相対性理論で有名なアインシュタイン博士に「相対性」って何ですか?と聞いたときの話です。
アインシュタイン博士はこう答えました。
可愛い子と一緒にいることを考えてごらん。
1時間だって1分くらいにしか感じないはずだろ。
でもね、熱いストーブの上に1分でも座ってみよう。1時間よりもはるかに長く感じるだろ。
これが「相対性」さ!
僕はこれをはじめて聞いたときは、冗談か都市伝説の類(たぐい)なのだと思っていました。
さすがに、相対性理論の相対性とは何の関係もなさすぎます。
しかし、、、Wikisourceにはしっかり引用がありましたw
When a man sits with a pretty girl for an hour, it seems like a minute. But let him sit on a hot stove for a minute and it's longer than any hour. That's relativity.
のちにアインシュタインが名うてのプレイボーイだったと聞いて、なんだか納得しました。
彼は本当に魅力的な人です。
たとえば隣の家の女の子に数学を教えていたそうです。家庭教師をしていたらしいのですが、その子があるときアインシュタインに聞きます。
「おじさんは何をしているの?」
アインシュタインは答えます。
「物理学を勉強しているよ」
それに対して女の子は
「あら、まだ物理をやっているの?私は去年終わったわ」と
これもきっとアインシュタインの手にかかって、素敵な逸話として広がっていったのかもしれません。
その子もそのお母さんも、親切な隣の住人がまさかあのアインシュタイン博士とは知らなかったそうです。
あるときテレビに出ているのを見て、あわてたそうですが、アインシュタインは「私は教える以上のことを学んでいる」と言って、家庭教師を続けたとか。
僕らは苦虫を噛み潰したように「神はサイコロを振らない」と繰り返す偏屈なおじいちゃんとしてアインシュタインを理解していますが(違うか)、実際は魅力的な人です。
双子のパラドックスという思考実験があります。
双子の弟が地球に残り、兄が宇宙船に乗って旅立ちます。
お互いにお互いの運動は相対的です。
自分が止まっていて、相手が動いていると主張します。
ですので、お互いに相手の時計が遅れているように観察できます(←これがパラドックスです)。
では、長い長い旅から帰ってきて、2人が再会したときに果たしてお互いはどんな姿なのでしょう?
僕らは相対性理論を特殊相対性理論だけで考えがちです。
しかし特殊相対性理論は素晴らしい理論ですが、相対性理論の前哨戦に過ぎず本丸は一般相対性理論です。
一般相対性理論は重力理論とも言われます。
このパラドックス自体も実はアインシュタインが言い出したものです(アインシュタインは時計のパラドックスと言いました)。
自分で出したパラドックスですが、自分で解いています。
このパラドックスの肝は自分が慣性系にいるか加速度系にいるかは体感で分かるということです。
ロケットで移動した兄は加速と減速を二度経験します。一度目は地球を離れるときと、最接近するとき、もう一度目は折り返すときです。そのときに猛烈なGがかかります。この加速するときに、時間が遅れます。
しかし地球に残った弟はずっと慣性系にいます(正確には慣性系に近似できるような加速度系にいます)。
ですのでこのパラドックスは崩れ、実際は兄が若いままなのです。
ちなみに地球も加速度系です。いや重力とは加速度なのです。
アインシュタインのお得意の思考実験で考えると、重力下にいるか、それともロケットで急上昇しているかは区別がつかないのです。
もちろん現実にはロケットで急上昇していたら、すぐに光速を超えてしまいます。
僕らのこの地球が実は平べったい宇宙船でずっと加速しているという可能性はありません。
しかし、本質的には加速度と重力は区別がつかないのです。
地上に置いてあるエレベーターの一室と、ロケットで急上昇しているエレベーターの一室では区別がつかないのです(厳密には頭の天辺と足裏では重力が異なります。ですから正確には異なります。ただ、そんな微妙な差異を検出できる能力はまだ人類にはないでしょうけど)。
しかしこのエレベーターを考えると、なぜ光が重力場で曲がるのかを直感的に理解できます。
なぜなら、重力場と加速度は同じだからです。同じだからこそ、まっすぐ進む光は曲がって観測されるのです。
そもそも光子は重さゼロと習います。重さが無いものが、重力によって引っ張られるのは不思議な話です。光も吸い込まれると呼ばれるブラックホール。でも巨大な重力ですべてのものを飲み込むのであって、重さがなければ吸い込まれないのでは??と思ったことはないでしょうか?
王様は裸だ!
