「異世界転生の物理学」セミナーでは、かなり極北まで達してしまったので、思わずSF小説の「三体」を読み返してしまっているのではないかと思います。
でも、最新物理学とか、最新宇宙論というのはいつでもパラダイムシフトを伴うので、SFで情報空間をメリメリと広げておくのはとても大事です。
くるみの世界でもそこは無限ですが、もっと広い世界をもっともっと広い世界を観ておくことが大事です。
そもそも原題の「三体」とは、「三体問題」の「三体」。
*ニュートン力学が三体問題が解けず、アインシュタインの相対性理論は二体問題が解けず、量子論は一体問題も解けない、というジョークがあったような、なかったような。
「三体」については、過去にたくさんブログを書いています。
お気に入りのセリフはたくさんあるのですが、たとえば、こちら↓
(引用開始)
「その手品師はどれだけ大きなことができるんだ?」
「逆に、どのくらいのスケールなら信じるの?」
(引用終了)
ここ(『三体』)での手品師とは宇宙人のこと。
そして彼らは僕らの想像を超えたことができます。
「逆に、どのくらいのスケールなら信じるの?」というセリフはコーチングやメンタリングをする僕らにまっすぐ返ってくる言葉ですね。
変奏曲を作るならば、
「気功では、どんな願いが叶うの?」
「逆に、どれくらいの抽象度なら信じられるの?」
という感じでしょうか?
自分が信じたことが実現していきます。
信じるというか、自分が願ったこと、臨場感を持って展開したことが普通に叶っていきます。
僕が面白いと思ったのは、村上隆さんのこんな告白です。
この感触が本当に魅力的です。Skinなところが。
(この話は今月のセミナーでチラッと紹介しましたね)
(引用開始)
予算は無制限
A級アーティストがいれば、コレクターや美術館にもA級があります。これはぼくの体験談ですが、世界のトップコレクターとかトップミュージアムというのは、とんでもないオファーを突然してきます。
例えば、「隆、彫刻を作って下さい」「君がやりたいことをやってくれ、何でもいい」「予算は無制限」。
無制限というので見せてくれたのが、リチャード・セラの鉄の塊が四つくらい芝生の中にドーン、ドーンとあるような作品です。教会が建っているので、「これは何ですか」と言ったら、こういう彫刻を収めるために、イタリアから潰れそうになったレンガ造りの教会を、どうしても作家が持って来たいというので持って来たというのですね。
「作品を作るよりも教会を移築する方がお金かかっちゃったよ、ハハッ」
つまり、そういうことを「隆もやってよ」と言われて、
「ぼくそんなアイデアないです」
「いや、日本人でそういうのやった人いないから楽しそう。だからそういうのやってみてよ。やろうやろう」
と言われて、結局、ぼくは、そのリクエストに現在に至るまで応えられていません。リチャード・セラみたいに、知り合いの潰れかけの寺があるから、それを全部移築してよその国の田園地帯に建てましょう、みたいな話を、もしかしたら、ぼくからも聞きたかったのかもしれない。けれど、ぼくが考えたのは、予算は無制限というけど、下は芝生で人の腰くらいまであるきのこの彫刻を作ろうか、あの業者はすごく高いから制作費ひとつ五〇〇万円として、今、自分は三〇〇万円しかないけどどうしよう、みたいなみみっちい計算を頭の中でしていました。そうこうするうちに四年経ち、七年経ち、一〇年が経ってしまった。これが僕の現時点での限界だと思います。
(引用終了)
*この芸術闘争論は僕にとってはとても意義深い書籍でした。後ほど紹介できたらと思います!
