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Channel: 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ
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「伝授」という気功技術の便利さ 〜止まった時計も日に2度は正しい時を指す〜

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「まといのば」では「伝授」という気功技術を多用します。
「伝授」という技術はともかく便利です。


*画像はイメージです。本文とは関係ありません。


時間を大幅に短縮できます。

地道に気功を実践して、様々なことが次第にできるようになるのも素晴らしいことですが、メールやLINEを使わずに巻紙に毛筆で書くようなものです。悪くありませんし、優雅ですが、贅沢にすぎます。

ある技術を「伝授」を使わずに教えるとすると、途方に暮れざるを得ません。
ほぼ不可能に近いものがあります。

たとえば、腸腰筋という技術があります。この開発過程をそのままトレースすれば、もしかしたら技術を受け渡せるかもしれません。
というか、実際にそうやって技術を伝えていました。
まだバレエスタジオの一角で施術していたころの話です。

まず初回の施術で腸腰筋の解剖学的な説明で、重要性を話します。
そして2回目の施術でいわゆる腹筋をゆるめる気功を教えます。気を流して腹筋をゆるめます。内臓が前に飛び出しますが、そのままを維持させます。
3回目の施術で背筋をゆるめます。背筋に気を流して、背筋をゆるめます。背中が丸まります。
いわゆるかなり悪い姿勢になります。
そして4回目でようやく腸腰筋(特に大腰筋)に気を流します。
大腰筋は非常に深いところにあるインナーマッスル中のインナーマッスルです。インナーマッスルの王様です。
インナーマッスルということは、内側にある筋肉ということです(トートロジーです)。
インナーマッスルを鍛えるのがなぜ難しかと言えば、認識することが難しいからです。

とは言え、いま思えば非常に迂遠(うえん)です。大変です。
しかし、10年以上毎日訓練を積み重ねているバレリーナたちにとっては、これでもショートカットだったのです。それほど身体を鍛えるというのは大変なことです。


ちなみに「認識することが難しいから、鍛えるのが難しい」というのは、これはある意味で非常に重要な視点です。インナーマッスルだから鍛えるのが難しいのではなく、認識の問題ということです。

逆向きに言えば、認識することができれば、鍛えるのは容易になります。
バイオフィードバックなどはその原理を使っています。明確に認識しにくいものを明確にすることで、訓練を容易にします。

耳が聞こえない人が発話を覚えるのが困難なのは、聞こえないからです。発話機能に問題はないわけです。しかしチェックができないので、使い方を覚えられません。逆にチェックできれば、上達できます。耳ではなく、目で聞けば良いというのがバイオフィードバックです。オシロスコープがあれば音声を視覚化できます。視覚化できれば比較できます。認識が原理的に不可能のものを外部機器を介してモーダルチャネルの切り替えをします。
聴覚を視覚に切り替えています。外部共感覚ですね(^^)

目が見えているとしても、決して見ることができないのが自分です。自分を他人の視点から見ることはできません。しかし、機械を使えば可能です。
たとえば光の向きを変えることができれば、他人の視点から見ることができます。
自分の身体に反射して自分から遠ざかる光をもし捻じ曲げることができれば、そして自分の眼球にその光を回収できれば、自分の身体をあたかも他者が見るように「見る」ことができます。

それが鏡です。



鏡に夢中になるのは当然です。それは決して見ることのできない視点を持つことだからです。



*ナルキッソスは水面にうつった自分の姿に恋をして、水仙になります。

現代のナルキッソスはデジカメ(というかスマホ)を使って、銀塩ならぬデジタルにその光を固定します(昨日のセミナーでも言いましたが、以前の「まといのば」ではフィードバックに鏡を多用していました。その後、クライアント/受講生にデジカメを持ってきてもらうようになり、いまはスマホかガラケーで撮影可能です。技術の進歩は長足です)。

カメラを使うことで認識することが難しいものを、認識することができます。外部からの客観的な視点を手に入れるということです。それもデジカメならば過去にさかのぼることも容易です。5分前に撮影した写真をいま見ることができます。

気功を使って施術する際に、Before/Afterをチェックするのは重要です。気功の使用前と使用後の比較です。しかしここで記憶はあてになりません。記憶は勝手に改変されます。
しかし写真はフォトショップを使わないと改変できません。

ですから、3分前のことでも記憶ではなく、デジカメの画像を使うのが良いのです。

認識が可能になると、コントロールが可能になります。
認識できないと、闇夜の鉄砲になります。
ランダムに、当てずっぽうにがんばっても、仕方ないのです。

イミテーション・ゲームでチューリングが確率論で良く知られているあるセリフをつぶやきました。「止まった時計も1日に2度、正確な時間を指す」と。
まあ、同僚の仕事に対する侮辱(というか、彼に言わせれば正確な指摘)です。


