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Channel: 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ
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マイナス×マイナスはなぜプラスなんですか? 〜空が集まってドミノが倒れる〜

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「マイナス×マイナスはなぜプラスなんですか?」に対しては「ルールだから」でおしまいで良いのではないかと思います。

ルールは定義であり、公理なので、それが気に入らなければ、別の公理系を創れば良いことです。

なぜサッカーではキーパーか(それでもエリア内でのみ)、スローイン以外では手を使ってはいけないのですかというのと同じです。そこに疑問を持つなら、ハンドボールでもバスケットボールでもすればいいです。

ルールは人間が恣意的に作り、そして従うものです。


公理系における公理も誰かがつくり、それを構成員が従います。

第5公準(公理)であり平行線公準もそうです。ユークリッドが異なる平行な2直線は交わらないと決めただけであって、それが真理ではありません。ユークリッド空間という公理系においてはそれが真理なのです。

もちろん第5公準を変えることで、非ユークリッド幾何学が誕生したのは歴史的な事実であり、ご承知のとおりです。

マイナス×マイナスに関しては、マイナスという演算子は逆関数(インバース)であると考えれば良いと思います。加算はすべて数が増える方向へ移動する関数です。その逆関数がマイナスという演算子です。

逆関数ということは「向きを変える」ということです。ある方向しか向かない全体主義に対して、反対側を向かせる命令です。



ここで1次元ユークリッド空間を考えます。

ユークリッド空間というのは我々が直感的に認識する空間そのものです。縦があり、横があり、高さがあります。縦横高さです。

下はネッカーキューブです。
縦横高さがあります。
(というか、ただの線の集合なのに、我々には立体に見えてしまう不思議な図形です。(^^)が顔に見えるように、我々の脳にはクセがあります。ゲシュタルト能力です。その上、いつも数秒ごとに立体の形状が反転します)



ユークリッド空間というと立方体を考えれば直感的には正解です。
ユークリッド空間は、3次元です。縦横高さの3つの次元があります。

それを1つにしたら、直線になります。

そこに数字をプロットすると数直線です。

ちなみに、なぜ今くどくどと当たり前のことを言っているかと言えば、数学を「まといのば」にもっとしっかりと導入したいからです。寺子屋では半年ぶりに数学を再開します。

数学というのは我々が認識している学校の数学とは似ても似つかないものです。クワインではないですが、足し算とクワス算くらい違います。いや、BlueとGlueくらい違います。

本当の数学は楽しくて美しいものです、多分。数学を数学者としてやっていくのはきわめて困難ですし、大変な才能とハードワークが必要ですが、数学を読むのには想像力と好奇心だけで十分です。そして過去の「数学」もどきの記憶を消すことと(^^))。

というわけで、縦横高さのユークリッド空間を1次元にすると直線です。
直線に数字をプロットすると数直線です。
前回、ここに自然数、整数、有理数、無理数を含めた実数をしきつめられるという話をしました。複素数はですので、2次元ユークリッド空間すなわち平面にプロットされます。
参照:三才 私に過去はなかった 五才 私の過去は昨日まで(谷川俊太郎)2014-02-23



で、数をかぞえるというのは、ペアノの公理に基づいた関数です。

ペアノの公理というのは自然数の公理系ですが、カラクリはいたってシンプルです。
ドミノ倒しです。

0をとりあえず起点として、次の数が存在し、その数に対して次の数がが存在し、またその数に対して次の数が存在する...というものです。

ドミノ倒しです。

ドミノが一列に並んでいて、一つ目が倒れると、隣のドミノにぶつかってその衝撃で次のドミノが倒れ、次が倒れるとその次のドミノが倒れます。一斉に倒れるのではなく、順番に倒れていきます。

このパタンパタンパタンパタンと倒れていく様を頭の中で何度も反復しましょう。このドミノ(パタンパタン)・アルゴリズムが決定論を決定づけ、数学を基礎づけます(^^)(多分)



これって結局、自然数の公理化だけではなく、もちろん数学的帰納法も定義しています。

まあ、ともかく、数をかぞえるというのは、ペアノの公理を関数化しているということです(ペアノの公理自体がアルゴリズムなので関数だと認識してもいいですし、プログラミングだと思ってもOKです)。

いや、プログラムと考えたほうがすっきりしますね。

とすると、公理系を引っ張ってくれば、プログラムが組めます。
一つ目のドミノを設定し、一つ目のドミノが倒れたら、必ず隣り合うドミノも倒れると決めるということです。

・自然数 0 が存在する。
・任意の自然数 a にはその後者 (successor)、suc(a) が存在する(suc(a) は a + 1 の "意味")。
・0 はいかなる自然数の後者でもない(0 より前の自然数は存在しない)。
・異なる自然数は異なる後者を持つ:a ≠ b のとき suc(a) ≠ suc(b) となる。
・0 がある性質を満たし、a がある性質を満たせばその後者 suc(a) もその性質を満たすとき、すべての自然数はその性質を満たす。

Wikipediaから公理を抜き出しました。

関数として表記するとこちら(引用はウィキペディアです)



よりドミノ倒し感がクリアに見えます。

集合を用いても同様です。フォン・ノイマンです。
よりクリアではないでしょうか?


