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Channel: 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ
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イエスはパンを取り、賛美の祈りを唱えて、それを裂き、弟子たちに与えて言われた(マタイ)〜月を見よ

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前回の記事の最後に、

 

このバクテリアという視点で世界を見直すと(ミトコンドリアや葉緑体のような細胞内小器官もそう見做して)、視点が大きく変わります。

また、バクテリアだけを観ていると、重要なプレイヤーを見落とします(ウィルスですね)。ウィルスもまた進化を強烈に媒介します(ウィルスを良く観ればそれはRNAやDNAでしかありません)。

じゃあ、ドーキンスの言うように遺伝子を中心に考えたら良いのかと言えば、それもまた間違いです。遺伝子とはドーキンスの考えと真逆で、遺伝子自体が表現型の1つでしかありえないからです。

 

と書きましたが、意味が分かりにくいという指摘があったので(あったのか?)、追記です。

 

そもそもリチャード・ドーキンスに対してはこれまでブログでは肯定的に引用してきました。

c.f.それでも一神教の神を信じたいときに 2010年10月13日(いま検索した限りではドーキンスについて言及した一番古い記事はこちら↑)

 

ただそれでも古いパラダイムであることには間違いありません。

 

ドーキンスは細胞や生命の個体そのものが遺伝子の表現型であると考えました。

 

宇宙の中心には不滅の遺伝子があり、その表現型として個体があり、協調関係があり、種を超えた協力関係があり、それは全て遺伝子を次世代に残すためだ、と。

 

僕はドーキンスの言葉を引くよりも、あの小説家の言葉を引く方が好きです。

 

人間というものは結局のところ、遺伝子にとってただの乗り物(キャリア)であり、通り道にすぎないのです。彼らは馬を乗り潰していくように、世代から世代へと私たちを乗り継いでいきます。そして遺伝子は何が善で何が悪かなんてことは考えません。私たちが幸福になろうが不幸になろうが、彼らのしったことではありません。私たちはただの手段にすぎないわけですから。彼らが考慮するのは、何が自分たちにとっていちばん効率的かということだけです。(村上春樹『iQ84 Book1』)

c.f.私たちが幸福になろうが不幸になろうが、彼らのしったことではありません。私たちはただの手段に 2018年08月02日

 

同じような感じでドーキンスはボートと漕ぎ手の話をします。

(ブログの文章から以下を引用します)

 

    
リチャード・ドーキンスは『利己的な遺伝子』の中で、ボートレースにおける、ボートが個体、ボートを漕ぐ8名の選手がそれぞれ遺伝子というメタファーで説明しています。何度もレースが行われ、いつも勝ち残る遺伝子をコーチは探します。そしてそのコーチこそが自然淘汰です。

ともあれ、定義によれば、運、 不運はランダムに起こるのだ。だから、一貫して負けの側にある遺伝子は不運なのではない。だめな 遺伝子なのだ。(リチャード・ドーキンス『利己的な遺伝子』)

 

哲学で良く言う視野狭窄の例に、「ハンマーを持つ手には全てが釘に見える」というのがあります。

ルー・タイスはスコトーマと言うでしょう。

 

遺伝子しか観ていないから間違ってしまうのです。いや、遺伝子を見ても良いのですが(その遺伝子だけではなく、共生生物も餌も観るべきで)、遺伝子のキメラとして個体を観るべきなのです(ミトコンドリアという古いバクテリアを細胞内小器官として持つ真核生物全体が全てそもそもキメラです)。

 

この話は、論理学を「まといのば」で教えていたころに(不完全性定理かな?)紹介したあるパラドックスを思い出させます。

一つ一つを観ると普通の文章なのですが、2つが組み合わさると、不思議なパラドックス(自己言及のパラドックス)になるのです(と、それを引用しようと思ったのですが、探すが面倒なのでまたの機会に)

 

何が言いたいかと言えば、遺伝子が発現するのは組み合わせによると言うことです。「餌の遺伝子も観るべき」と上に書いたのは、柿前線や消化を助けるクミンや肝臓に効くウコン(ターメリック)のことを考えるべきということです。柿だけがただ熟れて地に落ちるだけならば(一粒の麦もし死なずばではないので)、微生物の餌になるだけです。でも、人間が適切な(旬の)タイミングで食べることで、なぜかピッタを抜いてくれるのです(黒いブドウも)。

この組み合わせの精妙さというのは、その遺伝子だけを見つめても見えてこないのです。ハンマーをまず床に転がさないといけません。

 

