整体はコミュニケーションです。
クライアントさんとヒーラーのコミュニケーションです。
コミュニケーションの目的は謎解きです。
謎が解ければ解けるほど、健康になり、快適になり、IQが上がり、不調が解消し、ゴールが達成されていきます。
コミュニケーションですので、双方向的ですし、工夫も必要です。
たとえば、内転筋群をゆるませようと思ったときに、フィードバックが欲しいと思い、施術前に内転筋に触れ、施術後に内転筋に触れたいと思ったとします。
それは良いことなのですが、単に触れてチェックするだけでは、コミュニケーションになりません。
ですので、声がけが必要です。
単に「これから内転筋群をゆるめていきますねー」ですとちょっと弱いです。
「シャンプーに入りますねー」くらいの感覚で内転筋群をやってはいけません。
ヒーラーにとっては大腰筋をゆるめて、内転筋群をゆるめて、、、というのはルーティーンでしょうが、クライアントさんにとっては違います。
なぜ、大腰筋をゆるめるのか、なぜ内転筋群をゆるめるのか、その施術がどう効果的なのかに関する「物語」が必要です。
その上で、内転筋群に触れながら、「ここが硬いですよね」と声がけして、クライアントさん本人にも触ってもらうことで、クライアントをアドベンチャーに巻き込めるのです。
「なるほど、たしかに硬いけど、なぜ硬いんだろう、これがゆるんだらどうなるんだろう」という謎と期待感をもたせることです。
その上で、恥骨を中心にしてストレッチして、内転筋群をゆるめながら、実際にゆるんだことをチェックしてもらいながら「内転筋群の拘縮がゆるんだので、歩きが爽快になりますよ」などとメリットを提示します。
もしくは単純に固まっていた筋肉がゆるむだけでも嬉しいものですし、「拘縮した筋肉がゆるむと、脚は細くなりますねー」という声がけでもOKです。
クライアントさんが「どうしてここが固まったのですか?」とか「なぜ脚がゆるむと、脚は細くなるのですか」などの質問が来ればこちらのもので、そこから新たなコミュニケーションが始まり、そして身体の謎解きが始まります。
バレエダンサーなどは、脚が閉じなかったりします。
仰向けに寝てもらい、脚を軽く持ち上げて、脚を軽く閉じようとすると、閉じないのです。
抵抗があります。
脚と脚の間に見えない風船を挟んでいるかのように、脚が閉じないのです。
不思議な現象です。
このカラクリは、、、、
これも、本人に自覚させると良いです。
グループでセッションをしているときなどであれば、お互いに仰向けでチェックし合うと面白いです。
真面目な子ほど閉じず、上手な子は閉じます。
このカラクリは、、、、中殿筋です。
中殿筋は外転筋と思われていますが(実際にそうですが)、中殿筋を使った外転をすることはありません。
アラセゴンに出すときも、実際は股関節の屈曲です。
じゃあ、中臀筋は何をしているかと言えば、遠心性収縮で身体が外に倒れないようにしているのです。
ですから、センターのための筋肉とも言えます。
片足で何かをするときは(バレエはほとんどそうですが)、中臀筋が猛烈に働きます。
ですので、中臀筋はいつも予備緊張をしていて、緊張が抜けません。
そのために、寝ていても中臀筋が働いて、脚が外転しようとします。そのために、脚が閉じないのです(閉じる方向は内転です)。ちなみにこれは数ミリとか数センチの話です。
外転方向の中臀筋が猛烈に強いので、脚を閉じなくてはいけない(内転させなくてはいけない)バレエにおいては、内転筋群はいつも使います。
内転筋群と中臀筋のシーソーゲームです。
で、両方とも強くなります。悪い意味で強くなり、拘縮します。
そのために内転筋群が固まるのです。拘縮して、抜けなくなります。
そこにヒーラーがあらわれて、内転筋群をゆるめると、、、、、もっと脚が開くようになるので、中臀筋もセットでゆるめます(^o^)
そうすると、脚は猛烈に軽くなります。
これまで、拘縮して力が無意識に入っているところにもっと力を入れていたので、辛かったのです。
力学的エネルギーは、筋肉の収縮によって生まれるので、脱力状態からの収縮は大きなエネルギーを生みます。またシーソーゲームのように釣り合っている場合はお互いが打ち消し合ってしまいますが、双方ともに脱力していると、エネルギーの節約になります。
内転の力から外転の力を引くと、内転の力になり、外転の力から内転の力を引くと外転の力になります。
(内転のパワー)ー(外転のパワー)=実際に外に現れる内転の力
(外転のパワー)ー(内転のパワー)=実際に外に現れる外転の力
です。
ですから、両方とも力を入れているとロスが大きいのです。
ただほとんどの場合は両方ともに力を入れようとしているのではなく、入ってしまっているのです。いつも入っていて(だから固くなっていて)、そして何かをしようとするときにもっと力を入れなきゃいけないので辛いのです。
楽な身体を目指しましょう!!
というようなコミュニケーションをしながら、身体の快適さを阻害しているものは何なのかを謎解きしていきます。身体に関しては非常に面白いミステリーがたくさんあります。
直感的ではない方法もたくさんあります(たとえば肩こりの場合、凝っている場所を本当に手技でゆるめてはいけない、とか)。
そのミステリーやパラドックスをクライアントさんと共有しながら、楽しんで謎解きをしていき、メリットというアイテムを次々とゲットしていきましょう!!!