モーダルチャネルとは脳の入出力器官と定義されます。
脳と外界をつなぐ部分です。
たとえば、目という視覚を用いることで、目の前の電磁波のうち可視光線を認識して、視界を得ることができます。何かを見ることができます。そうやって目の前の世界(外界)がどうなっているかを認識できます。
同様に鼓膜の振動を分析することで、外界の音を聞き分け、味蕾に当たる分子や嗅覚細胞に当たる分子がある一定数に達すると味や匂いとして認識されます(その閾値というか、入力に対する反応の関係をグラフにするとシグモイド曲線となります)。
シグモイド関数は、生物の神経細胞が持つ性質をモデル化したものとして用いられる。
(略)
シグモイド(英: sigmoid)とは、シグモイド曲線(英: sigmoid curve)ともいい、ギリシャ文字のシグマ(語中では σ だがここでは語末形の ς のこと)に似た形と言う意味である。(Wikipedia)
モーダルチャネルとは「五感と言語」とは良く聞くところでしょう。
五感と言語以外にもう一つあり、それが数学です。
数学というと主要五教科(英数国理社)の一つのようなイメージがありますが、それは悪しき学校教育の残滓です。
数学は言語から生まれたとチョムスキーは考えます。
言語からその特性を奪い、枚挙可能性の原理だけにフォーカスしたら自然数が生まれた、と。
この奇妙な有機体(人間)は、まず言語機能を得て、さらにある種の抽象化を行う能力を持っていたものですからそれを用いて言語特有の特性を全て切り捨てて、枚挙可能性の原理のみに集中した。こうして得られたものが、基本的に算術(自然数の概念)です。(チョムスキー『生成文法の企て』)
c.f.一定のデータが与えられた時に接近可能な文法の総数を減ずるような理論をつくり上げる(チョムスキー) 2015年01月27日
c.f.アイン・ソフ・オウルとペアノの公理 2015年02月10日
(上記のリンクは是非飛んで、熟読してください。ここらへんの議論が真っ直ぐに裏T理論につながっていきます)。
*この文章をグラフに分解するというワークは是非、T理論BootCampでやりたいです!スクールでのやり残しの一つなので!
我々は生成文法を生得的に持ち、だからこそ母国語を習得するように、そこから枚挙可能性の原理にフォーカスすれば数学もまた習得できるのです。というか、数学もまた我々の母国語の一つなのです(言い過ぎ?)。
そう言えば、寺子屋第一回『論理学』のレポートを読んでいたら、
「数学とは論理学の一形態である」(ケインズ:John Maynard Keynes:経済学者)
という一節に出会いました。
出会いましたというか、寺子屋の中で僕自身が「数学とは論理学の一つ」とか何とか言ったのでしょうが、あまり覚えていません(笑)。覚えていないはずです。ちょうど10年前です。
(これはクラシック版です。今のリニューアル版とは違います。最初の寺子屋です。まだ音声教材しかない時代の寺子屋です。その後に全て動画教材にすべくリニューアル版が開催されました。いま販売されているのはそのリニューアル版です)
c.f.寺子屋シリーズで目指している道のりの全貌を眺めると 2013年05月27日
こっそりとWikipedia「ケインズ」の項を読むと、
ケインズは元々はケンブリッジ大学には数理学部に入学しており、博士論文でもある最初の著作は『確率論』(1921年)である。ここにおいてケインズは、確率を数学ではなく論理学の一分野として捉える論理確率主義の立場をとっており、確率や不確実性に関する哲学的問題について広範な考察を行っている。
とありました。
なるほど。
寺子屋という連続セミナーでは、最も大事なものからスタートするということで、論理学から始めました。
このレポートにもありましたが、論理学自体は学ぶものというよりは、自分の中にある論理的思考に気付くものというのが正しいのです(ここでは、プラトンの国家」の中から教育についての項を想起してください。あのイデア論の元となった洞窟の比喩です。ここでの論理や言語や数学というのは、ソクラテスの言う目に当たるのです)。
c.f.幾何学は下手にえがかれた図形について上手な推論を行う技術である(ポアンカレ) 2014年07月09日
(引用開始)
n次元の幾何学は実体のある対象をもっている。今日ではこれを疑う人はいない。
超空間の存在物はふつうの空間におけるそれと同様に、正確に定義できるものである。そしてもし定義を提示できるならば、われわれはそれを心にえがき、それを研究することができる。したがって、たとえば3より高い次元の力学は対象のないものとして非難されるのが当然だとしても、超幾何学はそれと同じではないのである。
実際、幾何学はわれわれの触覚に触れる物体の直接の記述だけを唯一の存在理由としているわけではない。それは何よりも、ある群の解析的な研究である。その結果、それと類似した、そしてもっと一般的な他の群を問題としても一向差支えない。(略)
