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Channel: 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ
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【募集開始!!】4月の寺子屋は「モーセ」!! 〜フロイトとユングにも同時に迫ります!!〜

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4月の寺子屋はモーセを取り上げます!

人類最初の英雄と言っても良いモーセ。
律法を神から受け取り、ユダヤの民をエジプトから救出した英雄です。

旧約聖書の重要な5つの書をモーセ五書と言い、トーラーとも呼ばれます。
モーセ五書(そして旧約聖書も)はユダヤ教のみならず、キリスト教においても、イスラム教においても聖典です。

ユダヤ=キリスト教のルーツであり、神の助けを得ながらも、ほぼ独りで偉大なる宗教と民族を創りだしたモーセ!!
そのモーセに深く迫ります!

ちなみに、モーセと言えばミケランジェロのモーセ像がとても有名です。


*石版をかかえ、額には角が見えるミケランジェロのモーセ像です。

僕にはモーセとフロイトが重なって見えます。


*カッコ良いフロイト。石版は重い上に吸えないので葉巻を手にしています。かなりのヘビースモーカーでした。

似ていると言えば似ていますw

フロイトの晩年の遺作というか、最晩年に書き上げた作品が「モーセと一神教」でした。
フロイトはもちろんユダヤ人であり、ナチスに迫害され、最後の最後にはウィーンを離れ、イギリスで死にます。
ウィーンでのナチスからの迫害は厳しく、ゲシュタポに自宅に2度入られ、書籍は禁書とされ、焼き捨てられます(焚書に対して、フロイトは、「なんという進歩か、中世なら本ではなく、私が焼かれていた」と言い放ちます。フロイト先生に好感がわきますw)。ちなみに、このときにナチス側にいたのがかつての弟子であるユングです。

この「モーセと一神教」というのはかなり強烈な本です。
フロイトの最晩年のそして渾身の傑作です。

モーセ自身はユダヤ人の生まれで、とある理由により捨てられて、王家で育てられるという出自を持ちます。
日本の英雄伝説の一つに「桃から生まれた桃太郎」というのがありますが、モーセも水から引き上げられた(モーセ)のでモーセと名付けられました。

彼女はその名をモーセと名づけて言った、「水の中からわたしが引き出したからです」。出エジプト記2:10)


とは言え、ここからフロイト先生の名探偵コナンっぷりが発揮されます。

そもそもエジプト王女がヘブライ語由来の名前をつけるだろうか?という疑問です。

我々が良く知っているとみなす物語が根底から崩れるとき、私達は驚いたり悲しんだりするよりは、むしろワクワクします。新しいことが始まる予感があるからです。

(引用開始)
 モーセという人物に関してわれわれの関心を惹く最初の点は、ヘブライ語でモシェMoscheと発音される彼の名前である。以下のような問いが生じうるであろう。この名前はどこに由来するのか? この名前は何を意味するのか? 周知のように『出エジプト記』第二章の文章はすでにひとつの答えを示している。そこには、ナイル河に棄てられた小さな男の子を救ったエジプトの王女が、語源学的な根拠に基づいて彼にこの名前を与えたと記されている。「私は彼を水から引き上げたのですから」と。しかし、この説明はまったく不十分である。『「水から引き上げた者」という聖書上のこの名前の解釈は民間言語学によるものであって、これは、べブライ語の能動形(「モシェ」はせいぜいのところ「引き上げる者」しか意味しえない」)と一致させることができない』と『ユダヤ辞典』の著者のひとりは判断している。この否定的見解は、そのほかの二つの理由によっても支持される。その第一は、エジプト王女にヘブライ語由来の名付けを委ねることの馬鹿らしさであり、そして第二は、子供が引き上げられた水がナイル河の水であったとは到底考えられない点である。(引用終了)(ジグムント・フロイト「モーセと一神教」p.15)

モーセはレビ族の一員として生まれ、ファラオによって殺害命令が出されたために、隠されて育ち、隠しきれなくてナイル川に遺棄され、それをエジプトの王家が拾い上げて育てるという物語です。川から拾ったという点では桃太郎と同じです。

その後、王家の一員として育ちます。映画でも見たとおりです。仲良く兄弟のように育ちます(いや、映画の中ではですw)


*出エジプト記を一読してから、観ることをお薦めします。

しかし、エジプト王女がなぜわざわざヘブライ語由来の名前をつけるのでしょう。
子供に名前をつけるとしたら、エジプト語でつけないでしょうか?

