「まといのば」が求めている気功整体師は、相手の話をきちんと聞き、丁寧に観察し、素早くあり得る仮説をすべて立て、その検証を繰り返して、きちんと説明しつつ、ちゃんと結果の出る施術を繰り出せることです。
ある症状や主訴に対して、その原因をいくつか同時に考えながら、テストを繰り返し(テストしながらヒーリングもしてしまい)一番遠い可能性から潰して、その仮設と検証を繰り返すことで、素早く原因に至り、素早く解消させるというヒーラーです。
もちろんベースには気功があり、認知科学があります。
丁寧に話を聞くこと、きちんと説明することはクライアントに対する礼儀であると共に、内部表現書き換えの強力な手法なのです。仮説のひとつひとつは可能世界を構成し、それを素早く操作するのはヒーラーらしい技です。
これらは言われてみれば当たり前のことですが、正確で膨大な知識と共に素早く観察し、仮説を組み立て、合理的に検証し、次の系に移れるヒーラーとなって欲しいと思います。
そしてそのすべての過程が可視化されていることが重要です。言語で同僚に素早く説明できて、同僚もそれに対してツッコミを入れられるように(激しいカンファレンスのようなものです)。
そうやってお互いに鍛え合う場として機能させたいのです。
ヒーラーの能力向上がダイレクトにクライアントの利益になります。
*「まといのば」の気功整体師のことを仮にソルジャーと呼び、整体学校を新兵養成としてBoot Campと呼んでいます。
そのときに「なぜ、そう考えて、なぜその可能性をつぶしたのか」を先輩なり、教師に素早く理論整然と言語化できるのが理想です。理想というか、その練習を繰り返します。
しかし、言語化以前に、理論的に考えて、仮設と検証を繰り返す癖が必要です。
とは言え、これも単なる練習です。
そしてほとんどのケースというのは似通ってきますので、実際はパターンに慣れるというのが近いです。
(もちろん頭を使って考えるのですが、非常に数少ないパターンに収斂していきます。そのパターンを何度も通過していると、仮設と検証にしても、解剖学に基づいて、理論的に考えることも、それを素早く言語化することも上手になってきます。そのためにBoot Campではお互いに何度も何度も施術し合うの心配は不要です)。
ただ単なるパターン認識やマニュアルにはなって欲しくはなく、ルーティンを死守しながら、それに漏れるケースの想定をいつも厳しく考えることです。ヒーラーの場合は特に、ある程度の力がつくとすぐに想定外のオンパレードになりますので。
ただ最初はとまどうでしょうし、覚えるべきことの多さにめまいがすると思いますが、、、、これも心配いりません。
周りに暗記力モンスターのような仲間がいれば、自分もモンスターにならざるを得ないのです。
隣で学んでいた骨もよく分かっていない素人が、国家資格保有者の自分をいつの間にか凌駕していることに気づくと、お尻に火が付き、気付いたら自分も息を吐くようにガンガン暗記していることに気付きます(本当に)
*化け物のような仲間がいると、つられるものです。
これが場のホメオスタシスです。
教師が教える以上に、周りからの影響で、周りに煽られて気付いたら努力せずに相転移しているのです。能力がアップするのです。
ですから、仲間同士での切磋琢磨は大事です!
