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ダンサーは踊ることに呪われていると書いたら、「それは呪いなのですか?」という意味のことを問われました?
もちろんダンサーは好きで踊っているわけで、そしてそれはもちろん快楽であり、喜びでしょう(おそらく)。
ですので、呪いなどと縁起の悪いことを言わず、素直にWant toと言っても良いのでは?というご質問なのではないかと思います。
それは全く同意ですし、もちろん呪いではなく、Want toの結果だと思います。
というか、ここで言う呪いとは、want toに自分が進んで従うという感じです。
ただ、、感触が少し違うのです。
たとえば、ジゼルは1幕と2幕で色合いが異なります(白鳥の1幕・3幕と2幕・4幕がこれに対応します。1幕3幕は宮廷の華やかな色彩豊かな世界、2幕4幕は呪いのかけられた白鳥たちの住む湖です)
ジゼル 1幕 v.s. 2幕
白鳥 1幕・3幕 v.s. 2幕・4幕
ジゼルの1幕は色彩豊かです。
村ののどかな風景に貴族たちが狩りにやってきます。牧歌的な色合いに艶やかな貴族たちが彩りを重ねます。
それに対して2幕は白一色。
暗い森深くの死の世界です。
カラフルな世界とモノトーンの世界です。
生き生きとした生の世界と、寒々とした死の世界です。
ジゼル一幕でも農民たちは楽しそうに踊ります、踊りますが、それはいつでもやめられるものです。
凡庸な者が、たしかにゴールは設定するし、Want toで行動するのですが、それはいつでもやめられるのと思っているのと同じです。
気分が乗らなかったり、小さな壁が出現したり、ドリームキラーの心無い言葉で放り出してしまうようなものです。放り出せると思っているのです。
そして、やめるかやめないかの選択は自分の手にあると思っています。
それは凡庸な農民たちの踊りです。
それに対して2幕は踊らされているのです。誰によって、自分によって、です。
白鳥の湖では分かりやすくロットバルトの呪いによって彼らは白鳥に姿を変えられていますが、ジゼルでは己の欲望によって、踊ることを余儀なくされているのが明確です。
あのウィリたちは自分で自分を呪いにかけているのです。
自分が自分にかけた呪いによって、死ぬまで(いや、すでに死んでいますが)踊るのです。
このかわいそうな若い女たちは墓のなかでじっと眠っていることができない。彼女たちの死せる心のなかに、死せる足に、生前自分で十分満足させることができなかったあのダンスのたのしみが今なお生きつづけている。(ハイネ)
そして迷い込んだ男たちを誘うのです。
一緒に踊ろう、と。
一緒にゴールの世界へ突き進もう、と。
そして夜なかに地上にあがってきて、大通りに群れなして集まる。そんなところへでくわした若い男はあわれだ。彼はヴィリス(ウィリ)たちと踊らなければならない。彼女らはその若い男に放縦な凶暴さでだきつく。そして彼は休むひまもあらばこそ、彼女らと踊りに踊りぬいてしまいには死んでしまう。(ハイネ)
ゴールに向かって懸命にひたひたと努力を続けている人を見ると、煽られて自分ももっとがんばろうと思ってしまうのは、この感触です。
この死せる酒神の巫女たちにさからうことはできない。(ハイネ)
そして、ゴールに向かっている人が、稀に激烈なのはそのせいです。
「なぜ血反吐を吐いても踊らない?」と激しく求めてしまうのです。
「なぜやめたんですか。ぼくらならどんな意気地ないやつでものどから血が出るまでは叫ぶんですよ。」(宮沢賢治『セロ弾きのゴーシュ』) 2014-01-11
ゴールというのは、その意味で死の誘惑であり、執着であり、呪いです。
多くの人はジゼル一幕のような極彩色の世界を想像しますが、足を踏み入れるとそこはモノトーンの死の世界です。そこで狂ったように踊り続ける世界です。
Want toとは欠落であると僕は村上龍さんから学びました(彼は才能と言いましたが)。A wantとは欠落のことであり、心にぽっかりあいた穴だと。そこに何を埋めても、埋まらず、そしてエネルギーも時間も資源も人生すらも注いでしまう、と。その穴はそのうちブラックホールのようにすべての飲み込むと。
その意味では心臓に重い病を持ちながらも、何かに突き動かされて(喜びに従って)踊り続けるジゼルは村の世界から飛び出さざるを得なかったのかもしれません。村の踊りには満足できず、森の中で踊ることを無意識に望んでしまったのかもしれません。
我々も重いゴールを背負って、死ぬまで踊りましょう!!
- 公演日:2018年11月25日(日) 昼夜2回公演
- 14:00開演 主演キャスト:井脇幸江/菅野英雄
- 18:00開演 主演キャスト:影山茉以/清水健太
- 会場:新宿文化センター大ホール
*劇場で会いましょう!昼も夜もおります!