ちなみにローテーターカフは表面にありそうで、実際は深層筋です。
深層筋というのは、深いところにある筋肉ということです。
深層筋ですが、解剖直観側で考えると表層に近いとも言えます。
第一に、棘下筋は肩甲骨のおかげで比較的に表面に出ていますが、ほかは全部深層筋です。肩甲骨についているから表層のようですが、実はその上に三角筋が乗っていたり、僧帽筋がびっしりと重なっています。
ですが、僧帽筋は比較的ペラペラなので、きちんと僧帽筋がゆるめられればアクセスできます。
三角筋も同様です。三角筋をきちんとゆるめられればアクセスできます。
肩というのは、他の関節とちょっと違います。
他の関節は靭帯という筋膜でガチガチに固定されています。サポーターみたいなものですね。膝を故障したときに、膝をサポーターでぐるぐる巻きにするようなイメージで靭帯で固定します(ですので、靭帯が切れると大変です。プラプラになってしまいます)。
ですが、肩は自由のために(笑)、靭帯の拘束を逃れました。リバタリアンですね。
肩を自由に動かしたいので、靭帯をなくしたということですね。
その自由の代償として、、、、脱臼しやすくなりました。関節が外れやすくなったということですね。
肩関節についてはそんなイメージを持っていてください。
強い靭帯をもたないので、非常に自由に動けるかわりに、痛めやすく、外れやすいのです。
ですので、肩を脱臼する人は繰り返し脱臼しやすくなるのです。そもそもの強い靭帯のアシストが無いからです。
ちなみにこれはダンサーたちの身体も同じです。新体操選手やコントーショニストたちも同様です。彼らの身体にはもちろん靭帯はありますが、ゆっくりと時間をかけて靭帯を伸ばします。ですので、靭帯がバカになっているのです。ですので、過伸展が可能です。
ですので、ダンサーの身体を目指す必要はありません。柔らかいから良い身体というわけではありません。
これについては以前も繰り返し書いてきましたが、「柔らかい」という概念は2つの概念が混ざっています。
ひとつは「可動域の広さ」です。過伸展などは可動域です。
もうひとつは筋肉の質、柔らかさです。
ちなみに身体が柔らかい人(可動域が広い人)は、筋肉の質が良くて柔らかいことが多いのも、混乱に拍車をかけます。
ただし、ROMは完全に種目に依存するので、ある部分で柔らかくても、全部が柔らかいわけではありません(可動域の話しです)。
そして、体操やバレエやコントーションのために柔らかくした人(可動域を広げた人)というのは、靭帯を伸ばしているケースが多いです。ですので、競技中も慢性的に身体は痛いですし、競技人生が終わって、筋肉が一気に落ちだすと、靭帯の代わりをしていた筋肉が落ちることによって、関節が不安定になって、痛みが激痛に変わるということはよくあります(そして痛くないように代償を繰り返して、身体が歪むようになります。悲惨です)。
まあ、それはともかく、、、ローテーターカフというのは肩関節の安定性に寄与してます。
ただ、肩関節というか、上腕骨の位置異常の人は多いので、三角筋にせよ、僧帽筋にせよ、ローテーターカフにせよ、猛烈なストレスがかかっていて、それが長年続いていると、痛みます(そこに加えて、タンパク質不足です。これはアディトレのコンテンツになりますが、筋肉の問題はかなりタンパク質不足という栄養失調が原因のこともあります。材料がなければ、筋肉はつくれません。
同様に肝臓も腎臓もプロテインでできています。
ペプシンもアミノ酸からできています。ペプシンというのは胃のタンパク質分解酵素です。
炭水化物は口で消化しますが(唾液アミラーゼ)、タンパク質は胃で消化します(ペプシン)。
ペプシンはアミノ酸由来ですので、タンパク質が足りていないと、胃液が足りなくなり、プロテインを摂った時にもたれます。そうすると、プロテインを食べることを忌避します。するとますますペプシンがつくられず、、、という悪循環です。
タンパク質の摂取量が少ない → タンパク質が少ない → アミノ酸が少ない → ペプシンが少ない → タンパク質を摂ると胃がもたれる → タンパク質の摂取量が少なくなる →(頭に戻る)
という悪循環です。
このパターンは繰り返し出てくきますね。
この悪循環にハマると、「私、お肉は身体に合わないの」となります。そしてゆっくりと谷底に落ちていきます。
もちろん宗教上の信念や、それに近いベジタリアンやビーガンでしたら、植物性でタンパク質を摂ることになります(おすすめは乳製品を解除して、ホエイタンパクを摂るか、もしくはヘンプ。そして、最近ではEAA=必須アミノ酸を薦めています)。
ちなみにベジタリアンやビーガンじゃないけど、身体が肉を受け付けないという場合は、アミノ酸からスタートして、少しずつ慣らしていくと良いと思います。
突然、ホエイプロテインは厳しいです。消化された状態(アミノ酸)で摂取しましょう!!
