哲学の小咄(こばなし)のひとつにこんなものがあります。
百足(ムカデ)が多くの脚を器用に使うことに嫉妬したアリが、「きみは果たしてどの脚からあるき始めるのかい?」と意地悪に聴く話です。
無意識に歩いていたムカデくんは、「はて、どの脚から動き出しているのだろう?」と考え始めたら、一歩も動けなくなったというオチでした。
踊りも同じで、どの筋肉をどう動かしているかを考えながら踊る人はいません。
逆にそんなことを考えたら一歩も動けなくなります。
でも、自分の動きを洗練させようと思ったら、意地悪なアリの質問は有効です。
一度、分析的に考えて、鍛錬したら、今度は統合していく必要があります。
そのときどう統合するのでしょう。
その1つが情動であり、もう1つが今回のテーマであった「香り」です。
香りに導かれて、遠くへ運ばれるかのように動き、香りに導かれて、指先が引っ張られるように動き出すことです。
そのときに「赤い糸」を意識しながら、自分の軸やチャクラそのものが引っ張られる感覚を得ることで、アリの呪いから脱することができます。
いや、それ以上です。むしろその呪いは祝いになるのです。
反筋トレがミニマム(最小値)をミニマライズ(最小化)するとしたら、筋トレはマックス(最大値)をマキシマイズ(最大化)することです。ここにストレッチと筋膜リリースが加わり、ROM(Range of Motion:可動域)を大きくしていきます。
ここでの最小値と最大値とは認識の幅のことです。
反筋トレ:Min(ミニマム)のミニマライズ(最小化)
筋トレ:Max(マックス)のマキシマイズ(最大化)
ストレッチ:ROM(可動域)のマキシマイズ(最大化)
もちろん、ここで言う筋トレはOverlord Progressive(過負荷漸進)ですね、自分の限界を超えていくような筋トレを指します。
*11月の気功整体師養成スクールでは、この反筋トレを最大限に活用してあなたの気功整体の手技を別次元へと上昇させます。
反筋トレを定義するとしたら、自分が認識できる筋出力の最小値をより小さくしていくということです。その意味では神経のトレーニングとも言えます。
逆に筋トレは筋肥大を目指します。そしてストレッチや筋膜リリースは(それだけではないですが)、結果的に関節の可動域を最大化します。
そしてこの反筋トレ、筋トレ、ストレッチのトリニティによって、身体を進化させていきましょうというのが、最近のブームです。
というのも、これまで言語化することが困難だった部分がくっきりと体系的に説明できると思っています。
当然ながら、3つは重なり合います。
たとえば、筋トレとストレッチは全く正反対の概念のようですが、きちんと筋トレすると、身体はエキセントリックコントラクション(eccentric contraction:伸展性収縮)によって、ストレッチがかかります。筋肥大にも用いられますが、むしろ安全なストレッチに有効だと思います(筋繊維に刺激を送りやすいので)
逆に力を抜いて、脱力したストレッチは危険です。と言っても、力を込めてストレッチするのはもっと危険ですが。脱力したストレッチの問題は腱や靭帯に負荷がかかることです。
また筋トレはある程度極めていくと、より細やかに筋肉を意識するようになるので、筋肉を意識するということで言えば、反筋トレと重なります。上手にトレーニングできている人は狙った部位に効かせるのが上手です。そのときの「狙った部位に効かせる」技は反筋トレに通じるものがあります。
ストレッチと反筋トレは非常に似ています。意識状態は同じです。ただ反筋トレのほうがよりデリケートで、繊細になります。
3つは重なり合いながら果たす機能は別です。そして3つをやることで相乗効果が期待できます。
反筋トレだけであれば、相当にうまくやらない限りは普通に筋肉は落ちていくでしょうし、筋トレだけでは柔らかく動くことが難しくなり(身体は刺激に対して適応するので)、ストレッチだけではすぐに上限が来てしまいます(筋トレなき、ストレッチは靭帯を痛めるか、意外とすぐに限界が来ます)
3つの相乗効果が最高です!
というか、MBAでも体感していただいた通り、相当に楽しいのです。
ともかく繰り返すという単調な鍛錬に比べて、反筋トレを中心とした鍛錬は極彩色の喜びに満ちています(飽きたら他の部位をやれば良いですし、身体はその意味で広く深いのでいくらでも楽しめます)。
このときのポイントはアナトミートレインと同じく張力です。筋肉というよりは筋膜の張力関係を上手に使います。そのためにはノイズとなる筋力を最小限にしていきます。ここで反筋トレが役立ちます。
MBA(まといのばバレエアカデミー)では、そのためにも、そこに香りという要素を追加しました!
薔薇の香りと言えば、テオフィル・ゴーティエの詩句「わたしは薔薇の精、昨晩の舞踏会にあなたが連れていってくれた」に着想を得たバレエ作品「薔薇の精」が思い起こされます。
MBAでも薔薇の精の話題が出ました(そしてそれが思わぬ突破口となりました)。
*叙情的なニーナ・アナニアシヴィリとルジマトフによる薔薇の精!!
*薔薇の香りとは官能的なフェロモンのこと。
11月開催の気功整体師養成スクールでは、この反筋トレのトリニティを理論と実践の基礎にしつつも、今回は筋肉の腑分け、そして神経系への手技によりアプローチも新たに追加します。
すぐに実践で使えて、かつ体系的に学べ、自分の身体を変えながら、お客さんの身体も変えていき、喜んでいただくことができます。
気功整体は天職という方、そして気功整体を自身の施術に活かしたいという方は是非お待ちしております!!!