セミプロのダンサーたちにアドバイスを求められる機会があったので、そのときのことをいくつか書いていきます。
まずアラベスクパンシェです。
もちろんアラベスクができること、アラベスクパンシェがある程度できることが前提のアドバイスです。
身体動作におけるトランスというのは、身体を点(dots)とみなすということですが、アラベスクパンシェのときも、いろいろと考えずにシンプルにつま先という点を考えます。
ここでの「つま先」とは言葉通り「爪の先」と考えます。爪の先の空間に点を見ます。身体の外側にある点です。
従来の使い方で、つま先を足の趾骨(しこつ)と考えるよりも、爪の先の空間のほうがより良いのです。
その『つま先』という点が、デリエールタンジュから大きな弧を描きます。そのときに腰が中心となって操作するとか、足で上げるなどという意識を一切消して、つま先で大きな弧を描きます。
すなわち、つま先という点が意志を持っていて、大きな円を描くようなイメージです。それに足首も腰もついていくようなイメージを持ちます。
もちろんこのようなアドバイスは何度と無く受けているかもしれません。ただポイントは「トランス」なのです。小さな小さなコペルニクス的転回があります。
腰や足でつま先を操作するのではなく、つま先に引きずられるようにして身体が操作されるイメージです。
点が勝手に身体を操作するようなイメージです。身体で点を操作するのではなく、点が身体を操るのです。
点が勝手に動き、それに身体が引きずられます。
身体主体ではなく、点を主体に身体を再構築してみると、一段と素晴らしい踊りが実現します!
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アラベスクパンシェはつま先という点で大きな大きな円を描く
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