に近い感覚です。
物理学において、王様は裸だと堂々と言えたのが、特許局の役人であったアインシュタインでした(特許局をやめるときに、上司からどこに転職するのかと聞かれて、「大学の先生になります」と答えたら、「冗談だよな」と呆れられたという話があります。もうすでに特殊相対性理論は発表され、評価されていた時期です)
話を戻すと、重力というのは重さの話ではなかったのです。
光に重さはありません。しかし、重力の影響を受けます。
重力とは加速度です。
アインシュタインは錬金術の末裔なのかと思うほどに、鮮やかに2つの異なるものを1つに統一していきます。
たとえば天と地をつないだのは(月とリンゴをつないだのは)ニュートンでした(万有引力の法則)。
同じように時間と空間をキスさせ(ミンコフスキー空間)、質量とエネルギーをキスさせました(E=mc^2)。
Falling in love is not at all the most stupid thing that people do ― but gravitation cannot be held responsible for it. ー Albert Einstein
(恋に落ちるのは愚かなこととは言えないが、重力にその責任を押し付けるわけにはいきません)
そればかりか重力と加速度をつなぎ合わせ、重力とは時空の歪みであること(そして光も物質もその最短距離=測地線を移動していることを)示しました。
リンゴがまっすぐに落ちているように、月も空間の歪みに対してまっすぐに(測地線に沿ってという意味で「まっすぐ」に)落ちています。光も(測地線に沿って)まっすぐに進んでいるので、我々には曲がって見えます。
重力というのは不思議な力です。
重力以外の力が働かない状態というのは、自由落下ですが、自由落下のときは重力を感じません(無重力状態と言うくらいです)。
ファインマンさんはこれに対して、重力とは見かけの力だと言いました。
重力が、、、見かけの力???
たとえば2次元空間を考え、それが閉じているとします。
球体に閉じています。
この空間ではある種の平行線はすべて一点で交わります(正確には二点で交わります)。その特異点が北極と南極です(緯度は明らかに平行な直線であり、その平行な直線の推薦の経度同士も平行な直線です)。
北極から鉄砲玉をそれぞれ90度の角度で打ち出すと、両者はどんどん離れていきます。どんどん離れていきますが、ある地点から不思議なことにどんどん近づいていきます。
ある地点とはご承知のとおり赤道です。
赤道を越すと、永遠に離れ離れになるかと思われていた2つの鉄砲玉は近づいていきます。
このとき、鉄砲玉同士は自分たちに数奇な運命を感じるでしょう。引き合わせようとする不思議な力を感じるでしょう。そしてそれを万有引力などと名付けてしまうでしょうw
しかし、そこには引力など存在せず、2つの鉄砲玉は単にまっすぐに走っているだけなのです(そして最後に衝突します。まさに引きつけあっているのです)。
これが重力の本質であり、この小さな逸話で分かるように引力など存在せず、重力とは見かけの力なのです。
物理学や数学や哲学を学ぶとは、新しい言語を学ぶようなものです。
新しい言語にはもれなく新しい能力がついてきます。
(という映画がありました。Arrivalですね)
我々はわずかであっても新しい言語を学ぶことで、全く新しい能力を手にすることができます。
世界の見方が変わるということは、新しい能力を手にするということです(見えれば操作可能なのです)。
フランシス・ベーコンはそれをScientia est potentia(スキエンティアエストポテンティア)と呼びました。knowledge is power(知は力)ですね。
楽しんでアインシュタインが見出した新しい言葉を覚えましょう!!
そしてニュートンやガリレオ・ガリレイたち偉大な人が見出した新しい言語を垣間見ましょう!!
【リニューアル版寺子屋「アインシュタインの一般相対性理論」】
【日時】 3月20日(火) 19:00~21:00(21:30まで質疑応答!22時半までやっていることも多いです(・_・;))
【場所】 東京・四ツ谷の「まといのば」のセミナールーム
【受講料】 3万円
【受講資格】 ブログ読者(気功初心者でもOKです。情熱さえあれば道は開けます!)
【持ち物】 筆記用具と動きやすい服装
【お申し込み】お申し込みはこちらから。
そして、一年ぶりの新コンテンツ!!!
イスラームへの招待!
【寺子屋「イスラームへの招待」】
【日時】 3月22日(木) 19:00~21:00(21:30まで質疑応答!22時半までやっていることも多いです(・_・;))
追加開催決定!!4月3日(火)19:00~21:00(21:30まで質疑応答!22時半までやっていることも多いです(・_・;))
【場所】 東京・四ツ谷の「まといのば」のセミナールーム
【受講料】 3万円
【受講資格】 ブログ読者(気功初心者でもOKです。情熱さえあれば道は開けます!)
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