*寺子屋「カントの純粋理性批判」追加開催決定!翌週7月3日(木)に追加開催致します!
6月27日(金)の本講座も若干席の余裕はあります(^^)
今回の内容はかなり盛りだくさんですが、ライトな仕上がりになっていますので、楽しく多くのジャンルが頭にインストールされつつ、つながりがクリアに見えると思います。まとめ講座としても、新しいことにトライするイントロダクション講座としても楽しめます!
6月の寺子屋第2講座はカントの純粋理性批判です!!
寺子屋も1年が経ち、かなり骨太に育ってきています。よちよち歩きで足元がおぼつかなかった時期が嘘のように、最近はたくましくなっています。
というわけで、今回はカントの純粋理性批判です。
かなり楽しい講義になると思います。
カントの純粋理性批判と言えば、もちろん西洋哲学の到達点であり、我々が忌み嫌う「アプリオリ」を哲学的に定義した古典でもあります(忌み嫌うというか、存在しないと主張するだけですが)。
我々は「アプリオリはない」という立場ですが、ではそのカントの原典に目を通したことはあるでしょうか?そもそもアプリオリとは何でしょうか?
そして、ではなぜカントが示したアプリオリはその後に否定されたのでしょう。その根拠は、その証明は?
というカントの理解からはじめて、いま流行りの「神々の沈黙」までを一気に「まといのば」らしく俯瞰します。途中に西洋哲学史と近代の物理学史を挟みつつ、脳機能と脳機能局在論を眺めつつ、二分心まで見ます。
どんな道のりかをざっくりとたどってみると...。
まずは、おなじみのソクラテス・プラトン・アリストテレスで言えば、プラトンのイデア論があります。イデアの世界というのは強いて言えばアプリオリの世界です。カントはそのイデアを物自体(Ding an sich、thing-in-itself)と言いました。物自体は経験に先立つものであり、経験に先立つとはアプリオリということです。経験から独立した、すなわちアプリオリな概念をカントは時間と空間と呼びました。
逆向きに言うと、カントはニュートンの絶対時間、絶対空間というニュートン力学の枠組み(それは公理ではなく、前提とされた)を哲学の立場で追認したと言えます。
では、絶対空間とは何かと言えば、これはユークリッド幾何学そのものです。硬い幾何学である(位相幾何学や非ユークリッド幾何学に比べるとカチカチに硬いという意味で)ユークリッド幾何学が示す空間がニュートンの絶対空間です。
ですので、プラトンのイデアからはじまり、ユークリッド~ニュートン~カントと脈々と同じアイデアが形を変えて受け継がれているということです。
ご承知のとおり、華やかなニュートン、華やかなカントの影にあって、ひたすらにユークリッド原論の鬼っ子である第5公準(平行線公理)は、いじられ続け、ガウスやリーマン、ボヤイ親子によって、第5公準の腹違いの兄弟たちが次々と見つかり、ユークリッド幾何学は絶対無比な唯一の幾何学から、数多(あまた)ある幾何学の1つに成り下がりました。これまで唯一絶対で神聖不可侵だったユークリッド幾何学が曲率0のリーマン幾何学という扱いになったということです。
そして追い打ちを掛けるように、ユークリッド幾何学が空間の幾何学であったはずなのに(ニュートン力学によれば)、それは間違いであったことがアインシュタインによって示されます(一般相対性理論)。踏んだり蹴ったりです。
ここでジル・ボルト・テイラーさんを思い出します。
ざっくりと言えば、脳卒中になり、左脳の機能停止をリアルタイムに味わう中で、時間と空間の感覚が消えます。そして右脳だけのニルヴァーナ体験をします。
これは逆向きに言えば、左脳はカントの言うように時間と空間の思考形式をアプリオリに(生得的に)持っているということです。アプリオリというのが、神ということではなく、DNAということであるならば、もしかしたら「時間と空間」という思考形式は左脳の機能かもしれません(それが物理的現実と沿わないとしても問題ありません。なぜなら思考形式だからです。実際にニュートン力学的なユークリッド原論に基づく「時間と空間」像には沿わないですし)。
という前提を押さえた上で、Bicameral Mind(二分心)に移動します。
端的に言えば、左側言語野の発達と言語の発生によって失われた、右側言語野という神々の声という機能です。
著書「神々の沈黙」を熟読しても面白いのですが、我々は教科書にしている「ユーザーイリュージョン」を熟読してもいいでしょう。
右側言語野とは、端的に言えば、「自分は自分より大いなるものにいつも見られている」という感覚です。そして、その大いなるものを仮に「神々」と名づけるとしたら、その声が聞こえていたのが、3000年前の言語がなかった時代ということです(ユーザーイリュージョンではより突っ込んで書いてあります)。より聞ける人がリーダーとなり、民衆を率いていたということです。
