身体の抽象度の階層性を意識はとても役に立ちます。
身体の抽象度の階層性を明確に意識すれば、バレエを含め身体操作を改善していく上でも、ヒーリングにおいても、劇的に効果があります。
最初はシンプルな系で考えましょう。
たとえば、まず見た目です。
姿形(すがたかたち)ですね。
表面から見えるものです。
そして筋肉、最後に骨格です。
姿形 → 筋肉 → 骨格
の順に抽象度が上がると考えます。
たとえば前屈という形を考えても、姿形だけを見ると、身体が前に倒れてペタッと上半身と下半身がくっついているとだけしか見えません。
「これはすごい!!!」としかならないのですが、一足飛びに骨格の抽象度で考えると、腰椎と大腿骨が近づけば良いということになります。
そうすると折るべき場所は、、、一番可動域が大きい股関節ということになります。
「いやいや、当たり前でしょ」と思うかもしれませんが、試しに無邪気に前屈をしてみてください。その場でw
そうすると確率論的に一番多い前屈は、、、、腰椎を折っています。
そこは折れませんから、、、
腰椎、すなわちお腹のあたりを凹ませるように折って、前屈ができないと言っている人が8割くらいです。
1%くらいの人は最初から前屈ができます。
残りはいろいろですが、ハムストリングスが硬いとか、腸腰筋がなんだかんだと言って、諦めます。
でも、「身体の抽象度の階層性(レイヤー)」を使うと、意外とあっさりと前屈が進化できます。
ちなみに、ここで階層性を移動するときに足に絡みつくものは、「毎日ストレッチしています!!」という経験です。
たくさんストレッチしている人はたくさん足に絡みつくのです。
いや、正確には、「たくさん正しくないストレッチをしている人は」、階層の移動の際にその経験が思いっきり邪魔をします!
経験が邪魔するというのは、皮肉なものですし、悲しいことですが、事実です。
逆に、これまでがんばってストレッチしてこなかった人のほうが、解剖学的な説明を受けて、ちょっと気功を意識すると、突然柔らかくなります。
前屈はもちろんのこと、難解なヨーガのアーサナ(ポーズ)なども同様です。
同じように、なまじっか解剖学を勉強していることが、足に絡みつく海藻のようになっている場合もあります。
解剖学というのは、極端に抽象化していますし、死体で考えるクセがついているので、自分の限界が学問の限界になりがちです。身体が動かない人が自分の身体の限界から演繹してしまうので、Y字やガラケー状態の前屈は「身体を壊している」という発想になりがちなのです。
その感覚を解剖学を通じて学んでいる人は、新しい解剖学をいくら学んでも、どうしても受け入れられなくなるのです。
抽象度の階層性の移動が困難になるのです。
ですので、解剖学もよく知らず、ストレッチもがんばったことが無い人が、あっさり超絶技巧なアーサナ(ヨガのポーズ)や圧倒的な柔軟性を獲得できたりします。
ケインズの言う通り、困難は新しいアイデアを得ることではなく、古いアイデアから逃れることなのです。足に絡みつく古いアイデアから逃れることです。そもそもそのようなアイデアが無い人は幸いなのです。
で、今週の「はじめての気功」ではこの先の身体操作の抽象度へ迫ります。
ざっくりと見取り図を示します。
まず我々が依拠するのは、シンプルな3層構造でした。
姿形(すがたかたち) → 筋肉 → 骨
です。
ちなみに、これらはどれも情報です。
認識した瞬間に、操作可能な情報となります(もちろん限界はありますが)。
その不思議な感覚も味わってみましょう。
たとえば、姿形という情報を手に持って、それをスライムのように感じて、グニャグニャと動かすだけで、簡単に相手の柔軟性を変化させられます。
これは魔法のようですが、単なる内部表現書き換えです。
気功において、知識は重要ですが、本当に気功を使える人は知識無しでも書き換えはできるという良い例です(逆に知識がスコトーマを生じさせることもあります。諸刃の剣なのです)。
筋肉や骨での書き換えはおなじみですが、これも体験しておきましょう!!