ちなみに、エジプト語では「モーセmoseはただ単に「子供」の意にすぎない」のです。(フロイト同p.16)ですから、ヘブライ語ではなくエジプト語での命名と考えるほうが自然なのです。
余談ながら、映画エクソダスで兄弟であるラムゼス(Ramses)はRa-moseです。Raは神であり、moseは子供(フロイト同pp.16-17)。神の子ということでしょうか。


しかし一つ謎が解けそうになると次のより大きな謎が生まれます。

非常にささやかな疑問のようですが、そこからスタートして、一気に不思議な世界に入っていきます。

まさに壮大な謎解きの始まりです。

そこで示される結論は驚くべきものです。もちろん確定した結論ではありませんが、一つの大きな謎として提示されます。

紀元前13世紀から14世紀の出来事、いまから3400年前の謎が解き明かされるスリリングさを堪能してください。


謎解きと言えば、最近寺子屋を受講し始めてくれた方から以下のような感想をいただきました。

学問の面白さは、知の探求の面白さであり、それは知的好奇心の賜物だと思っています。

機械的に事実を無味乾燥に暗記していくのが勉強なのではなく、謎が存在し、それを知りたいと思い、頭をひねって推理していくのが学問の面白さです。謎は謎を呼び、伏線は回収されることなく、新たな伏線を生むのですが、尽きせぬ謎は人生の喜びでもあります。

(引用開始)
初の寺子屋、想像以上に楽しかったです。
まといのばの方達はとても優秀ですし、私は自分自身を「勉強は嫌い」と決めつけていたので、ついていけるかとても不安でした。
でも寺子屋の内容は私が思っていた「勉強」とは全く別物でした。
なんというか、ワクワクします。そして最後の結論にいつもため息がでます

ちょっと違うかもしれませんが推理小説を読んでいる様でした。
そうきたのか!という感じです。本当にきれいな話だなぁと思いました。

私の中で物理はニュートンで止まっていましたし、言語学といえば「文法」のことだと思っていました。面白い世界はその先というか、別の所にあったんですね。

天才達の見つけた新しい世界を、かみ砕いて私の所まで下ろしていただき、
とても有り難いです。一人ではかなり不可能に近い知識を教えてもらえました。
でも「へ~すごい!面白い」で終わらせてはいけないとは思ってます。
みなさんが疑問に感じる所に知識がないため引っかかりませんでした。
こういう時に「自分は本当に何も知らないんだなぁ」としみじみ感じます。
疑問をもち続けるようになりたいです。

(引用終了)

同じように知的好奇心にあふれて、学ぶ楽しさを知る人と一緒に学ぶというのはとても良い機会です。独学は辛いものですが(最終的には独学にならざるを得ませんが)、一緒に学ぶと加速できます。
推理小説を読んでいる様」というのはまさに言い得て妙です。そのように寺子屋はデザインしていきたいと思っていますし、人は知的好奇心におもむくまま学び続けるときも犯人を探してくスリリングさを楽しんでいます。

今回はフロイトの語るモーセ像を中心に、旧約聖書の世界、そしてユダヤキリスト教を考えます。
そしてモーセという人を通じて、フロイトの思想を探ります。

「モーセと一神教」という驚くべき書籍はフロイトの晩年の労作です。
同じくユングは晩年に「ヨブへの答え」というこれまた強烈な本を書いています(一番最後の作品はUFOについてだったように思いますがw)。
ヨブ記を題材にユダヤ教とキリスト教を赤裸々に分析した本です。
これは寺子屋「悪魔学」で悪魔学の視点から取り上げましたが、今回はイエス・キリストの立場から取り上げます。イエス・キリストはモーセを否定的に乗り越えます。

そしてもうひとつはフロイトとユングの相思相愛から、別れまでを見ながら、天才同士の激しい接触と別れ、そしてその人間臭さを観たいと思います。

そのためにも是非、この映画はオススメです。
少なくとも予告編だけでも見ておいてください(^^)


*15秒くらいでフロイトがユングにはじめて会うシーン。そのアパートは実際にフロイトが住んでいたところです。またフロイトの部屋はほぼ完璧に復元されています。その他、かなり史実に基づいた復元がされています。ヒステリーなどについても正確だそうです。良い映画であり、良い教材だと思います。キーラ・ナイトレイの好演が光ります。


今回も盛りだくさんの内容ですが、すべてがスッキリと一本の糸でつながるようにデザインしたいと思っています。アリアドネーの糸が父ミーノースの迷宮を解いたように。

英雄モーセ、旧約聖書、フロイト、精神分析学、ユング、ユダヤ教、キリスト教が一気に別の相貌をもって立ち上がって見えてくる今回の寺子屋もお楽しみに!!


モーセフロイトユングから観るユダヤ教、キリスト教、そして精神分析学~
【日時】 金曜日 19:00~21:30(延長することが稀にあります)
【場所】 東京・四ツ谷の「まといのば」セミナールーム
【受講料】 20,000円(銀行振込)
【受講資格】 ブログ読者
【持ち物】 筆記用具と向上心と情熱
【お申し込み】お申し込みはこちらから。

【講座詳細】
4月17日(金) 【モーセフロイトユング
19:00~21:30
20,000円


【課題図書】
モーセと一神教 (ちくま学芸文庫)/筑摩書房

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ヨブへの答え/みすず書房

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危険なメソッド [DVD]/TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)

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キーラ・ナイトレイ演じるザビーナ・シュピールラインに深く惹かれたらこちらも是非!
ザビーナ・シュピールラインの悲劇 ユングとフロイト、スターリンとヒトラーのはざまで/岩波書店

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