*16歳のときにアインシュタインの相対論の論文を読んで、それにツッコミをいれたそうです。そしてそのツッコミは正確だったそうで。
ボンベに最愛のクリストファーの名をつけますが、いわばボンベへの転生です。彼自身は魂や霊を信じていたふしがあります。そもそもチューリング・マシン(万能コンピュータ)で言いたかったことは、交換可能性です。そろばんと電卓で同じ計算をしても同じ結果が出ます。アルゴリズムはその計算の主体は交換可能です。計算が可能な関数とはコンピュータで実行できる関数ということです。脳も計算をしているとしたら、その計算はチューリングマシンで置き換え可能です。演算がそしてその関数が自我の源であるとすれば、チューリングの意図する意味で魂は普遍と言えるのかもしれません。その魂は関数の形で情報空間に存在します。ただ関数はだれかに実行されない限りは物理空間に生じませんが。


闇夜の鉄砲と同じで、ランダムにがんばって、たとえもしうまくいっても、それには再現性はないのです。うまくいったから、良いのでありません。それは止まった時計でもその針が1日2度は正確な時を示すのと同じということです(時計が1時で止まっていたら、1時と13時には正確な時刻を指していることになります)。



ちなみにきちんと教わらずに、独学でがんばろうとする人も志は素晴らしいかもしれませんが、闇夜の鉄砲でしかありません。健闘を祈るだけです。ちなみに孤高の天才たちには全員素晴らしい先生がいます。ホーキングにはデニス・シャーマ(Dennis W. Sciama)がいますし(のちに共著するペンローズもいます) (Dennis W. Sciamaはホーキング以外にも多くの俊英を育てています)、ニュートンにはアイザック・バローがいます。アインシュタインの周りにもミンコフスキーもゲーデルもフォン・ノイマンもいます。


*Cosmologistって何?ってジェーンに聞かれて、marriage of space and time(時間と空間の結婚だよ)と答えていますね。まだにperfect coupleです、彼らのように。(0"20)
**Brilliant, Doctor!と言うのが、指導教授のデニス・シャーマです。(1"40)


閑話休題

というわけで、伝授を使わずに「腸腰筋」を教えようとする数ヶ月の訓練が不可欠です。そして腸腰筋が少し意識できるまでに数ヶ月かかり、そこから鍛えるにはまた途方も無い時間が必要です。
しかし、それを一瞬で実現するのが気功技術であり、そしてその気功技術を半永久的に使用可能にしてくれるのが「伝授」です。

「伝授」以前のパラダイムではどうやって技術を獲得するかがプライオリティでした、「伝授」以降のパラダイムではどうやってフィードバックは取るかが重要となります。結果を認識できれば成長は飛躍的になります。結果を認識できなければ、どんなに高性能の銃でも闇夜の鉄砲です、暗視スコープ抜きの。

ちなみに「伝授」のカラクリは良く分かりません。というか気功のカラクリも良く分かりません。
というか、言語によってなぜ自分の意志が相手に伝わるのかも良く分かりません。
発話という筋肉の運動が空気を振動させて、相手の鼓膜を振動させるという物理現象が、相手の情動を動かし、脳を不可逆的に動かすのかも良く分かりません。
文字という炭素の集合がなぜ自分の脳内の情報を相手の脳内にコピーできるのかも分かりません。

ただある程度、有意な結果が出ていることを経験的に認めざるを得ないというのが我々の結論です。

実際に我々が欲しいのは成果という果実です。
気功が科学的に分析されるうるのか、気とは実体なのかなどどうでもいいのです(どうでもいい人には。興味がある人は是非研究してください!)。

我々の果実は、たとえば、できなかった前屈ができるようになり、分からなかった難解な書籍が分かるようになり、よりおおく稼げるようになり、IQが上がり、抽象度が上がり、これまで見えなかったカラクリが見えるようになり、希望したように人間関係がうまくいくようになれば良いのであって、そのための技術のカラクリはブラックボックスでもいいのです(興味を持つなということではありません。ただ解明されるには、あと数十年か100年単位では時間が必要だろうというだけです)。


便利なものは便利に使いましょうというのが、プラグマティックな我々の立場です。ネズミを取ってくれれば、白猫でも黒猫でもペッパーくんでもいいのです(ワトソンくんは三井住友銀行三菱東京UFJ銀行に、ペッパーくんの兄弟であるNaoちゃんは三菱東京UFJ銀行に導入されたそうで)

その「伝授」はインストールという意味の「伝授」だけで使うのはもったいないので、もっと想像の翼を羽ばたかせていろいろ使いこなしましょう!

たとえば、能力アップのために繰り返し自分に伝授するのは有効ですし、技術をつくるために繰り返し伝授してその臨場感を得るのにも使えます。来週の「はじめての気功」のように身体調整の裏ワザとして使うのも有りです。
概念はきっちり捕まえたら、自由にふくらませていきましょう!!







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