というわけで、気功整体の続きですね。
前回からの記事の続きです。
前回扱ったのは、
・マッサージの際の基本的な身体の使い方
・僧帽筋のほぐし方
・肩甲骨周りのほぐし方
あたりです!
c.f.マッサージするときの身体の基本から、頑固な僧帽筋上部の緩め方。そして母指圧迫の際の他の指の事など 2019年07月17日
で、気功整体のセミナーでも何度も言っていますが、気功整体だけで心身の問題が解決することはありません。
基本的にはクライアント自身の理解や意識、心がけが重要になってきます。
ですので、気功整体の合言葉は、、、
解決を目指すのではなく、解説!!
です。
解決ではなく、解説
ですね。
いま、クライアントさんご自身の身体がどうなっていて、どうしてこういう不具合が起きているかを解説していくのです。
解説は基本的には、解剖学ベースで行います。ただし、本人の好みによっては、チャクラやクンダリーニなどの説明もします。「腹横筋を締めて腹圧を上げて」と言うよりも、「腰を充実させて」、とか、「腹に力を入れて」、とか、「丹田ですね」と言われる方が結果が出る場合があるからです。
極端な話をすれば、どの説明であっても、現象は同じなので、効果のある方法を採用しましょう。
効果というのは、そのクライアントさんの価値観に依存しますし、知識に依存します。
もちろん知識を上手に導入しながら(教育しながら)、結果を貪欲に求めていきましょう。
脱線ついでに、もう少し話を膨らますと、結局、良いヒーラーというか、良い気功整体師というのはこの解説が上手です。教育が上手なんです。
解説や教育を認知科学の用語で言えば、「共感覚による内部表現書き換え」です。
クライアントの頭の中身を書き換えることによって、身体も心も書き換えるのです。
ヒーラーは魔法使いというよりは、教師(導師)に近いのです。導く人なのです。ガイドさんですね。どこをガイドするかと言えば、情報空間をガイドするのです。そしてクライアントさんが行きたかったところへ連れて行くのです。導きます。導師ですね。
ですので、良い気功整体師は良いセミナー講師にスイッチしやすいのです。何度も何度も同じ説明を繰り返しているうちに板についてくるからです。解剖学を説明するときはどうしても絵を描きたくなりますし、つい小さなホワイトボードやメモを用意してささっと描きたくなります。同じような説明を何度も繰り返していると、どんどん洗練されていきます。
ですので、気功整体を繰り返していると、気づいたらセミナー講師の訓練をしているのと似てくるのです。
ですので、頼まれたりして、気づいたらセミナー講師デビューしています。
セミナー講師としてデビューしているときも、セミナーをしながら、ちょこちょこと解説している最中に受講生の身体に触れて、ささっと治したりします。そのときに、気功整体師としてキャリアがあれば、サクッと治せませす。
そうすると、受講生はまるで「魔法のようだ」と驚いてくれるのですが、講師本人としては何年もやってきている技の一部ですし、余技みたいなものでしかありません(だからこそ、凄そうに見せる演習は必須です。なぜなら講師本人が「スゴイ」と思っていないからです)。
ですので、いまマッサージ店のセラピストとして働いているメンバー達は、腐らずにガンガン仕事をしましょう。ともかく場数を踏み、解説の力を鍛え、何よりも自分自身の能力をアップさせていきましょう。それはそのまま次のステップの得難い資産になります。
前置きが長くなりましたが、、、
前回の続きです。
僧帽筋上部をマッサージでどうゆるめるか、、、
これは前回も述べたように、マッサージではなく、菱形筋の収縮と頚椎の進展によって治すべきものです。そもそも僧帽筋上部に力が入りやすいポジション(姿勢)にあるから、固まるのであって、それを力技でゆるめてもほとんど効果がありません。
肩こりって、その意味で厄介なのです。
でも、セラピストとしてはそんなことは言っていられません。
ですので、労宮ピンチを用います。ピンチというのは挟むという意味です。カチャッと挟むイメージです。
手のひらを見て、手のひらの中心の窪んでいる部分を意識しましょう。
その部分(労宮)から真横に線を引きます。
スパッと引きます。
そうすると、手がクシャッと折れ曲がります。
いわゆるMP関節で折りたいのです。僕らは指の位置を間違って認識しています。
目に見えている指の付け根が指の付け根だと思いがちですが、実際はもっともっと深いところが指の付け根です。
手のひらの中央あたり(労宮)が、指の付け根のラインなのです。
そこに反対側の爪を立てて、スパッと切りましょう。そうすると、手がクシャッと折れ曲がります。
ここを使って施術をしましょう!!
