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Channel: 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ
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四肢中心主義から見ると胴体も背骨も無い 〜バーレッスンとは細かな部分の調整だが〜

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セキツイ中心主義から見ると、四肢というのは大国にぶら下がっている属国のような関係でしかありません。

しかし、四肢中心主義から見るとその風景は一変します。

我々はこのセキツイ中心主義と四肢中心主義の両方の対立する立場をきちんと2つとも走らせる必要があります。セキツイ中心主義だけでは動けませんし、四肢中心主義だけでは立てません。

四肢中心主義とはシンプルな話です。

足の付け根はどこからだろうか?

足はどこから始まるのだろうか?

というのが出発点です。

たしかに股関節が起点とも言えますが、それはセキツイ中心主義的な見方です。
実際の動作を考えると、股関節だけとはとうてい言えません。




股関節が起点ではなく、骨盤も足の運動には参加しています。仙骨からぶら下がっている仙腸関節が起点なのでしょうか?

しかし大腰筋を考えると、大腿骨というのは腰椎の1番か4番と接続されています。最も上は胸椎にまで切り込みます。胸椎の最後の1つである胸椎の12番もが起始です。

では足の起点は大腰筋の起始である胸椎の12番なのでしょうか?

大腿骨に連なる大腰筋が胸椎から腰椎までとべったりくっついていることを考えれば、そして腰椎も胸椎もセキツイの一部であり、頚椎や胸椎の影響を腰椎も受けることを考えると、セキツイ全体が足と考えるのが合理的です。頚椎から尾骨まですべて足であり、もちろん大腿骨から趾骨まで足です。


同様に四肢のかたわれである手を考えます。

手はどこから生えているのでしょう。

手の動きはどこを支店とすべきでしょうか?

手はどこが起点なのでしょうか?

これも一見すると肩関節です。肩甲骨の端から腕は始まっています。

しかし、肩甲骨も腕の一部として用いますし、鎖骨も同様です。
肩甲骨は肋骨の上に乗っているだけですが、肋骨の動きに肩甲骨も影響されますし、肋骨と前腕骨は筋肉を介してダイレクトにつながっています。

ですから、腕の起点は少なくとも肩甲骨であり、少なくとも鎖骨です。もちろん肋骨は腕とみなせるでしょう。




肋骨がスタートするのはセキツイです。背骨の動きはダイレクトに肋骨に影響し、その影響は腕に伝わります。すなわち、腕は胸椎からと見なしてもいいでしょう。
いや、胸椎はセキツイの一部でしかないので、腕はセキツイそのものです。

動きという視点から考えると、腕はセキツイも含むということです。

足と同じ構造があります。


これが四肢中心主義です。

四肢中心主義から考えると、腕はセキツイを包摂し、足もセキツイを包摂します。
ですので、セキツイや背骨が独立して存在せず、またセキツイから演繹される胴体という考え方も排除されます。

おまけではないですが、四肢中心主義には頭も含まれます。頭蓋骨を支えるのは首ですが、首といと解剖学的には頚椎を指します。直感的には7つある頚椎の数個が首として認識されていますが、実際は耳のあたりから頚椎です。下顎がぶら下がっているので、首が見えにくいだけです。しかし動作を考えてみると、頚椎はセキツイの一部であり、セキツイ全体が首と考えても違和感がありません。首を伸ばすようにと言われたら、尾骨から伸ばすということです。


このセキツイ中心主義と四肢中心主義の相克が重要であり、セキツイ中心主義はアライメントやバランスということに関係し、四肢中心主義はしなやかな動きや高度な動きに関係します。

四肢中心主義の視点から見ると、胴体とか背骨は存在せず、ただ足があり、ただ手があり、ただ頭と首があるだけです。たまたま手足首の共有地がセキツイという場所であるだけです。
我々はつい、胴体から手足と首が生えているように考えてしまいますが、そうではないということです。胴体から手足首としてしまうと、本来の動きが制限されます。それが我々の現実です。

そこから抜け出すためにも、生きた解剖学を身体に落とし込みましょう。

そしてそれをより高度に実践するのが、バーレッスンかと思います。

セキツイ中心主義で、きちんとアライメントをただし、しっかりと真っ直ぐに立つのが基本ですが、それだけでは1mmも動けません。

そこから四肢中心主義を少しずつ混ぜていきます。

ただ最初からいきなりだと立つことができなくなるので、補助輪としてバーを用います。
最初は四足で、そのうち片手バーで、バーを押しながら、身体を立ち上げるサポートをしつつ、身体を動かします。そのときセキツイを中心とする全身のアライメントを上手に崩しながら、四肢中心主義に切り替えます。
セキツイ中心主義と四肢中心主義が上手に混ざり合うのが高度な身体であり、バレエはその1つです。

そのときに細かな部分が意識に上がります。それは拘縮であったり、ケガであったり、使い方の癖であったり、知識の間違いであったりします。それを修正するのが、バーレッスンの役割です。

確かにダンサーは隅々まで意識が行き渡っていますが、意識の総量というのは我々もバレリーナも変わりません。彼らが全身に意識を行き渡らせるカラクリはシンプルです。

ここでも脳と身体をつなぐというYogaと同様のテーマがあります。

脳の命令をきちんと従う肉体に仕上げていき、つま先を意識しなくてもつま先が伸び、背筋を伸ばそうとしなくても伸びる脳と身体のコーディネーションに仕上げていきます。

バーレッスン細かな部分の確認というのはそういうことです。

決して十分な柔らかさがあれば、踊れるわけではありません。まずは二大巨塔としてのセキツイ中心主義と四肢中心主義があり(アライメントとMotionと言い換えても良いのですが)、その上で各部の細かな調整があります。




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