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Channel: 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ
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ひたすら単調にハタをやり続ける。全身全霊をこめて。

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ヨーガというと、呼吸に意識を集中させ、リラックスして肉体と対話しながら、身体をほぐしていくイメージがあります。

これは全く正しいイメージです。

しかし実践に移す時に、人によって解釈が異なります。

それまでハードに身体を鍛えていない場合は、なにか意味のない体操のようなものになってしまいます。しかし体操なり、バレエなりをしてきた人にとっては、正しくヨーガができます。

身体がなかなか柔らかくならなかったり、ヨガが上達しないと感じるときは、もしかしたら自分の方法が間違っているかもしれないと考えることです。

「まといのば」では今後はハタヨガがインフラになると考えています。そのレベルの身体は持ちましょうということになります。現在、寺子屋で学んだレベルが最低水準になるのと同じです。

それまで学校の体育以外であまり身体を動かす機会がなかった人にとっては、Yogaのイメージとはずいぶん違うと感じるのではないかと思います。
端的に言えば、Yogaとは激しい筋トレです。それも相当に専門的な筋トレだと考えるとぴったりするかもしれません。

我々が少なくとも知っていることは、同じ筋トレをするのでも、使う筋肉を意識したほうが結果が大きく変わるということです。これは我々の物理学的、生物学的な直観に反します。
物理学で言えば、負荷がかかり、その負荷に応じて、筋力が鍛えられると我々はリニアに考えがちです。また生物学的に考えても、生化学的に考えても、筋出力は化学反応でしかなく、それは確かに脳神経系からの伝達物質によって収縮するにせよ、負荷の大きさに比例して筋肥大すると考えがちです。
これはざっくりと近似解としてはその通りです。
軽いダンベルでちょこちょこ筋トレもどきをしているのと、300kgのフリーウエイトでは自ずと結果は変わります。


そういう話をしているのではないのです。
同じ条件、同じ体格で同じ重量の負荷でトレーニングをしても、意識をするか否かで結果が変わるということです。
これをボディビルダーとバレリーナは同じアドバイスをします。正しいポジションで、と。
使う筋肉を正確に意識していると、ポジションが正確になるのです(もちろん指導者による修正のフィードバックを絶えず受けることが前提です)。

物理学的な直感、生化学的な直感と異なり、筋トレの結果というのは、意識に依存します。
これは事実なので、そこからスタートしましょう。

これはなぜなのかと言えば、ある部分を鍛えようと思っても、そこに意識を集中させないと、他の筋肉に代償させてしまうからです。筋肉もまた脳と同じく分散処理システムなのです。
こびとたちの分業体制なのです。

しっかり「ここを鍛える」とマーキングしておかないと、他の部位が参加して、負荷を分散させてしまうのです。ボディビルディングではチーティング(カンニング)と言ったりします。ズルですね。回数を上げることを優先させると、何が何でも上げてしまうので、このように他の部位を使っても上げてしまうのです。

優先させるべきは、(ボディビルディングの場合は)特定部位の筋肥大です。であれば、そこが焼き切れるまで負荷をかけるべきです(焼き切れるというのは比喩です。グリコーゲンを燃やし尽くして、筋繊維が切れて、筋力がほぼゼロになるまでということです)。ちなみに階段も上れないくらいにクタクタになります。軽いプロテインのシェイカーもにぎれないくらいに筋肉がバカになるのです。そこまで追い込まないと筋肉は変わらないのです。

余談ですが、普通は正しいポジションと限界一歩手前の負荷をかけるように言われますが、意識的にチーティングを入れることで、回数を水増しするというトレーニング法もボディビルディングではあります。相当に正確にできることが前提とはなると思いますが、脳のカラクリから考えると、面白いと思います。自分の限界が4レップスだとして、チーティングで3レップスを上げたとして、そこから正しく1レップスを上げると、カーネマンではないですが、なぜか自分の限界が4から8レップスへ増えたように脳が確信してしまうのです。するとその次からはそれが現実になります。少なくとも正しいポジションで4レップスやるよりも、脳が勘違いして筋肥大するでしょう。ただこれは正確に限界まで追い込むことができることが前提です。
それができなければ、すべてチーティングでベターっと意味のない筋トレをすることと同じになります。スポーツジムなどで見られる漫然とした筋トレがそうです。
ただマシンをガチャガチャ動かせば筋肉は肥大するわけではないのです。
まずは筋肉の前に頭を鍛えることが重要です。
そして、ボディビルダーたちは非常にクレバーです。筋肉お化けではないのです(どんなことにも例外はありますが)。


*脳という臓器をいかにコントロールするかが、コツです。

とは言え、我々はある筋肉をマーキングして、これを鍛えるという形ではハタをやりません。
むしろマーキングするとしたら、全身の筋肉をマーキングして、「すべての筋肉が発火せよ」と命令します。もしくは「体軸で動かせ」、「センターから動け」というイメージです。
いわゆる武道で言うナマの力とハタの力(気の力でもいいのですが)は全く異なります。
ナマの力とは要素還元主義的な力です。ある部位だけを発火させます。ハタなり気の力は全身から出します。
じゃあ、ボディビルダーたちは間違っているのでしょうか。

