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Channel: 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ
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リラックスをしようとするのではなく、基準値を変えようと試みる 〜気功整体の心得〜

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リラックスしましょうという掛け声は重要です。
緊張状態で良いパフォーマンスは出せません。なぜ良いパフォーマンスが出せないかと言えば、抽象度の階段で言えば物理に近い側に重要性があるからです。
緊張しているというのは猛烈に自分の身体に意識があるということです。

良い意味での緊張なりテンションというときは、同じようにアドレナリンが出ていても、意識は情報空間にあります。この先の未来(可能世界)に臨場感があります。それが違いです。

リラックスはきわめて重要です。

しかし、ゴールなきリラックスは不毛です。

それは単なる怠惰であったり、だらけているだけです。

というか、リラックスなどと考えないで、基準値を変えると考えるとより良いのではないかと思います。

たとえば気功整体などで身体をゆるめるときに、最も重視しているのは脳の書き換えです。脳の何を書き換えているかと言えば、基準値を変えています。

気功整体の機能を単に筋肉をゆるめたり、骨格のアライメントを整えることと考えると、かなり絶望感に囚われます。

なぜでしょう。

考えてみると分かりますし、実際に経験してみれば痛感しますが、ゆるめたそばから筋肉は固まります。整えたそばからアライメントは崩れていきます。

そんなときはパウロ・コエーリョのこんな言葉をつぶやきましょう。

船は港にいる時、最も安全であるが、それは船が作られた目的ではない。(パウロ・コエーリョ「アルケミスト」)

身体を良い状態にしておくことがゴールではなく、社会に機能を果たし、宇宙に衝撃を与えることが我々の存在価値です。


ですので、理想的な脱力や理想的なアライメントに整えることを整体師の仕事と考えると、ざるで水をすくうような絶望感に襲われます。
(ただまあ成長過程としてそういう時期は必要かと思いますが)

なぜ絶望するのかと言えば、それは整体師としてのゴール設定を失敗しているからです。東京から青森行の電車に乗ったら、京都へは辿り着けません。ナビに間違った目的地を入れたら、行きたいところへは到着できないのです。

身体をゆるめること、アライメントを整えることは二義的なものです。整体師の機能は基準値を変えることです。

クライアントさんの脳はありとあらゆることに関して基準値を持っています。
たとえばこれくらいゆるめばOKという基準値があります。これくらい疲れたら疲労とみなし、これくらい疲れたら過労とみなすというラインがあります。これは痛みにせよ、快楽にせよ、基準値があります。偏差値みたいなものです。

整体師は偏差値70を目指すのではありません。その偏差値自体を変えます。
基準値を変えるのです。

たとえば筋肉はこれくらいゆるんでいればOKという基準値があったとします。
この筋肉の硬さは固め、この筋肉の硬さは普通、この筋肉の状態だと柔らかいというような基準値が誰にせよあります。

その「固め、普通、柔らかい」という基準をおもいっきり脱力の側に動かします。これまでの偏差値70が偏差値50であると感じるように脳を書き換えるのです。

それが気功整体師の仕事です。基準値の移動です。

前屈もこれくらいが普通という柔らかさがあったとします。その「普通」を一気に動かします。



実際は、偏差値70であった柔らかさが基準値(偏差値50)になるというような横の移動だけではなく、抽象度方向にも移動します。ですからイメージとしては斜め上に次元移動する感じです。

脳の中の基準値が変わるとどうなるでしょう。

脳が勝手にその基準に戻そうとがんばってくれるのです。勝手に筋肉をやわらかくし、勝手に身体を細くし、勝手に身体を柔軟にしてくれます。整体師いらずですw

これはご承知のとおり別名でホメオスタシスと言います。恒常性の維持機能です。ただその恒常性というのは単なるデータでしかありません。データは書き換え可能です。ただのパラメータなので、書き換えられるのです。それを書き換えるのが気功整体師の仕事です。

彼らは身体をゆるめたり、骨格のアライメントを整える振りをして、実際は脳の様々な基準値を一つ一つ切り替えているのです。パラメータの数字を切り替えているのです。この点が分かるようになると、ゆるめるそばから固まっていくという無間地獄から逃れられます。

当然ながら、非言語にこだわる必要はありません。言語誘導か非言語書き換えかにこだわるのはあまり意味がありません(何色でもネズミを取ってくれるのが良い猫です。言語でも非言語でも、アニメでも映画でも、神話でも、オカルトでも書き換えてくれるなら何でも使いましょう。不管黑猫白猫,捉到老鼠就是好猫

様々な方法を使って、基準値を変えましょう。必要なら解剖学の教科書もホワイトボードも方程式も使います。


端的に言えば、基準値を変えるすなわちホメオスタシスを変えれば、勝手にその基準値に身体が変化してくれます。ですから、我々はせっせとゆるめようとせずに、どう基準値を変えるかにだけフォーカスすればいいのです。

砂鉄を指で移動させて配置するのは大変ですが、磁石をおけば美しく勝手に並んでくれます。
磁石の位置を変えれば、勝手に砂鉄は整列しなおします。基準値は磁石です。砂鉄という筋肉や骨は磁石(脳の基準値)で勝手に揃えさせましょう。



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