表記法の解説が少し必要ですが、ドミノ倒しをいくつか別の次元から説明すると、よりクリアに立体的になります。数学で何かを理解するというのは、様々な視点から見る(証明する)ことで、ぼんやりとゲシュタルトを作ることです。


で、一つ目のドミノを「0」と言いますし、0の発見は単なる記述の仕方が便利になっただけで、計算式の情報量が圧縮されただけにすぎないのに逍遥されるのは、0の後ろに空集合Φが存在するからです。
0ではなく、空集合が重要なのです。

空集合という空っぽの集合を自然数に写像したら、0ということです。

空集合というのは、青空とか夕焼けとかくもり空とか空(そら)を集めた集合ではありません。

空っぽの集合ということです。

小学校と児童のことを考えます。小学校の児童全員が要素で、教室が集合単位とします。
赤組はこの教室に集合、白組はこの教室に集合、男の子はこの教室に集合、女の子はこの教室に集合と集めます。それぞれ赤組の集合、白組の集合、男の子の集合、女の子の集合です。

そして誰もいない空っぽの教室があるとしたら、それが空集合です。要素ゼロ、生徒ゼロなのです。
たとえば、赤組でありかつ白組であり(そんな人はいないとして)男の子であり、女の子である児童はこの教室に集合してくださいと言われたら、その教室には0人しか集まりません。空集合です。

我々は数字というのは、もともと存在すると考えがちですが(実無限)、数字というのはアルゴリズムとして排出されるものです。n=n+1のようなプログラム(数列の漸化式と考えても同じこと)で次々と吐出されるのが数字です。

数直線を考えると、数字が吐き出される度にどんどん左から右へ移動できます。
これがプラスという概念です。



で、プラスの逆関数であるマイナスは「逆向き」にするだけです。

ですから、マイナスを加えると、逆向きに加えられるので数直線を逆行します。

じゃあ、マイナス×マイナスはと言えば、逆関数×逆関数なので、戻って戻るので、プラスの方向ということになります。行ったり来たりですね。

マイナス×マイナス×マイナスは、戻って、行って、戻るので、マイナスと同じです。
左へ行き、右へ行き、左へ行くので、左へ行くのと同じということです。

逆関数なので、いま行っている方向と逆向きになればいいのです。天邪鬼です。とりあえず逆なのです。それを論理式で言えばNot(¬)です。ですので、否定の否定は肯定になります。
否定の否定の否定の否定の否定は否定になります。
ある程度までくると、逆関数の個数が問題になります。マイナスが偶数ならプラス、マイナスが奇数ならマイナスということです。
打ち消し合うからです。

ここで剰余という概念も導入できます。

2で割った余りで2つに数は分類できます。
2で割って余りが0のグループ(集合)と2で割って余りが1のグループ(集合)です。

我々に馴染み深い言い方で言えば偶数と奇数です。EvenとOddです。

ここでポイントになるのは、逆関数なりマイナスの扱いではすべての偶数個なり奇数個はそれぞれが同じだということです。マイナスが200個積み重なろうが、マイナスが2個だろうが同値なのです。

そこに剰余での分類の面白さがあります。

そうすると、偶数×偶数=偶数、奇数×奇数=偶数、偶数×奇数=偶数、奇数×奇数=奇数などの一般化もできてきます。すべての(無限の)数をチェックしなくても、性質が一意的に言えるということです。

長くなったので、急いでコンテンツを並べてしまうと、四則演算は足し算でしかないということです。

たとえば、掛け算を数直線で考えるのは厄介なような気がしますが、掛け算とは足し算のことです。

2×3とは

2を3回足しましょうというオーダー(命令)でしかありません。

2×3=2+2+2

です。

一事が万事このアルゴリズムなので、掛け算は足し算です。

ちなみに掛け算の逆関数である割り算も同様です。掛け算の逆関数は割り算、足し算の逆関数は引き算です(懐かしいですね、寺子屋「微分・積分」でも扱いました)。

割り算とは引き算です。

10÷2
というのは、
10から何回2を引けますかというアルゴリズムでしかありません。

10-2-2-2-2-2=0

なので、5回引けます、そして残り(余り)は0ですということで、

10÷2=5

と書けます。

もちろん11÷2であるならば、

11-2-2-2-2-2=1

となり、5回引けて、残りが1

11÷2=5・・・1

となります。

もちろんこれは文学的な書き方すぎるので、

(11-1)÷2=5

と書いたほうがいいよね、となると文字を用いた高校の数学になっていきます。

これで、掛け算は足し算であり、割り算が引き算であることが示せました。

最後は引き算は足し算です。

これはもちろんベクトルで考えて、向きが異なるベクトルの和が引き算と言ってもOKだと思います。

もしくはコンピュータがやっているように、補数を加えるのが引き算と考えても良いと思います。
実際に暗算が得意な人は10進法でも補数は駆使します。

コンピュータは加算しか頭にないので、引き算というアルゴリズムは存在しません。
引き算(減算)をするときは、引く数の補数を足すことで行います。

もちろん純粋な数学を信じている人は、補数を足すのは近似でしかないと考えるでしょう(桁数の制限があるので)、しかし我々可能無限の立場からすれば、有限の時間で有限の作業を、有限の桁数でやって何が悪い?と考えます。

というわけで、引き算も足し算になるのです。

というわけで、めでたく自然数の加減乗除は足し算に還元されるということです。


*数学もガシガシ体得していきましょう。3月開催です!
今週の寺子屋はハイゼンベルクの不確定性原理です!量子論の肝のキモに迫ります!こちらもお楽しみに!!


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