら、大胸筋を伸ばします。
上腕骨の骨頭を掴んで、少し外旋、外転させます。このとき、大胸筋がゴムのように伸びているイメージが大事です。
そうすると胸が開きますので、そしたら肩甲骨の間の菱形筋に触れて、菱形筋が動き出せるようにします。というのも、菱形筋はいつも引っ張られて遠心性収縮で耐え続けて疲労していますので、適切な長さに戻して元気を取り戻させてください。
そしたら、三角筋中部から肩峰、烏口突起と触れていき、烏口突起をグリグリと筋膜リリースします。
このときに烏口突起のことを説明します。
「前から触れる肩甲骨」でも良いですし、「鳥の口の形をしている突起だから烏口突起」でも良いです。
烏口突起の重要性をクライアントの中で押し上げておいてください。
烏口突起をグリグリしたら、烏口突起と上腕骨の骨頭の間に指を入れて、グリグリと押し広げます。
内転してなければ、間はあるのですが、多くの人が隙間がつぶれています。
そこを広げると、突然に肩幅が広がり(顔が小さくなり)、腕が広がり、胸がふくらみます。
驚くべき効果です。
腕は楽になり、肩も楽になります。
その状態にしたら、三角筋のトレーニングを軽く反筋トレの要領で行い、新しい身体の使い方を学習し直す必要があります。そうでないとゆるんだ身体で、もとに戻ったら増悪です。
そして、最後に頸のアライメントをC0を用いて、行います。
後頭骨の際の中央部分を上に軽く押してあげながら、顎を引いてもらって、頚椎のアライメントをきちんと賽の河原積みのようにしてあげます。
いや、むしろ分かりにくい、、、、
きちんと積み上がっている状態にしてあげます。
僕らの普通とずいぶん違う状態です。
首が長く美しくなります。
そうすると、僧帽筋上部は全く力みがなくなります。
僕らの先生によれば、解剖学的肢位で立位のときには、僧帽筋上部には筋電流が流れないそうです。
すなわち、正確に立っているときは、僧帽筋上部は使わないで済むのです(驚くべきことに、肩に荷物を乗せていてもだそうです)。
ですから、きちんとした姿勢のときは、僧帽筋は力むどころか、ゆるゆるということです。
そこを目指しましょう!!!
僧帽筋が硬い理由は端的に言えば、胸が縮まっていて、肩が詰まっていて、首が前に出ているからです。
そうすると、僧帽筋上部はいつも綱引きの反対側で必死で首が落下しないように留めることになります。疲労困憊です。
疲労困憊つながり、最後に余談を一つ。
副腎疲労は結果であって、原因ではありません。
また栄養も結果であって、原因ではありません。
ある種の栄養を摂らせるようにデザインするシステムがあります。
副腎疲労も結果であって、副腎が強ければ良いのではなく、副腎が疲労しないように原因にハッキングすることが重要です!!
ちなみに猫背や巻き肩も同様で、実は脳なり内部表現のある部分を書き換えないと、物理的にいくら手を加えても、ザルで水をすくうのと同じです!
まずは頭を変えていきましょう!
平たく言えば、知は力なり、ですね!!
というわけで、2019年もお疲れ様でした!!!
来年もどうぞよろしく!!