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Channel: 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ
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セキツイという鎖もまたぶら下がっていると考えると動きが変わる

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我々は二足歩行をする動物ですが、四つ足で歩く哺乳類のようにセキツイが90度倒れていると考え、そこに四肢がぶら下がっているとイメージするのが解剖学を考える上でも、踊ったり、レベルの高い身体操作をする上でも有効と考えます。

物干し竿のようなセキツイに手足がぶら下がっており、ついでに頭蓋骨もぶら下がっているということです。

ただ、よくよく見ると、肋骨があり、骨盤があります。

もう少しよくみると肩甲骨と鎖骨があり、仙骨に接続する寛骨があります。股関節は骨盤の端についています。

繊細に見て行くと、足は次々と細かく枝分かれします。大腿骨や上腕骨で1本だったのが、膝や肘からは2本になり、足首・手首からはたくさん(^^)です。上はシンプルに一本で、下はたくさん。

そんな風に骨を見つめると、解剖学も親しみやすくなります。

しかし、親しみやすさだけではなく、この身体観というのは、大きな効果があります。

すなわち、身体のレベルが上がるのです。


まずはセキツイを横に長く考えます。その洗濯物干しにぶら下がっているのが、手や足といった四肢、ついでに頭もぶら下げます。これが「バレリーナのための解剖学」であり、セキツイの概念でした。そして、この感覚のまま直立二足歩行にしましょう。

すると、腕は身体に沿ってぶら下がり、足も股関節からぶら下がります。骨盤も仙腸関節からぶら下がっている感覚になります。頭蓋骨もフリーになります。肩甲骨も肋骨の上に乗せられてずり落ちそうな感じであり、肋骨もただセキツイからぶら下がっているだけです。それが脱力の感覚です。

忘れてはいけないのは、セキツイ自身です。セキツイも鎖のようなものであり、頚椎の1番からジャラジャラと24個(2ダース)の骨が連なっているだけです。セキツイは長骨ではありませんw。セキツイをきちんとぶら下げれば、いわゆる背筋は伸びます。すべては地球に引っ張られ、ぶら下がっていると考えます(もちろん頭蓋骨だけは、吊り下がっていると考えるほうが最初は良いと思います)。



この概念の良いところは、脱力といわゆる「姿勢を正しく」とか「背筋を伸ばして」という考え方が一致する点です。脱力というとぐにゃりと身体を曲げてしまいがちですが、吊り下げると考えると、脱力もしつつ背筋も伸びます。

そして我々が混乱しやすい骨盤の角度(前傾なのか後傾なのか、何がフラットなのか)、肋骨の角度(胸を反り過ぎず、円背にならずのポイント)などがはっきりとわかってきます(多分)。
シンプルに言えば、肋骨や骨盤で考えるから混乱するわけで、セキツイを直列させると考えればシンプルになります。もちろん、実際にセキツイがストレートになるわけではないですが、脱力して直列に近づけていくということです。

同様に腕はぶら下がるために、肩が下がり、結果的に手が長く見えます。肩関節の意識が無くなり、きちんと肋骨や肩甲骨が腕として機能するようになります。
足も同様です。
股関節が綺麗に脱力し、骨盤も仙骨からぶら下がっているので、ぶらぶらとリラックスします。
骨盤というと、腰のイメージがあり、腰とは身体の要のイメージです。それゆえにズンとしてしまうのですが、実際は骨盤は膝のようなもので、途中点としてぶらぶらとぶら下がっていれば良いのです。バレエダンサーたちは腰や骨盤を起点としません。たとえば胸椎の12番なりを起点にしたり、腰椎を起点にしたりします。そのことで長い足に見える使い方となります(どこをどう起点にするかは、このあとの「四肢中心主義」の中で詳述します)。

首にしても、頚椎だけを動かしたり、もしくは頚椎の1番2番だけを動かしたり(それはそれで表現にはなり得ますが)だけではなく、セキツイにぶら下がっているので、セキツイ全体を首と認識して動けば、エポールマンの表現の幅も広がります。

セキツイという考え方、セキツイを中心にして骨格と解剖学を考えるという見方は知識の習得の面からも、動きを高度化させる点でも非常に重要と考えます。

次回はいよいよセキツイ中心主義のコペルニクス的転回にあたる「四肢(と頭)中心主義」の紹介です(なかなかバーレッスンの話に戻ってこれませんが、あとすこしです)。



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