以前の「まといのば」のセミナーでは、よく偏差が起こる人がいました。
各回、必ずお一人は偏差が生じており、講師としてはいかにその芽を早めに潰すかが課題でした。
気功技術伝授によって、圧倒的な力を得てしまうと、自分がこれまで到達できなかった深さに変性意識が届き、軽く願っただけで望むことが現実化するようになります。
それが分かると、一番望んでいたこと(そして諦めていたこと)を実現したくなります。
それが神秘体験です。
ある程度、成長すると神秘体験というのはあくびのようなもので、ありがたがるものではなく、単なる睡眠の予兆や酸素不足であることが分かるのですが、知らない頃はありがたいものだと思いがちです。
その神秘体験の入り口に偏差があると思ってください。
偏差というのは、身体ふるえたり、手がうごかなくなったり、手が勝手に上がっていったり、良くない変性意識状態に深く入り、目が虚空を見つめてしまったり、身体から意識が切り離されてしまったりすることです。
もちろんそのまま放置すると、叫びだしたり、泡を吹いたり、転げ回ったりします。
(悪魔憑きや狐憑きなどがこれに当たります。ある程度、コントロールされていればチャネリングや自動書記です)
ちなみにそのような偏差の暴走を歓迎する集団がいるのも理解しますが、「まといのば」は全く歓迎しません。
そのような暴走を「弾ける」と言って、場の変性意識を深めるために使う集団(というか指導者の方)もあります。
ただ、うまくいけば良い方向に行くかもしれませんが、滑りやすい坂を歩くようなもので、転落のリスクしかありません。坂を上がりきる可能性は低いのです(そしてもっと簡単にもっと冷静にもっと楽しく上に行く方法はいっぱいあるのです)
「まといのば」では、かなり早い段階から偏差の芽を摘み取るようにしています。
かなり強制的にその変性意識状態から抜け出させます。
ちなみに偏差が起こっている人は、その状態を無意識に肯定していたり喜んでいることが多いです。むしろ神秘体験として歓迎していることが多いです。
そして、神秘体験であることは間違いないのも事実です。
しかし、すべての神秘体験が良いわけではありません。
神秘体験は抑制され、冷静な頭と身体で普通に体験すべきものです。
もし熱狂があったとしても、抑制が不可欠です。
狂気があっても、抑制が必要です。
抑制され、冷静であれば、熱も狂いも悪いことではありません。
偏差から神秘体験への道があり、そこに間違った喜びがアンカリングされている場合は、その偏差も神秘体験も、場の支配者としては、奪いにいきます。
(なぜ唐突にこの話をしているかと言えば、最近「まといのば」でヒットしている某技術がベテランたちにすら大きな偏差を引き起こしているからです。偏差を起こすメンバーを見たのは数年ぶりです。それも素人ではなく、プロの人たちです。
それだけ技術が強烈だったということですが、それにしても驚かされました。
BootCampでは、技術の引き上げも示唆したほどです。「技術に振り回されるのであれば、取り上げる」と。
ちなみに技術自体は昨日のセミナーと来月のスクールまで公開して、その後は引き上げる予定です。危険すぎるので。そして代替の技術はすでにありますので)
なぜ偏差を否定し、安い神秘体験を取り上げるのかと言えば、その先の可能性に期待しているからです。
フルコースを食べる前に、ジャンクフードでお腹を満たすのは得策ではないからです。
セミナーに来て、もっとすごい世界を、もっと可能性の広がる世界を普通に見ようとしているときに、なぜ低級の喜びでチャンスをふいにしてしまうのでしょう。
もったいないことです。
でも、無意識は久々のご馳走(ちそう)の香りに胸を膨らませてしまい、喜んでしまうので、そのポテトチップスに水をかけるのが「まといのば」の仕事です。
美味しいものはお腹が空いた状態で食べましょう。
(そしてそのジャンクフードは生活習慣病への一里塚ならぬ魔境への誘い水になるので)
フルコースは目の前にほぼ約束されているのです。マシュマロ・テストを耐えましょう。そして、その安い神秘体験を良しとする先入観から自分を脱洗脳しましょう。