(たとえば、Y字のときの骨盤や、前屈のときの腰裏の筋肉などで)
その上で、この見取り図(マップ)をもう少し丁寧に観察すると、こうなります。
姿形 → 皮膚(運動学) → 筋肉(→骨) → 神経 → ホルモン
です。
筋肉から踊り場に上がると、骨という感じです。
骨は単独で動きません(夜中の理科室の骸骨は別ですがw)。
ですので、骨は筋肉の亜種として分類すべきです。
また姿形と筋肉の間にある踊り場が皮膚です。
かつてゴムゴムと言っていましたが、この皮膚もかなり実は重要です。
皮膚と皮下の滑走が悪いことで、運動を妨げていることはよくあります。
筋肉はあるけど、動きが悪いときに、ちょっと皮膚をつまんであげるだけで、ガラッと変わったりします。
たとえば、側屈などで、この驚きの感触を試してみましょう。
側屈の際に、伸びる方の皮膚をちょっとなでることです(それもたとえば肋骨下部をピンポイントで)。
皮膚運動学はかなり面白い知見がたくさんです。もちろんこれは皮膚と皮下だけに限定することなく、筋肉同士の滑走も同じだと考えれば気功技術「ミルフィーユ」の元となったオステオパシーっぽい考え方になります。
これらの面白いワークをやるときのポイントは、いま自分がどのレイヤーでワークをしているかを意識することです。当たり前のようですが、意外と意識できていないことが多いのです。
いま、自分は皮膚から書き換えをしようとしている、とか、いま骨格から書き換えをしようとしているなどということをしっかり認識して、レイヤーを移動するのがポイントです。
最終的にはDotsと呼んでいる点で身体を操作します。
Dotsはかなり抽象度が高いので、下にたくさんの情報がぶら下がっています。より正確に言えば、潜在的にたくさんの情報を持ちます。
そして、素早く、驚くほど身体が変わります。
この感覚は面白いです(過去記事にいろいろと書いてあるので、興味ある人は参照してください)。
今回はそこにAddictionとホルモンについても、導入します。
たとえば、RayZapでもそうですし、「まといのば」のヨガスクールでもそうですが、
身体のレイヤーを、姿形→皮膚→筋肉→骨、だけではなく、そこに神経とホルモンを追加します。
姿形→皮膚→筋肉→骨→神経→ホルモン
たとえば、筋トレを1セットやるだけで、一瞬で体型が変わったり、柔軟性が上がったりします。
なぜでしょう?
気功を使っているから?、いやその通りなのですが、それでは回答になっていません。どう使っているかがポイントです。
当然ながら、一回の刺激で筋肉が破壊と超回復をするわけではありません。
運動生理学を真面目に勉強していると、筋肉だけでしか発想ができなくなりがちです。
なぜ一瞬で身体が変わるのでしょう。
このカラクリはシンプルです。
神経です。神経線維が伸びるわけではありません(それではオカルトです)。
平たく言えば、筋肉を動かす神経が賦活したのです。刺激に対して反応し、次の刺激に対して待機しているので、身体のラインが変わったり、可動域が広がったりします。
しかし実は神経だけではありません。
たとえば、筋肉の破壊と超回復であれば、24時間や48時間が必要でしょう。
姿形を変えるには、3ヶ月ほどは必要と言います。
しかし、神経はほぼ秒単位で変わります。
それ以上にもっと早いものがあります。
光よりも速く、タキオン並のものもあります(とジョークでよく言います)。
刺激を送る以前から働くものです。
そう、ホルモンです。
ホルモンはプライミングで流れます。刺激より前に流れるのです(刺激後にも流れます)
我々の身体を支配しているのはホルモンです(その上位概念もあるのですが)。
フェロモンに誘引されるように、我々はホルモンに翻弄されます。
このレイヤーの感覚をしっかり持つと、身体の抽象度の階層を自由に移動できます。
そして移動を妨げる古い間違ったアイデアについても、意識に上げやすくなります。
そんなセミナーを今週開催します!!(って、スクール並ですね、いつもながら)
お楽しみに!!
*今回のセミナーはバレリーナ向けではありません。バレエにもかなり使えますが、基本的には一般向けです!
【はじめての気功『身体操作の抽象度 〜Dotsによる圧倒的な動きの実現(&Addictionとホルモン)〜』】
【日時】 4月18日(木) 19:00~21:00(21:30まで質疑応答!)(延長予定有り!)
【場所】 東京・四ツ谷の「まといのば」のセミナールーム
【受講料】 3万円
【受講資格】 ブログ読者(全部読んでいなくても大丈夫です)
【持ち物】 筆記用具と動きやすい服装
【お申し込み】お申し込みはこちらから。