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Channel: 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ
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あなたはママの姿をした天使だった。私が倒れたとき、あなたはそこにいて私を抱き上げてくれた。

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「スーパーマーケットの花(Supermarket Flowers)」という曲があります。

最近、裁判に勝ったエド・シーランの傑作の一つです。

非常に個人的な歌ですが、非常に心を打ちます。

 

アルバム「÷」をレコーディング中に亡くなったお祖母様を追悼した歌です。

 

 

レコーディング中に幾度も病院にお見舞いに行ったそうですが、看取ることはできなかったそうです。

お祖母様のパートナーであるお祖父様からお葬式のときに、このことは記録に残した方が良いと言われ、ギターを取って作ったのがこの曲だそうで、エド・シーラン自身の視点ではなく、自分のお母様の視点から描かれた歌です。

 

視点を移動させるというのは、良く使われる手法です。

 

たとえば「神田川」は、男性が歌いますが(別にそうとは限りませんが、南こうせつは男性です)、女性の視点です。

 

貴方は もう忘れたかしら赤い手拭、マフラーにして

二人で行った横町の風呂屋

「一緒に出ようね」って言ったのに

いつも私が待たされた

洗い髪が芯まで冷えて

小さな石鹸カタカタ鳴った

貴方は私の身体を抱いて

「冷たいね」って言ったのよ

(『神田川』かぐや姫1973年)

 

エド・シーランの「Supermarket Flowers」は、

自分の母(エド・シーランのお祖母様)の視点で、亡くしたお母様の哀しみを歌っています。

 

 

僕自身が注目するのは、タイトルの「Supermarket Flowers(スーパーマーケットの花)」です。

この花はお祖母様(お母様)の病室に飾られていたお花です。

 

冒頭はこんな描写で始まります。

 

お祖母様がいなくなった病室を片付けている家族の様子が伺える描写です。

 

I took the supermarket flowers from the windowsill
I threw the day old tea from the cup
Packed up the photo album Matthew had made 
Memories of a life that’s been loved
Took the get well soon cards
and stuffed animals

Poured the old ginger beer down the sink

 

(病室の窓辺を飾っていたスーパーマーケットの花を片付けた。
母の飲みかけの紅茶をカップから捨てた。
息子のマシューが作ってくれたアルバムを詰めた、
愛されてきた人生の思い出を。
ぬいぐるみとそこに添えられた「早く元気になってね」というカードも。
泡の抜けたジンジャービールもシンクに流したよ)

 

病室の窓辺に飾られていたお花も、最後にお祖母様が飲んだ紅茶もジンジャービールも、孫が作ってくれたアルバムも、ぬいぐるみとカードも全部捨てるなり、持ち帰るなりされます。

 

 

老子の「芻狗」を思わせます。

 

 

天地は仁ならず、万物をもって芻狗(すうく)となす。聖人は仁ならず、百姓(ひゃくせい:人民の意)をもって芻狗となす。

現代語訳は

天地に仁愛などはない。万物をわらの犬として扱う。聖人に仁愛などはない。人民をわらの犬として扱う」(以上、老子第五章。出典は下記のリンクを)

 

芻狗とは「わらの犬」のこと。

お祭りに使われる小道具です。

 

今日、作られて明日捨て去られるような「わらの犬」ですが、お祭りのときは一瞬とは言え、輝くのです。

 

僕らの人生も同じです。

 

用済みになれば捨てられるという点に注目すれば悲劇のように見えますが、ただの藁がお祭りのときは輝くと思えば良いのです。

僕らという「この奇妙な有機物」(チャイティン)もただの炭素がこの瞬間だけ、「藁(わら)の犬」として輝くのです。

お祭りを楽しみましょう。

パーティーを楽しみましょう。

舞台を演じきりましょう。

 

 

たとえば、魂の永続性を考え、天地の仁を信じるから悲劇が生まれるのです。

 

I fluffed  the pillows, made the beds,
stacked the chairs up
Folded your nightgowns neatly in a case
John says he’d drive then put his hand on my cheek
And wiped a tear from the side of my face

 

(枕をふんわりさせ、ベッドを片付け、
椅子を積み上げて
寝間着はきちんと畳んでケースに入れたよ
夫のジョンは「僕が運転する」と言って、

助手席に座る私の頬に触れ、
涙を拭ってくれた)

 

(ジョンとはエド・シーランのお父様のこと)

 

そして、お母様(お祖母様)が天国に還られたことを盛大に祝います。

「ハレルヤ」と。

 

So I'll sing Hallelujah, you were an angel in the shape of my mum

When I fell down you'd be there holding me up

Spread your wings as you go, when God takes you back

He'll say Hallelujah, you're home

 

(だから私はハレルヤを歌おう

 

あなたはママの姿をした天使だった。

私が倒れたとき、あなたはそばにいて私を抱き上げてくれた

あなたが羽を広げて、飛び立つ時、

それは、神様があなたを天国に連れて帰る時。

神様も「ハレルヤ」と言うだろう、「おかえり」と)

 

 

ハレルヤ!!

 

 

【楽曲紹介(エド・シーラン)】

 

アルバム「÷(Divide)」と言えば、『Shape of you.』

ここでも、「君の形」なのです。

 

I'm love with the shape of you

 

その肉体は情報空間にあるのかも。

 

 

 

 

 


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