幾何学は下手にえがかれた図形について上手な推論を行う技術であるとよくいわれている。ただしその図形は、われわれを誤らせないためには、ある条件を満たしていなくてはならない。すなわち大きさの割合は大ざっぱに変えてよいが、その各部分の相対的な位置を乱してはならない。
このように、図形を利用するということは、何よりもまずわれわれの研究の対象物の間のある関係を知ることがその目的である。その関係は位置解析(analysis situs)とよばれる幾何学の一部分を占めるもので、そこでは曲線、あるいは曲面の大きさは問題としないで、その上の点の相対的な位置関係を問題とする。
超空間の存在物の間にも同様な性質の関係がある。したがってリーマンやベッチがそれを示したように、3より高い次元の位置解析というものがあるのである。
(引用終了)(ポアンカレ トポロジーpp.2-3)
c.f.「奇妙な情景の譬え、奇妙な囚人たちのお話ですね」と彼。 「我々自身によく似た囚人たちのね」と僕 2021年12月04日
c.f.だから、思うに、上方の世界の事物を見ようとするならば、慣れというのものがどうしても必要だろう。 2018年01月22日
だから、思うに、上方の世界の事物を見ようとするならば、慣れというのものがどうしても必要だろう。ーーまず最初に影を見れば、いちばん楽に見れるだろうし、つぎには、水にうつる人間その他の映像を見て、後になってから、その実物を直接観るようにすればいい。そしてその後で、天空のうちにあるものや、天空そのものへと目を移すことになるが、これにはまず、夜に星や月の光を観るほうが、昼間太陽とその光を見るよりも楽だろう。(プラトン「国家」516A)
その論理学の一つが数学というのは、言語から数学が生まれたというチョムスキーの思想と重ね合わせても非常に面白いと思います。
話を最初に戻すと、T理論完全マスターで目指したのは、数学で思考するということです。
数学で考えるということです。
数学で考えるというのは、手を動かすということです。
アタマの中であれこれ考えるのではなく、計算という実験をしたり、手作業の中で規則性を探すのが数学です。
僕らはそれをグラフ理論を援用しながら、行いました。
裏T理論というか、T理論BootCampでは「数」から始めたいと思っているのですが(予定は未定ですが)、数直線という概念から始めると、グラフということがもっとくっきり見えてくると思います。
自然数→整数→有理数→実数→複素数
というアレです。
c.f.「整数は神の作ったものだが、他は人間の作ったものである」 2013年07月30日
c.f.三才 私に過去はなかった 五才 私の過去は昨日まで(谷川俊太郎) 2014年02月23日
我々は寺子屋「はじめての算数」というようなタイトルの数論のクラスで
Nine Zulu Queens Ruled China.
と学びました。
すなわち、N;自然数、Z;整数、Q;有理数、R;実数、C;複素数 です。
(余談ながら「はじめての算数」というタイトルは本当に失敗したと思っていて、実際は数論をやるつもりがジョークで「算数」としたら、受講生が激減して真っ青になりました。実際は補講扱いながらもリーマンゼータ関数をやりました)
c.f.【寺子屋】先日の「算数」講座の補講であるリーマンゼータ関数の音声教材も配信中 2013年07月13日
当時、谷川俊太郎の詩のオマージュでこんな詩を創りました。
三才
私に数はなかった
五才
私の数は自然数まで(1.2.3.4...)
七才
私の数は有理数まで(分数!)
十二才
私の数は実数まで(√2や√3が参加)
十四才
私の数は教科書どおり(複素数?)
十六才
私は数の無限をこわごわみつめ
十八才
私は数の何かを知らない
それに関連して、こんな記事がありました。
c.f.気感をあっさりと獲得したい人に向けた3つの技法 2012年12月16日
次のパラダイムというのはきわめてシンプルで、物理宇宙というのは広大な情報宇宙(数理宇宙)の1つの系にしか過ぎないという認識です。我々はまだ認識の天動説の中に生きており、物理宇宙のみが宇宙であり、それを整合的に説明するのが数理宇宙だと傲慢にも見做しているフシがあります。これは天動説と同じく倒立した認識です。地球が宇宙の中心でも太陽系の中心でも無いように、物理宇宙というのは宇宙の中心ではありません。
↑これはまさに一つ前の記事に対するアンサーです。
c.f.人工知能は将来人間になれるのか?〜我々は宇宙をあまりに限定された世界に閉じ込めすぎたのか? 2023年05月25日
実はT理論完全マスタースクールで紹介し忘れたFigures(図)が2つあります。
一つが「次元の断層(または「可哀想なアリの話」)」と「3次元球が2次元空間を通り越すときに、2次元人にはどう見えるか?(または、「フラットランド」)」の2つです。
という話をセミナーでしたら、次元の断層はRayTENETスクールで学びました、と受講生から言われました。RayTENETスクール、良いスクールだ!