これは半分イエスで半分ノーです。分かりやすく言えば、ある部位だけを肥大させるという意識のさせ方はNGです。しかし彼らの姿勢を見れば分かりますが、きちんと全身のポジションを整えて、全身を連動させて、特定の部位の筋肉に意識を集中させています。すなわち、ハタと同じなのです(いや、そうじゃなくて、ボディビルダーやバレリーナや体操選手やらが無意識で普通にやっていることを持ち込んで論理化したのが「ハタ」です)。

こういう身体系のワークをしていていつも思うのは、今の人は本当に重いものを持ち上げた経験はないのだろうかということです。自分を超える圧倒的な存在と対峙する経験が無いと、幼児的な全能感から逃れられません。もちろん本当に重いものを持っている人々でも、それでも間違った使い方を修正しなくてはいけませんが、持っていない人に比べると、持っている人は圧倒的に速く身体を修正できます(もちろん古いフレームが邪魔することもありますが)。
重いものを持ち上げる経験をするのは簡単です。壁を押してみればいいです。押して動かさないといけないと思って押してみることです。もしくは窓枠などを持ち上げようとしてみてください。頭の血管が切れるくらいに力を込めてみると、ハタの感覚が浮かび上がってきます。

頭の血管が切れるとか筋繊維が切れるとか筋繊維が断裂するとか、内出血するとか、非常に暴力的で野蛮な感じがしますが、ハタヨガをされている受講生達が感じるように、普通のいわゆる普通の身体の使い方のほうがはるかに暴力的です。身体を地面に叩きつけながら歩き、ありえないバランスで筋肉を壊しながら立ったり座ったりしています。そして壊しても、そのことに気付かない鈍感さ故にそれが普通と思っています。

見た目の暴力性と、実際の暴力とは異なるのです。


Yogaスクールでは、筋トレのようにガンガンとハタをやりながら、どんどんアーサナが洗練されていっています。普通は10年待って、神の恩寵を待つところを、自覚的にあたかも自分好みにデザインするかのように、簡単に身体が変わっていくのは面白いほどです。



スクール生が口をそろえて「身体ではなく頭を使うんですね」と言います。

頭を使うと言っても、フレームを選択するという意味です。通常とはずいぶんと異なる頭の使い方です(とは言え、単に深い変性意識に入り、きちんとフレームをつかむだけなのですが。フレームがつかめたかどうかはすぐにアーサナでテストをしてみれば分かります。この結果のチェックの素早さと明確さがYogaの魅力です)。

分析的な左脳を止めて、正確なビジョン(フレーム)を想起します。
Yogaをする同士で、お互いを見ていれば分かりますが、正しいフレームを選択したかどうかはアーサナに入る前に分かります。間違ったフレームを選択して、そこを努力と根性で突っ走られても、怪我するのがオチです。自己満足は得られるかもしれませんが、ハタヨガの果実は得られません。得られなければ、そのトライアルは無効ということです。努力したけど、できなかったということはハタヨガに関してはありません。有効な努力ができていなかったということです。

フレームをきちんと選んでアーサナを取り、そのポーズの限界で適切なハタを行い、アーサナがよりエレガントに(前屈ならより深くできるということです)できることを確認して、そのフィードバックをしっかり脳に刻んで、再びハタをして...という繰り返しです。



自分が改善したい柔軟性とは正反対のベクトルにハタをするという厳密さと、そのハタの力を強めるという(ベクトルの矢印を限界まで伸ばす)という作業を黙々とやるだけです。
もちろんアーサナが複雑になってくると、知恵の輪的な側面が出てきますので、コツを教わる必要があります(コツを教わるか、もしくは自分で発見しないとハタだけでは対応できなくなります)。
ただ知恵の輪などそれほど多くないですし、クリアしたアーサナが増えれば増えるほど、知恵の輪の勘所が見えてきますので、知恵の輪の解消が楽になります。この知恵の輪の感覚自体は結構、楽しい作業です。知恵の輪が外れるたびに身体の地図が書き換わり、自分の身体の認識が変わります。

とは言え、ほとんどはハタをして、身体を変え、ハタをして身体を変えるという地道な作業です。これは地道すぎる作業で、いわば流れ作業のようなものです。黙々と単調なハタとフィードバックを繰り返します。24時間。

身体はどんどん生まれ変わるのですが、傍で見ているより本人は冷静です。

ハタをやれば身体が変わるのは分かっているので、ただひたすらに続けるだけだからです。





Yogaスクールで圧倒的な身体をつくりましょう!

*Yogaスクール1期3月開催の日程は本日発表します!


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