「逆に、どのくらいのスケールなら信じるの?」に戻りますと、いま、ヒーラー/メンター養成BootCampがかなり良い調子です(良い調子なので、年末に再度数名募集をかけます。興味ある人は問い合わせてください!)。
そこで、BootCamp生にも繰り返し言うのですが、全ては抽象度です。
何が言いたいかと言えば、あるレベル1の問題を解決するのに、100の力が必要だとします。
逆にレベル2の問題も同じくらいの力が必要です。それは知力だけではなく、体力や時間が必要です。
でも、レベル10でも、実はそんなに変わりがないのです。
実はレベル100でも、レベル1000でも同様です。
だったら、レベル1万からスタートしませんか?とBootCamp生には言います。
レベル1万の問題を解決しようとして、謎が少しずつ解けると不思議なことに、その下のレベルの問題がも解決し始めます。面白いくらいに、レベル900やレベル800の問題が解けていくのです。ドミノ倒しのように倒れていくのです。
だからこそ、ゴールが全てであり、レベル1万の現状の外のゴールを倒しに行くことで、その途中過程包摂されてしまい、包摂されているからこそ、解決してしまうのです。それも意外な形で!(きっとBootCamp生が良い感じのフィードバックを送ってくれることでしょうw)
これがメンタリングやコーチングの醍醐味です。
ですから、僕らは謎を解こうとしないで、もっと大きなゴール、もっと抽象度の高い希望、もっとハイレベルな欲望や煩悩にアクセスしたいのです。そのときに常識も世間体も取っ払って、純粋にロジックと剥き出しの欲望だけをToulminしていくのです(←ちょっと意味不明)。
大変なのは、自分の欲望に忠実であること、嘘がないこと。そしてゴリゴリと抽象度を上げていくことです。自分のやりたいことが全て叶ったら、その世界で自分は何を思うか(次に何をしたいのか)を必死で考えることです。
この作業こそが重要です。
問いが立てば、回答は自ずから与えられます!!
【書籍紹介】
(引用開始)
ぼくがデビューした展覧会は、美術評論家の椹木野衣さんにテキストを書いてもらった銀座のギャラリー・アリエスでした。さらにワタリウム美術館が主催したヤン・フートの原題美術一日大学というイベント。そのイベントでぼくはデビューしたと思っています。ヤン・フートというベルギーのキュレイターが来日したその当時、二〇数年前ですからキュレイターという職業が日本ではうまく紹介されていなかったのでよくわからないわけです。キュレイターって何? みたいな。(略)
さて、どうしてこの「ヤン・フートの現代美術一日大学」がデビューだと思うかというと、どこかのテレビ局がこのイベントのドキュメンタリーを作ったんですね。その番組にぼくの作品も講評会の場面かなにかで少し映ったわけです。それでえ『美術手帖』といった雑誌メディアの人が、ぼくの作品を知ってチャンスにつながったわけです。
これはすごく小さなコンペでしたが、しかし本当にワンチャンスでした。僕は普通の人の作品の何倍もあるような、すごく大きな『ポリリズム』という作品を持っていきました。プラモデルなどがくっついている大きな作品です。あまり大きいので、階段が上がれなくて会場の人に怒られたりしました。こういう時に大きい作品で挑戦してチャンスをつかんだわけです。
(引用終了)
東京国立近代美術館「所蔵作品展『MOMATコレクション』」076
— 岡田昌浩 (@triparaace) January 8, 2020
【1970-1980年代|独自かつ類似について】
◆村上隆「サインボード TAMIYA」「ポリリズム」 pic.twitter.com/9T6SIsCoTK
この「大きい作品」もまた重要で、これに続く項目が「大きさが大事」です。
なぜかというとアメリカの場合、現代美術を購入する人というのは次の二種類だからです。
①美術館に寄付したいお金持ち
②自分の家が広すぎるので、その広すぎる家の壁を埋めるのにアートでも欲しいというお金持ち。
ですから、大きな作品から売れていくというのは本当の話なんです。
ゴールも、なぜか大きくて無茶で現状の外過ぎるゴールから叶っていきます!
不思議なことに、だから同じようにコストを費やすなら、馬鹿げたようなスケールのでもどうしても叶えたいことに費やすのが吉です!!
そんなセミナーを今年のラストにやりたい!
そしてラスト!
これまた大きな作品です!
これは「私は知らない。私は知っている。』という作品です。大きさは縦が三メートル、横が二メートル強。ドクロがとにかくいっぱいあります。
この作品の壮絶な制作過程が描かれています!!