もう一つのフラットランドに関しては、2012年の記事に書かれています。
c.f.気感をあっさりと獲得したい人に向けた3つの技法 2012年12月16日
先程の(引用した)文章に続けて、こうあります。
じゃあ、「数理宇宙って何ですか?目の前に出してみて下さい」と言われても困ります。
我々は3次元を理解できない2次元人のようなものです。
いわばフラットランドの世界です。
3次元の球体君が我々の2次元空間を通過する時、最初はシミのような点として現れ、だんだんそのシミが大きくなり、シミが円になり、円が大きくなり、十分に大きくなったところから今度は反転して円が小さくなり、そして最後はシミとなり、消えます。
数理宇宙を目の前に出せと言われても、3次元空間の球体をこの(二次元世界に)出せというようなものです。球体ではなく、シミや円としてしか表現されません。それは球体の問題ではなく、我々が生きている世界の次元の問題です。
(c.f.気感をあっさりと獲得したい人に向けた3つの技法 2012年12月16日)
そして、この「我々が生きている世界の次元の問題」が先の神奈川大学の講演のテーマでもありました。
c.f.人工知能は将来人間になれるのか?〜我々は宇宙をあまりに限定された世界に閉じ込めすぎたのか? 2023年05月25日
というわけで、ようやく本題です!
T理論完全マスタースクールに関する素晴らしいフィードバックを頂きました!
あまりに赤裸々なので、掲載を躊躇するレベルでしたが、あまりに素晴らしいので、許可を頂き掲載することにしました!(一部、読みやすさを優先し、字句修正させて頂いております)。
(引用開始)
先生、先週は大変お世話になりました、Sです。T理論マスタースクールのフィードバックです。
今回、一か月ほど前から、「今回のスクールをT理論の決定版にしたい」、「ガチでの講師育成」、「T理論をマスターするだけでなく、T理論を教えるマスターにもなってもらう」、「人類の中で唯一T理論を教えていることを許されている講師に登壇していただく」とT理論マスタースクールの告知がありました。
私は以前ヨガのスクールも行なうかもと伺っていたため、そちらにしようか迷っていたのですがGW寸前で何故か2日とも宿を抑えることができましたので参加を申し込みました。
告知を読んでいますと質、量、受講料いずれも大きく動くことが予想できましたので前準備として少食法、断食を行いハングリー精神(死語)を涵養して臨むことにしました。
更にスクール直前にKIX先生のオイルトリートメントを受けることにしました。
KIX先生のおかげで、全身が緩み、血流がよくなったことで足先の冷えが取れ、僧帽筋の凝りが取れたせいか、頭がスッキリするのを自覚してのスクール受講です。
スクールで先生はT理論(失伝)の危機ということでT理論の誤解、曲解が広まっているのを憂いており、今回その誤解、曲解の根切りをしたいとのことでした。
その為に今回は従来の学び方とは異なり、明らかに密教に当たるド密教で行う、コンテンツが入るかどうかは本人のゴール次第と伺い、身が引き締まりました。
ポイントは頭を使わず手を使うことだそうで、常人がいくら頭を使っても結局、現状の中に留まってしまうのでグラフ理論(点と線)を使用していくとのことでした。
今回とにかく手を動かし、図で臨場感を生成、情報宇宙を書き出すことが求められました。
我々が学びたい言語の最たるものが数学であり、図が描けないということは理解してないことであり、図を描くことで誤りが矯正され、書いて無意識に落とし込む、そういうことをやっているうちに手が覚えてくる。これがハンドライティング。
定規を当てて描いてもいけないし、すでに描いたものを人に見せてもいけない、その場で描くから突然そこにT理論の魂が宿ってくる。このようにして数学による劣化しない伝言ゲームが行なわれる。
「それを口伝えで、説明するから(巷間の言葉による劣化しやすい)伝言ゲームになり、歪んだ話になってしまう。口の伝言ゲームでなくシンタクス、イデアの伝言ゲームを行いたい」と伺いました。
ノートが支給され図を描く、描く、描くということで三日間徹底的にT理論を描き出していきました。
今回、先生は普段の講座、スクール以上に熱っぽく、物物しく授業を進められました。
会場で熱弁し、飛び交うT理論(失伝)の危機、(誤解、曲解の)根切り(根絶やし)、ド密教とパワーワード(笑)の数々で、受講する私はしばしば意識が飛び、熱にあてられてか中座してトイレに駆け込むほどでした。
自分ではこうだと思っていたT理論、LUB、ラポール、大周天、不完全性定理、不確定性原理、内部表現、一人一宇宙、異世界転生、異世界通信、異世界干渉等、図に描き出してみると正解とはかけ離れており、誤解していたことが明快になりました。
たてよこ、タテヨコ、縦横と無心になって情報宇宙を描き出していると意識が変容し会場を離れても縦の線、環境センター(by高岡英夫)が意識され目がチカチカします。
T理論が入ることで過去に学んできた知識が有機的に再構成される。T理論でしか世界が見えなくなると伺っていましたが、少しは実装されてきたのかと、嬉しく思いました。
T理論の完全マスターが(「まといのば」の)ボトムになる、これを前提にこれから「まといのば」はスタートすると伺い、このまま進んでいくと世界はどういう見え方をするのか、自身にはどのような変化が現れるのか非常に楽しみです。
(引用終了)
楽しんでいきましょう!!