余談ながら、、、
今回ラグビーワールドカップで準優勝したイングランドを率いる監督のエディー・ジョーンズという人がいます。前回ワールドカップ予選リーグでの日本の24年ぶりの勝利(それも今回優秀の南アフリカに!)をもたらした名匠です。
その彼のコーチングセミナーを受けたことがあります(僕がまだラグビーに情熱を持っていた頃のことですw)
彼のトレーニングのスタイルが印象に残りました。
シチュエーションを決め、攻守を分けたら、その場でボールを転がし、数十秒間プレイさせます。
そのあとに、、、、
そのあとに、片っ端に一人ひとりに「なぜその方向に走った?」「何を考えていた?」「どうしてそこにパスをした?」と弾丸のように問い詰めるのです。
ラグビーのプレイというのは激しく、一瞬一瞬で状況が変わり、ほとんど無意識に身体を動かしていると思うのですが、そこに厳しく論理性と合理性を求めます。
たしかにあれだけ厳しく問い詰められ続けたら、考えるラグビーができるだろうなと思います(エディー・ジョーンズは自分自身が一番の環境となり、選手のホメオスタシスを書き換えるのだなと感じました。まあ、平たく言えばリーダーシップということなのですが。ハイパーラポールということで言えば当たり前なのですが、それを身を持って感じました。恐怖と共にw)
まず覚えるべき解剖というのはそれほど多くはありません(医師や解剖学者に比べたらの話ですが)。
重要なのは覚えた知識を自分自身の臨場感とどう結びつけるかということです。
机上の空論として、暗記してしまうのではなく、暗記したものを深い無意識の情報処理とアンカリングすることが大切です。
(そのためにもまずは自分の身体を良く触ることです。その次はよく動かすことです。可動域を確認し、ストレッチし、筋トレなどで刺激を送り、アイソメトリックスを用いた気功ストレッチで機能を向上させ、特定部位の筋肉を意識的に動かせるように訓練します。そしてそれをクライアントにホメオスタシス同調させます)
ですので、解剖学を学びながら、それがどんなに初歩的なことであっても、必ず自分の身体で確かめるくせをつけることです。本来の意味で「知が力」となるのは、表層的な暗記が心の奥底に根を生やし、血肉化したときのみです。
逆に本当に分かっていること以外は戦場では武器にはならないのです。
これはアスリートやダンサーであれば、身に沁みてよく知っていることでしょう。だからこそ武器は磨き続けます。
というわけで、楽しんでください!
カリキュラムとしては、まずは骨格(の数)を覚え、重要な筋肉の筋腹を触れるようにして、重要な筋肉から順に起始と停止を覚え(そこから演繹する形で機能を覚え)、支配神経を覚えます。
で、これを無味乾燥な学習にしないことです。
あわてて語呂合わせで、暗記したり、詰め込まないことです(それが大事なときもありますが)。
それよりも、たとえば骨を覚えるときは、実際に骨格模型に触れながら、そこに気を流すことです。
(気功技術Touchですね。ソルジャー希望の方で望まれるのであれば、お持ちの骨格模型にTouchを封入します)
そうすると自分の身体に気が流れます。触っている骨の部分に気が流れます。すると非常に妙な感覚と共に骨がだんだんとくっきりしてきます。
骨がしっかり自分の臨場感の中に浮かび上がってくると、身体は改善します(ざっくりした書き方ですがw)。
たとえば、施術の方法として、クライアントの骨の臨場感を高めるという方法があります。
シンプルに言えば、骨の位置を「意識」が間違っているので、我々の身体はうまく機能しないのです。現実の物理的な骨の位置と脳内のマップがズレているのです。
たとえば、「まといのば」でお馴染みのワークとしては、たとえば股関節の位置、そして下肢の頂点(一番上)としての上前腸骨棘(ASIS)の意識がありますね。
また、上肢の一番内側である胸鎖関節に触れるワーク
同様に脊椎の一番上であるC1(頚椎1番)も同様です。頚椎1番を触れませんが、大後頭孔隆起などで位置を確認します。
このときのポイントはそこの位置を学ぶのではなく、その位置を知ることで、どう身体の機能が大きく変化するかを楽しむことです。
単に平凡に「知識をアップデートしました」ということではなく、そのことによる身体の機能の改善を知り、そこにドーパミンを出すのが重要です。
たとえば、こんなワークを組み立てます。
まず頚椎の回旋の可動域をチェックしてもらいます。
正確に鼻の頭がどこを向いているかをチェックしてもらい、その角度を風景と共に覚えてもらいます。
そして、知識のアップデートを行います。脳内マップの調整ですね。
我々が首だと思っている部位よりも、頚椎というのははるかに長く、前から見たら耳や鼻の高さまで頚椎は来ていますよ、と教えます。そのうえで、大後頭孔隆起に触れさせて、そのあたりまで環椎(C1)が来ていると言います。
