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Channel: 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ
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Creatureと呼ぶ教授とBoys and Girlsと呼ぶバランシン、リベラル・アーツの交差

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*三大バレエの開演年が100年ずれていました!
北海道のまささん、素早いご指摘ありがとうございます!!!
ちなみに白鳥の湖は1877年初演ですが、プティパ、イワノフを持ってスタートしたいので95年ということで(^^)


George Balanchine(ジョージ・バランシン)はNYCBをつくった人として有名であり、アメリカにバレエを根付かせた人物です。

アメリカでバレエを習っていた女性から聞いた話ですが、それまでヨーロッパのバレエの伝統はダンサーに向かって、“Ladies and Gentleman"と呼ぶのが慣わしでしたが、バランシン以降“Boys and Girls”になった、と。

まあ、ドガが描いた時代のバレリーナの社会的地位を考えれば、“Ladies and Gentleman"というのが虚しく響きますが、それでも呼称はそうだったのです。




そもそも宮廷舞踊ですし、王様や貴族の踊りでした。太陽王ルイ14世の印象が大きいですが、彼ののちに宮廷舞踊から劇場へ移行しました。このときの宮廷舞踊を復活させたのが、バロックダンスです。このバロックダンスという進化の途中過程のような踊りを経て、バレエはバレエとなります(ちなみに、バロックダンスというシーラカンスのような存在はいまだ現役です。フランスでバロックダンスを習っている友人に言わせると、中途半端なドゥミ・ポワントが続くので足がパンパンになるそうです)。

クラシック・バレエというのが、ある一時期のバレエスタイルであることはよく知られています。古典という言葉が持つ古代ギリシャのような響きはもちろん幻想で、実際は古典物理学と同じように、近代なのに前時代なので「古典」と呼ばれます。ドガのころがロマンティック・バレエの時代であり、そのあとにクラシック・バレエの時代が続きます。クラシック・バレエは19世紀後半の短い期間のバレエであり、実際に三大バレエもこの時期に相次いで作られます(眠りが1890年、くるみが1892年、プティパたちの白鳥が1895年です)。とは言え、大喝采で迎えられたわけではないのはご承知のとおり。

そして、すぐにバレエ・リュス(1909年-1929年)の時代がやってきます。クラシック・バレエの時代は終わり、ディアギレフの時代がやってきます。現代のバレエはディアギレフがつくり、その後継者が支えていると言っても過言ではないでしょう(先日、バレエ・リュスのコスチューム展に行きました。デザインはいま考えても斬新です。ただ正直、写真で見る以上の感動はなく、コスチュームはダンサーが来てこそのコスチュームだと思いました。ただ保存状態の良さには感動しました。オーストラリア国立博物館の意地とプライドを感じました。歴史を残すというのは膨大なエネルギーが必要です)。

そして、歴史とは別に、我々がイメージしているクラシック・バレエをつくったのはワガノワと言えると思います。ですから、クラシック・バレエはすたれて、そして再発見される中で洗練されたことで、蘇ったと言えます(まさにバレエのルネサンスです)。

バレエと言えば、ベジャールがバレエは60年代(か、80年代)から進化していないと言っていたのが印象的です。スタイルも良くなり、テクニックも強くなっているのですが、それは最適化であり、進化ではありません。進化とはイノベーションであり、パラダイム・シフトです。


と話が脱線しまくりです。


というか、バレエの歴史についてセミナーで語ったのは、数年前の「身体デザインコーチ養成スクール」のバレエ編以来のような気がしますw
バレリーナ専門を標榜する以上はもう少しバレエネタを増やさねばと思います。



で、本題は、Boys and GirlsとCreatureだったのですが…...。

まあ、言いたいことは、Boys and GirlsもCreatureもどちらも人間未満ということです。がんばって教育を受けて、人間(Ladies and Gentleman)になりましょう、ということかと思います(いや、ずっとLadiesが二級市民扱いだったという女性差別の歴史はきちんと考慮する必要がありますが)。


再び話はそれますが、寺子屋では将来的には、限界革命以降の経済学と同時に音楽史をやりたいと思っています。

限界革命以降の経済学というのは、経済学が数学によって汚染された形式化された以降の経済学です。

限界革命以降の経済学というといつも思い出すのは、ナッシュ均衡のナッシュとフォンノイマンの会話です。数学の天才であり、ノーベル経済学賞の受賞者であるナッシュが、フォンノイマンにナッシュ均衡のアイデアを話したとき、フォンノイマンは一蹴していわく「それは注目に値するほどのことかね、要は不動点定理を適用しているだけじゃないか。」と。

経済学というと古い物理学を当てはめているだけという批判があります。近代経済学も古い物理学も知らない我々には縁遠い世界ですが、その世界をぜひ見てみたいというのが、寺子屋経済学第二弾のテーマです。

そしてもう一つが音楽史です。

リベラル・アーツというのは自由7科と訳され、そこには音楽も含まれます。僕もリベラル・アーツ・カレッジを標榜していた大学に通っていたので、音楽が必修だった記憶があります。

音楽は避けて通れない道なので、寺子屋でもぜひ扱いたいと思っています。

というか、音楽、絵画、建築、哲学、思想、文化というのは絶妙に絡み合っています。
(その大きな結節点の1つがバレエ・リュスであり、ディアギレフであったことは言うまでもありません)
ヴァイオリニストの葉加瀬太郎さんが「まず建築が場を作り、絵がそこに掛けられ、最後に音楽がその場の空気を染める」とおっしゃっていたのが印象的です。それぞれのジャンルが独立してありつつも、その結節点は同時代人です。

ジョブズはテクノロジーとリベラル・アーツの交差点という表現を好んでしましたが、目を開けばその交差点はAppleだけではなく、どこにでもあるのです。

それが次々と見えると、世界の様相はまた一変します。2015年も知の世界をかろやかに爆走しましょう!



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