消化の負担をかけずに、吸収させて、身体にアミノ酸を放り込みましょう(腎臓や肝臓への負担という説はとりあえず悪い冗談だと思って、一蹴して良いです。ただ、徐々に増やしていきましょう。もし内臓に負担があるとしても、慣らしていけば慣れます)。
閑話休題(話を戻して!!)
ローテーターカフのゆるめ方ですね。
その前にローテーターカフの復習です!!
ローテーターカフは上から棘上筋、棘下筋、小円筋、そして裏側にまわって肩甲下筋でした!!
ちなみに起始はシンプルですが、停止はもっとシンプルです。
全部上腕骨に付着します。そりゃそうですね。肩甲骨と上腕骨を結ぶのがローテーターカフです。
そして、上から
棘上筋・・大結節上部
棘下筋・・大結節中部
小円筋・・大結節下部
肩甲骨の表面側にあるローテーターカフはすべて大結節に停止し、上から順に上部、中部、下部とおぼえてください。シンプルです。
棘上筋・・上部
棘下筋・・中部
小円筋・・下部
です。
もちろん、上腕骨の大結節の上部、中部、下部ですね。
ただ、肩甲下筋だけは小結節につきます。裏側なので、小さいと覚えてください。
肩甲下筋・・上腕骨の小結節・小結節稜の上部
です。
ちなみに小結節稜ということで言えば、大円筋も上腕骨の小結節稜にくっつきます。
小円筋と大円筋は並走していますし、似ていますが、実は大結節につくか、小結節稜につくかで機能が真反対になります(小円筋は上腕骨の外旋ですが、大円筋は上腕骨の内旋です。反対ですね)。
これも言葉で覚えないで、場所で覚えると良いです。場所のあとに名称です。
起始停止を具体的な場所で覚えると機能が推定できるようになります。場所のイメージです。
ということで、ローテーターカフのゆるめ方ですが、起始からゆるめる方法があります。
起始が広く、停止が狭いので、起始よりも停止を攻めたいのですが、停止は三角筋に覆われているので、起始がまずは楽です。
たとえば棘上筋であれば、触れるだけでも激痛の方がいますので、なでるだけで最初はOKです。だんだん押して言ってください。
棘下筋と小円筋に関しては(特に棘下筋は)肩甲骨剥がしの要領で肩甲骨を下画から指を入れて、その状態で肩甲骨を固定した上で棘下筋を押すと良いです。
*画像はイメージです!
ちなみに肩甲下筋に関しては、肩甲骨剥がしの要領で、肩甲骨の裏側から押してあげると(つまむようにすれば)肩甲下筋はゆるみます。
ただ、そこで気をつけたいのは、そのときに前鋸筋も挟まっているということです。
肩甲骨剥がしでアプローチすると、実は肩甲骨・肩甲下筋・前鋸筋と圧を加えることになります。
前鋸筋が硬ければ、肩甲下筋にはアプローチが少し難しいです。
(ですので『前鋸筋』というワークで、前鋸筋と肩甲下筋を効率的にゆるめられます。これは便利です)
ただ一番やりやすいのは、、、、、
そう停止部からのアプローチです。
思い出すと、付着部はすべて大結節です。
棘上筋・・大結節上部
棘下筋・・大結節中部
小円筋・・大結節下部
三角筋をしっかりゆるめられれば、大結節にアプローチできます。
(肩甲下筋は上腕骨の小結節ですので、上腕骨の骨頭なので同じです)
三角筋のゆるめ方はまたやりましょう!!
でも、これも実はシンプルです。停止への筋膜リリースです!!
停止部が分からない場合は、(いつものように)筋肉を収縮してもらうと分かりやすいです。
というわけで、ローテーターカフのゆるめ方でした!
ただ、ローテーターカフに問題があるのが明確であったとしても、ローテーターカフからトライしないでください。
できれば、まずは下半身からスタートして、土台をしっかりつくりましょう。
上半身であっても、たとえば大胸筋や胸鎖乳突筋をゆるめた方が良いことは多いです!!
肩こりのときの僧帽筋上部と同じで、もし上手にゆるめられたら増悪するというケースもあります。
まずは下から行きましょう!!