左側言語野の言語のほうが大きいために、右側言語野はかき消されていますが、いまでも確実に聞こえているはずです(はっきり聞こえれば、それは統合失調症となります)。
そのカラクリを利用したのが、宗教であり、チャネリングです。
宗教ではなく、政治に利用すれば、ベンサムが提唱しフーコーが「監獄の誕生」で描いたパノプティコンです。パノプティコンという監視社会(現実世界が監獄の中であるという意味で)の実現はテクノロジーの進歩によって、現実になりました。その一例がスノーデンです(フーコーの「監獄の誕生」という古典は名著ですし、歴史認識も哲学的な認識もかなり一変すると思いますので、寺子屋で少しだけでも触れたいと思います。ベンサムについても同様です)。
我々がこのBicamerarl Mindに気づくのは、たとえばどうしても思い出せない名前を思い浮かべるときです。我々はその名称を思い出せないはずなのに、思い出した瞬間にその名称が正しいことが分かります。これは奇妙です。分からないから検索しているのに、何と照合してその名称の正しさを感得したのでしょう。
言語が分裂や分断を引き起こすとは、20世紀最大の振り付け家であるベジャールさんの言葉であったと思いますが、そのカラクリがこの寺子屋「カントの純粋理性批判 ~神々の沈黙を聴く~」で見えてくると思います。ニルヴァーナ、アプリオリ、イデア、パノプティコン、直観、右脳・左脳、脳機能局在論などのぼんやりとした概念がくっきりとなってくるのではないかと思います。
ご期待ください!
いつになく壮大なテーマですが、予習は大前提で楽しく学びましょう!
【講座案内】
~寺子屋シリーズ6月は栄養学・解剖学(内臓編)、そしてカントの純粋理性批判 ~
~寺子屋シリーズ7月は数学の二大巨頭に挑む!フェルマーの最終定理とポアンカレ予想!!
【日時】 隔週金曜日 19:00~21:30(延長することが稀にあります)
【場所】 東京・四ツ谷の「まといのば」の新セミナールーム
【受講料】 20,000円
(1講座あたり、基本的には銀行振込でお願いします)
【受講資格】 ブログ読者
【持ち物】 筆記用具と向上心と情熱
【お申し込み】お申し込みはこちらから。
【講座詳細】
ー6月ー
バックナンバー販売しております(まだ編集中ですが近日中に編集終了予定)6月6日(金) 【はじめての栄養学・解剖学(内臓編) ~ますますエレガントな身体を目指す~】
19:00~21:30
20,000円
6月27日(金) 【カントの純粋理性批判 ~神々の沈黙の声を聞く~】
19:00~21:30
20,000円
(追加開催!)7月3日(木) 【カントの純粋理性批判 ~神々の沈黙の声を聞く~】
19:00~21:30
20,000円
ー7月ー
7月11日(金) 【はじめてのフェルマー予想 ~フェルマーから数学を覗く~】
19:00~21:30
20,000円
7月18日(金) 【はじめてのポアンカレ予想 ~数学と物理学がキスをする~】
19:00~21:30
20,000円
*寺子屋で1歩、先行く知性を。
【参考書籍】
ユーザーイリュージョン―意識という幻想/紀伊國屋書店
¥4,536
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純粋理性批判 上 (岩波文庫 青 625-3)/岩波書店
¥1,015
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純粋理性批判 中 (岩波文庫 青 625-4)/岩波書店
¥972
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純粋理性批判 下 (岩波文庫 青 625-5)/岩波書店
¥1,166
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純粋理性批判 (まんがで読破)/イースト・プレス
¥596
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神々の沈黙―意識の誕生と文明の興亡/紀伊國屋書店
¥3,456
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認知科学への招待/サイゾー
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脳の呪縛を解く方法 (自己啓発)/KADOKAWA/中経出版
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【今週開催!】寺子屋6月の第2講座はカントの純粋理性批判!
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