だからヒトゲノム計画は見掛け倒しだったのです。ゲノムの解析が終われば、福音が来ると思われていました。我々はただのAGCTのプログラムコードを手にしただけでした。それだけでは何も(パラドックス)も起きないのです。

 

 

視野を広げなくてはいけません。

 

細胞ではなく、細菌をも含めて自分を考え、細菌をバイキンだと思うことを止め(牛やシロアリを思い出し)、細菌だけではなくカビも仲間に入れ(最初の抗生物質はペニシリンという青カビの代謝物だということを思い出し)、カビや真菌類だけではなく、ウィルスも視界に入れ、そしてその小さな相互作用だけではなく、器官や臓器を超えた個体の生産性の変化(アーユルベーダで言うところ過剰なピッタを下げるようなこと)までも視野に入れたいのです。

 


*バイキンマンも自己言及のパラドックスのように、手を洗います。

 

そこから考えれば、遺伝子など文字通り足跡(Footprints)に過ぎません。可哀想なアリがランダムに降ってくる空(人間の足)におびえるのと同じです。

 

我々は指ではなく、月を見ましょう(これはブルース・リーも使いましたが、そもそもお釈迦様の言葉)。

 

c.f.英語講座のキーコンセプトは“Don't think, feel"(考えるな、感じろ!) 2015年05月19日 テーマ:English Kindergarten

 

 

 

 

【聖体拝領は気功?】

パリ支店のセラピストKanaさんから素敵な質問が来たので、回答します!

c.f.えっ、これも気功だった?それとも、気功そうじゃない? NEW!2023-09-21
「聖体拝領は気功ですか?」というご質問ですね。

 

    

先日ミサの時にその昔から変わることなく行われるミサでの神父様の一連の動きを見ながら
不意に「これって気功?」
と思ってしまった・・・だって、ただの丸くて白いモナカの皮みたいな物がキリストの体になるんだから
気功=情報の書き換えというのなら気功と言えそうだなぁ~
ハッキリと気功です!と言い切ってもらえたら私自身はちょっと楽になる気がします

 

回答としては、「(僕らから見たら)ハッキリと気功です!」となります。

どう考えても、どう見ても気功です。言い切れます!

 

でも彼らの文脈ではそれは「信仰」と呼びます。

明確な信仰告白です。

 

これは、ある動物XをDogと言うかchien言うかの違いです(述語論理学っぽく)。はたまた「犬」と呼んでも良いのです。ただ、どの文化圏、どの共同体と強く臨場感を持つかで変わってきます。ですから、ある文化圏ではそれを「犬」と呼んでは間違いともなるのです。

 

余計なことを申しますが、いわゆるカニバリズムを信仰に高めるというキリスト教の不思議さを思います。でも、今の視点(パラダイム)から考えると、これは正しいのかもとすら思えてくるのがイエスの凄みです。我々はお互いに生かし生かされている。逆に言えば食べ、食べられているのだ、と。共生(EcoSystem)ですね。

 

一同が食事をしているとき、イエスはパンを取り、賛美の祈りを唱えて、それを裂き、弟子たちに与えて言われた。「取りなさい。これはわたしの体である。」(マタイ14:22)

 

ちなみに、聖体拝領は2つありますが、なぜか今は1つしかされていません。

続く(マタイ14章)23節にはこうあります。

 

また、杯を取り、感謝の祈りを唱えて、彼らにお渡しになった。彼らは皆その杯から飲んだ。 そして、イエスは言われた。「これは、多くの人のために流されるわたしの血、契約の血である。(マタイ14:23)

 

契約の血だからこそ、きちんとパンとは別にワインも配らなくてはいけません(かつては配っていました)。でも、ワインをこぼしたら、イエスの血をこぼしたことになるからという理由で(違ったかもしれない)、ワインを聖体拝領することはなくなりました。「イエスの血をこぼしたことになるから」ではなく、イエスの血はすでにたくさん流されたのです(「多くの人のために流されるわたしの血」)。

 

まあ、良いのですが。

 

ちなみにこの「契約の血である」のあとに続く言葉は多くの信仰者にとっては、スコトーマになっているようです。

 

はっきり言っておく。神の国で新たに飲むその日まで、ぶどうの実から作ったものを飲むことはもう決してあるまい。」(マタイ14:25)

 

イエス様がはっきりおっしゃっているのに、僕らは今もぶどうジュースからワインから、ビネガーまで美味しく頂いています(ブドウがワインになるのも微生物の働き、もちろんビネガーへも)。あ、もう僕らは神の国に入ったからなのかな。

 

c.f.「ワイン色の海」とホメロスが書いた時、「ワインレッドの心」は何色? 2021年10月03日


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