(って、意味が良くわからないと思うので、よく分からないという人はセミナーで質問してください)
いわゆる指の関節(IP関節)のDIP(遠位)、PIP関節(近位)はなるべく使わないようにしたいのです。膝みたいなものです。メインではなく、あくまでサブです。指だけを折り曲げることを昔、昔はレディ・ガガと呼んでいましたね〜(そういうポーズをよくガガ様が取っていたのです、当時)。
我々は掴むことには長けています。その掴む能力をそのまま施術に使います。でも指だけを使うと簡単に指は壊れてしまいます。
(ですので、「親指以外の四指を使うな」というアドバイスはナンセンスなんです。四本の指でがっしりとクライアントの身体を押して、そこを土台に親指を自由に動かしましょう。四本の指でも施術とチェックが可能です。四本の指をクライアントの身体に触れないように習っている人が多いと思いますが、親指が逝ってしまいます。秒殺で逝ってしまいます。その上、親指だけで触れて、マイケル・ジャクソンのように前傾せよなどと習っているので、コンマ何秒で親指が逝ってしまい、その後はずっと痛みと麻痺を往復します。靭帯はどんどん壊れていきます)
ですので、労宮でスパッと手を真っ二つに切って、そこで折るようにします。そしてそこで挟む(ピンチ)するのです。
それを勝手に『労宮ピンチ』と呼んでいます。
これは事前にたっぷりと練習しておきましょう。自分の上腕や前腕で十分に試した方が良いです。
挟むのに慣れてきたら、挟んで外しましょう。外すというのは、骨から肉を剥がすということです。
で、これを僧帽筋で試します。
僧帽筋はそうはいってもかなり薄い筋肉です。その薄い筋肉で腕全体や肩甲骨までも持ち上げてしまうのですから、僧帽筋はいつもクタクタです。クタクタでカチカチです。
*オレンジがいわゆる僧帽筋ですね。僧帽筋上部です。多くの人が話題にするのは上部繊維のみですが、中部、そして下部もものすごく大事です。特に下部は鍛えましょう!肩甲骨、そして肩をガッと下げる必要があります(これがバストアップにもつながるそうで)。
トレーニング指導をしていても、あるあるなのが、僧帽筋(上部)を使いすぎてしまうケースです。ともかく肩は死ぬほど下げましょう。
で、その僧帽筋上部を首の付け根側にぐいっと入りながら掴みます(ピンチします)。そして肋骨や頚椎から引き剥がしながら、掌底で破壊するイメージで筋膜リリースします。
で、これを普通にやると労宮ピンチにしか見えません。周りの目が気になるセラピストは労宮ピンチをしながら、挟み込むときに、掌底で押し込むようにすると、掌底でマッサージしているように偽装できますwww
という風に僧帽筋上部をマッサージでうまくゆるめてください。このときにシンプルに労宮から気を出しても良いですし、「筋肉」「ミルフィーユ」「空海の身体」などを流すのも有効です。また変化が全然違います。
ただし、気をつけて欲しいのは、きちんと筋肉にアクセスするということです。
筋膜リリース系の技術を学んだ人はわかると思いますが、我々は皮膚の真下の皮下組織があります。皮下脂肪と考えても良いですし、浅筋膜と考えても良いのですが、その下に深筋膜があります。
きちんと深筋膜とその下の筋繊維を感じましょう。そしてその部分を握るのです。
ゴムゴムの場合などは、あえて浅筋膜だけを掴んで引き剥がしますが、筋肉にアプローチするときは、筋肉まで到達しましょう(「脂肪が多すぎて、届きません」とおっしゃるセラピストもいますが、脂肪ってどかせばどきますので、脂肪をかきわけることも意外とできます。脂肪が多すぎてつまりすぎて、固くなってしまっている場合は別ですが。その場合は骨からアプローチします)
やはり、こういう手技を文字で解説するのは、困難ですwww
そして、少し飽きてきたので、あとは箇条書きにwww
・肩甲骨剥がしを痛くしないコツは、肩甲骨の裏に指を突っ込まないで、反対側の手で肩関節をつかみ、肩甲骨を指の方に動かします。
これはちなみに応用の効く考え方です。自分から行くのではなく、向こうから来るようにします。
・腰のマッサージですが、そもそも腰にまともな筋肉はありません。ペラッペラの腹横筋はじめてとする腹筋群と脊柱起立筋群だけです。あと広背筋とかを痛めるほどの運動をしている人がマッサージ店には来ません。ですので、ポイントとなるのは、脊柱起立筋群です。脊柱起立筋群も痛めませんが、疲れはたまります。
・ですので、脊柱起立筋群をReleaseしたいのですが、脊柱起立筋群の筋腹を押したところで、お腹が柔らかいので響きません。ですので、角度を90度傾けます。
脊柱起立筋群を横から脊椎の棘突起に向けて押します。
・脊柱起立筋群の探し方はいつものように腰のくびれから探索します。勘でやらないように。勘で適当にやって、全然間違って施術している人を見かけたら、次は後ろからハイキックします。
・大臀筋に関してはできたら、膝でやってほしいですが、、、、それほどの技術も身体のレベルも無いと思うので、掌底でやりましょう。親指を使うのは、脂肪をかきわけ、筋肉をかきわけ、ある一点に向って正確に押せる人だけです。その一点は触る前にわかっていることが前提です。
・そもそも小さな手の筋肉でお尻の巨大な筋肉に対抗できるわけがないので、体幹を使いましょう。
体幹ということで言えば、先日もメンター生(プロのセラピスト)に指導をしたのですが、ともかく体幹は重要です。
体幹が入っていないと、子供っぽい施術になります。体幹を入れましょう、、、、って言ってもなかなか分からないと思うので、今度「まといのば」講座でやります!
体幹が入る感覚がわかれば、押し方が強く正確になります。
これも気功の文脈で丹田とか肚(ハラ)という言葉で説明してもいいのですが、解剖学的な運動生理学的なカラクリがあります。
というわけで、乞うご期待!!