ケガの痛みと筋肉痛の見分け方はかなり困難です。
特にハタなどでガンガン身体を開発していると、思わぬところが痛みます。
たとえば、胸がズキッと痛むと恋愛か、心臓発作だと思ってしまいます。恋愛は冗談としても、心臓がまずいのではないかと思います。我々は基本的には肋骨をきちんとゆるめることなど普段の生活では不要ですし、ゆるめた経験がありません。すると、少しでもゆるんでしまい、そこが筋肉痛になると、そのささやかな筋肉痛が、恐ろしい心臓の疾患に感じられます。
もしくは肋骨の下部の痛みは、骨を痛めたのではないかと心配になります。
腰なども同様です。仙腸関節がずるっとゆるんだり、骨盤が可動しはじめると、これまで眠っていた(というか盲目的に力んでいた)筋肉たちが動かされます。するといわゆる筋肉痛になります。しかしこういう筋肉痛はかなり嫌な記憶を想起させます。かつての腰痛の経験であったり、ケガの記憶です。
すると、その嫌な記憶が実際にその症状を起こすことになり、実際に痛むので、また記憶が喚起されるという、悪循環に陥ります。
もちろんすべてが筋肉痛というわけではありません。
炎症にせよ、肉離れにせよ、ケガをしてしまうことももちろんあります。
特に比較的に硬い部位に関しては、ケガの割合が多くなります。
というのは、硬い部位というのは、使い方に根本的なおかしさがあるので、物理的にありえない動きをしているということです。使い方がおかしいというのは、物理的におかしなことをしているということです。肘を逆方向に曲げるようなことを、我々は身体に対して平気で行います。
見ていてハラハラするほどです。それでも数十年も持ちこたえる肉体というのは、本当に頑丈で冗長性があります。しかしきちんと手入れして、正しく使う方がもっと身体は応えてくれます。
我々がオリンピックを見て、なにごとか感動するとしたならば、自分の身体の可能性をそこに垣間見るからでしょう。ほぼ同じDNAで、同じような肉体の人間がここまでできるのであれば、自分も眠っているポテンシャルを掘り起こせるはずだというのは、僕は妥当な考え方だと思います。
話を戻して、では、どうやってケガと筋肉痛を見分けたら良いのでしょう。
端的に言えば、良い痛みと悪い痛みはどう見分けたら良いのでしょうか?
基本的には痛みというのは、異変を知らせるアラームであり、「止まれ」の信号です。しかし、その止まれが本当に危険で行かないほうがいいのか(ケガなのか)、それとも身体が変化に対する抵抗勢力になっているだけなのか(良い痛みであり、筋肉痛なのか)は見分ける必要があります。
これは絶対的な方法などなく、基本的には長い経験と勘で判断するとしか言いようがありません。
ある意味で賭けです。
しかし、いくつか兆候なりヒントはあります。
たとえば、筋肉痛であれば、同じ動きを激しくすると解消することがあります。乳酸がたまっているときや、筋肉が過収縮しているときは、動けば解消します。これは驚くほど即効性があります。
たとえば、新しい振付で踊っていて、翌日動けないほどに筋肉痛になったときなどは、同じ振付を踊ると、解消します。これは新しい筋肉(厳密には新しい使い方)で動いたために、身体が驚いたということです(乳酸がたまり、筋肉が炎症したということです)。しかし、同じ動きを繰り返すと、動きに無駄がなくなり、合理的になり、脳も身体もその使い方に慣れるので、筋肉痛は解消します。
もう1つは骨にアプローチすることです。
つい筋肉に対して気を流してしまいますが、もちろん痛み箇所に流して、それで解消するならば問題ありません。しかし、それでも治らない場合は、骨に流します。するとこれまた瞬時に解消することがあります。不思議な感じがしますが、面白いので試してみてください。
最後に、ハタです。
これも強力な方法です。
スクール中も活躍している方法ですが、強く痛めてしまい、もしかしたら筋肉を傷めてしまったり、筋を伸ばしてしまった、骨を傷めたと感じたときに、その箇所に対して強くハタをかけます。すると痛みが消える場合があります。
これらでも消えない場合はケガですので、猛烈にアライメントを立てることで、一気に直しきりましょう。
安静とかではなく、骨で立ち、骨に重心線をぴったり乗せる感じで、ガッと立つと、かなり回復が早いです。
ちなみにケガでも筋肉痛でも無い痛みというのがあります。
すなわち記憶による痛みです。これはかなり厄介です。
すなわち、何かしようとすると恐怖というフレームが発動して、痛みが生じる場合があります。これに対しては、基本的にはそのフレームを選択しないということと、身体の側から書き換える必要があります。
記憶による痛みというのは、たとえば何か無理矢理ワークをしようとしたり、嫌な人や嫌な場所に行くときに、身体症状として出てきます。これは丁寧に自分を観察していれば、分かります。
この場合は、身体の側からと、その嫌な原因の方も何とかしましょう。
痛みとのつきあいかたというのは非常に難しいのですが、痛みは善き友人ですので、長く付き合うことになるので、仲良くしましょう。痛みを抱えろということではありません。痛みときちんとコミュニケーションが取れれば、すぐに痛みの苦しみからは解放されます。
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Yogaのクラスにおけるケガの痛みと筋肉痛の見分け方
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