主なる神は東のかた、エデンに一つの園を設けて、その造った人をそこに置かれた(創世記2:8)
エデンの園は一つの川が流れでて、それが四つの川となります。
第三の川がヒデケル、第四の川がユフラテ。
神話として読んでいても、ユフラテがユーフラテス川を指していることは分かります。そしてヒデケルが別名チグリスです。チグリス・ユーフラテスと言えばメソポタミア文明です。
我々は「命の木と、善悪を知る木」が中央に生える園がシュメールにあるのではないかと想像力をたくましくします。
エデンという言葉自体はそもそもシュメール・アッカド語で「平地」であり、メソポタミアの大平原を指します。
*絵には時間が流れています。一瞬を切り取ったような表現の中にも因果の時間が流れていることがあります。ルーカス・クラナッハの異時同図法は漫画のように登場人物があちこちに描かれています。
シュメールには実際に歴史上、大洪水があります(裏の宗教史で取り上げたようにギルガメッシュにも大洪水の記述があります)。
バベルの塔とは、シュメールのジッグラトとも言われます。
我々はトロイの木馬の伝説を知っています。
かつて歴史として知られ、やがて神話となり、そしてまた歴史となった物語です。
同じくエデンの園が想像力たくましい神話から、現実の歴史となってもおかしくはない時代に生きています。
歴史というのは非常に高いところから俯瞰的に見ると面白いものです。
古代、中世、近代という古い区分に従うならば、中世の始まりは5世紀、終わりは15世紀です。
それぞれ西ローマ帝国の滅亡から、東ローマ帝国の滅亡までを指します。
イエスは0世紀に生まれ、そこから200年はパックス・ロマーナの時代です。折り返して200年はローマが辛い時代が続き、最後にキリスト教を国教化して、都をコンスタンティノープルに移転して、東西分裂します。
パキっとローマが二つに割れるのです(395年、錯誤(395)の東西分裂と覚えましょうw)。
そして西ローマ帝国はあっさりと滅亡(476年 後ろから読むと虚しい(476)西ローマ帝国滅亡と覚えましょう)。
そこからしぶとく1000年も東ローマ帝国(ビザンチン帝国)は続きます。これが闇の中世。
ですから、歴史は非常に分かりやすいです。
0世紀 イエス誕生、ローマ帝国もついでに誕生
5世紀 東西分裂、西ローマ帝国滅亡でもって古代が終了、中世がスタート
15世紀 東ローマ帝国がオスマン帝国に滅ぼされ、中世が終わり、近代がスタート、ついでにルネサンス(14-5世紀)と宗教改革(16世紀)と科学革命(17世紀)と続きます。間に大航海時代(15世紀半ばから17世紀半ば)が挟まれます。
ホップ・ステップ・ジャンプという感じです。
古代、中世、近代です!
イエスを結節点とする視点も非常に面白いのですが、むしろ古代ギリシャ最後の天才であるプラトンを中心にすると、キリスト教、グノーシス主義、ヘルメス主義、魔術、錬金術、カバラ、占星術が一つに束ねられます。そしてそれを折り返すとシュメールや古代ギリシャ哲学(と神話)が見えてきます(という内容が前回の寺子屋「裏の宗教史」でした)。
ヘルメス・カバラ主義である薔薇十字宣言がルネサンスと科学革命をつなぐ紐帯であるといのがF・イエイツの歴史研究です。すなわち科学に至るまでがプラトン主義です(ニーチェはキリスト教を大衆向けのプラトン主義と言いました)。
ちなみにイエスを一つの結節点としたのは、もちろんヨハネの福音書です。
「はじめに言葉ありき、言葉は神とともにあり、言葉は神であった」というシンプルな冒頭で、イエスと古代ギリシャを繋いで見せます。言葉とはロゴスであり、「はじめに」とはアルケーです。
余談ながら「大衆向けのプラトン主義」の意味を体感するには、かなり以前に紹介したこちらの本などが面白いです。
いたこニーチェ (朝日文庫)/朝日新聞出版
¥713
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ちなみに、こちら↓を見てもニーチェはあんまり分かりません。面白いですけど。
ニーチェ先生~コンビニに、さとり世代の新人が舞い降りた~ 1 (MFコミックス ジーンシリーズ)/メディアファクトリー
¥555
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Huluでニーチェ先生の実写版が(^o^)HuluならHeroes rebornがいいですね。
というわけで、大晦日はギエムさんのボレロを観て過ごしました。
一つの時代が終わるというか、何というか感慨深いです。
ボレロが同時生中継されるというこの状況そのものがクロード・ルルーシュ監督の映画「愛と哀しみのボレロ」のラスト・シーンのようだな~と思いながら、眺めていました。
今年もいろいろと楽しいことをやっていきましょう!!!
今年もどうぞよろしくm(__)m
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主なる神は東のかた、エデンに一つの園を設けて、その造った人をそこに置かれた(創世記2章8節)
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