その上で、環椎軸椎という珍しい脊椎を紹介して、そこが首の回旋に大きく寄与しているということを実感させます。他の脊椎はねじれでしかありませが、環椎軸椎は輪投げの輪とその台のように、スルスルと滑る構造なのです。
逆にそこを固めてしまうと、首の回旋は阻害されます。
多くの人は固めているつもりは無いのですが、そこに頚椎(首の骨)が無いと思っているので、結果的に固めます。スコトーマは恐ろしいのです。
と、この文章を読んでいるだけでも、頚椎1番、2番がムズムズしてきて、何気なくゆっくりと首を回旋させると、、、、、可動域が明らかに広がるのに気づくと思います。
もともと可動域がある人は、ひっかかりが無くなります。
抵抗やひっかかりやゴリゴリした感じがなくなります。
余談ながら、この「ひっかかり」というのは、運動に対する遠心性収縮ということになります。伸張性収縮ですね。平たく言えば邪魔をしているのです。肘を曲げるときの上腕三頭筋の役割です。もちろんフェイル・セーフではあるのですが、過ぎたるは及ばざるが如しで、上腕三頭筋が無駄に強ければ、肘は曲がりません。もっと恐ろしいのは上腕三頭筋の存在を忘れて、無制限に強いことです。そうすると肘関節は動きません。
さすがに肘ではそういうことは起こりませんが、全身の可動域の問題はこのパターンが多いです。
そして、厄介なことに主働筋をいくら強めても(この場合は上腕二頭筋)、拮抗筋はそれに輪をかけて強くなります(上腕三頭筋は伸張性収縮を強いられるので、スポーツ科学で考えても、伸張性収縮は鍛えられやすいのです)。
じゃあ、どうすれば良いのか、、、、
これはシンプルです。
拮抗筋(肘関節で言えば上腕三頭筋)が存在することをクライアントの脳(意識)に教えれば良いのです。そのことが分かっていると、ヒーラーが軽く触れるだけで、一瞬で解消したりします。魔法のようですが、カラクリがあるのです。
押してダメなら引いてみよ、ですw
それを一挙に改善するのが、骨の意識です。
骨のマップの修正です。
ですので、解剖学の基礎の基礎である骨ですら、そのままダイレクトにヒーリングに使えるのです。極端な話、筋肉について無知であっても、骨の知識とアライメント(骨と骨の関係)が正確にわかっていれば(肌感覚で)、それだけでも気功整体師として、かなりの施術ができます。
長くなりすぎているので、そろそろまとめます!!
まず前提として、「まといのば」では気功整体の整体所をオープンさせる予定です。そこで働く優秀な気功整体師を育成するつもりです。
その優秀な気功整体師を仮にソルジャーと言い、整体学校を新兵教育ということでBoot Campと呼んでいます。
最近、希望者の登録を開始しました。かなり大勢の方から登録があります。せっかくなので、何かをしたいと思っています。
そしてもう一つは、
優秀な気功整体師は解剖学に基づいて、自分で仮説と検証を繰り返しながら、施術を組み立てられ、きちんとそれをクライアントさんに説明できることを目指しています(ここまでがデビューです。そのあとに魔術や呪術系の技を覚えてもらい、そしてゴール設定の技術を覚えてもらう予定です)。
仮説と検証というのは、単なる勘に基づくものではなく、圧倒的な知識と経験に支えられるものです。
その知識とは解剖学であり、解剖学は骨(の数)を覚え、筋腹をざっくり触れるようにして、筋肉の起始と停止と機能を覚え(機能は丸暗記ではなく、起始と停止から演繹的に説明できるようにして)、支配神経を覚えてもらいます(血管などはデビュー後に)。
(ちなみに神経を覚えるのは、神経も施術の対象だからです。人は無意味には耐えられないのですが、意味があると思えば、どんな無味乾燥な記憶にも耐えられます。それが結果につながることを脳が分かっているので)。
で、これらのお勉強は必ず実習と共にやります。
たとえば、大腿骨を覚えるだけで、術者の脚が長くなり、腹直筋の起始と停止を覚えるだけで、Y字バランスのキープができるようになる、、、、そんなイメージです。
だからこそ、膨大な暗記も楽しいのです。身体が急速に変わりながら、心身が健康になりながら、知識を確実に得られるからです。
知は力
を実感するBoot Campとなります。
(意外と自分がよく知っていると思っていることも、腑に落ちていなかったり、臨場感がないことに気付かされたりします。もちろん歓びと共に)
「まといのば」でしても数年に渡るプロジェクトになるでしょうし(数年後に初期メンが確定してくれば、次に拡張できます)、壮大な挑戦だと思っています。
ベテランのソルジャーの中にはPTやOT向けに講座をする人も出てくるでしょうし、医師たちに指導する人たちも出てくるでしょう。海外に羽ばたく人も。
非常に楽しみです!