フェイスブックのナンバー2であるCOOシェリル・サンドバーグが「シリコンバレーで書かれた最も重要な文書」と称賛したネットフリックスのカルチャーデック!
https://jobs.netflix.com/culture
そのラストはあの星の王子さまで有名なサンテグジュペリの名言で締められていました!
生き馬の目を抜くようなシリコンバレーで最も成長した企業の一つの人材育成や雇用、解雇についてのルールブック的なもののラストがサンテグジュペリです。
でも、これはひとつひとつ上から読んでいくと、必然的な気もします。
https://jobs.netflix.com/culture
If you want to build a ship,
don’t drum up the people
to gather wood, divide the
work, and give orders.
Instead, teach them to yearn
for the vast and endless sea.
Netflixの物語というのは、読みようによってはヒーリングの物語に読めたり、コーチングに読めたりします。
たとえば、ビジュアライゼーションということについては、かなり厳密に書かれています。
(たとえばルー・タイスの片腕と目されるコーチの一人は、そのコーチングスキルのほとんどをすべてをビジュアライゼーションに賭けています。これは当然と言えば、当然です。なぜならゴールが非常にシンプルだからです。ゴールがシンプルである以上はあとはゴールの臨場感を上げるだけです。その臨場感の上げ方はたくさんあるのですが、その一つにきわめて長けています)
ネットフリックスのカルチャーデックを巡る物語にも、ヒーリングであり、コーチングです。
Netflix本を持っている方は「6か月先を考える」の項目を是非読んでみてください。
これはまさに理想的なゴール設定について、そしてそのビジュアライゼーションについて書かれています。
そこにはこんな風に書かれています。
たとえば、今から6か月後、自分は史上最高のチームを指揮し、心の中で「いやあ、すばらしい人材が揃ったものだ! 信じられないほどの業績を達成しているぞ」と叫ぶ、と。
そして、具体的に6か月後には達成しているはずのことを書き出します!具体的な数字があればなおよしです。
そして、それを達成する様子を記録したドキュメンタリー映画を脳内で作り再生します。
その上で、現状と未来のドキュメンタリー映画のギャップを感じ、そのギャップを埋めるにはどんなスキルや経験が必要かを考えます。
問題は、ほとんどの人が今のチームを出発点として、まだまだやれる、きっとすばらしい業績を達成できる、と考えることにある。(略)それよりも、将来のビジョンを出発点として、理想のチームをつくる方がいい。どんな問題をいつまでに解決したいかをはっきりさせ、そのために必要な人材とノウハウを洗い出し、それから考える。「新しい状況に対応できるチームをつくるには、どんなことができる体制を整え、どんな人材を採用する必要があるのか?」
まるでルー・タイスのコーポレートコーチングのようです。
ただネットフリックスでは、組織はリヴァイアサンのようなもので、未来に有用かどうかで雇用と解雇が決まります。猛烈な新陳代謝をします。
そこでは個人の課題が会社の課題(ゴール)と一致するばかりか、それを解決するにふさわしい人材かが厳しく問われます。しかし理想的なマッチングシステムとも言えます(面白いことに、他者の面接を積極的に受けて、自分の市場価値をいつも確かめることを奨励するそうです)。
組織の論理が優先すると言うと、非常に非人間的な気がしますが、組織ってそんなものです。
というか、共同体というのは、共同体自身の生き残りが最優先されて、個々の細胞の生き死には大きな問題ではありません(我々も胃の細胞死んだり、角質がはがれることを気にしたことはありません。しかしそれが大規模になって、生体全体をおびやかす場合は別です)。
個々の細胞はきわめてフラジャイル(脆弱)でも、全体としてのシステムが反脆弱なのが生体のシステムであり、その生体というのが、個々人ではなく、共同体であったということです。
この感覚は重要です。
感覚というか、知識ですね。
この知識は重要です。
幸いなことに、我々はいくつもの共同体に属することができます(フリーメイソンリーがいくつものロッジに属することができるように)。ですので、自分が用無しとなった共同体からは、角質が剥がれるように、出ていけば良いだけです。
必要とされているところで、必要な役割を果たすだけです。
という話を昨日の「脱洗脳講座」ではしました。
そしてもう一点です!
これは講座の補足でもあるのですが、
sympathyやempathyが害になる場合があり、Compassionが望ましいという二項対立についてです。
いわゆる反共感論ですが、この神経学的な相違について、著作では触れられていないので、参照資料の論文などに当たれば書いてあるかも、と伝えたのですが、、、、本文に書かれていましたね。僕も文字が読めない病らしいです。
共感・・・島皮質や前帯状皮質
思いやり・・・内側眼窩前頭皮質や腹側線条体
です!
内側眼窩前頭皮質は懐かしいですね。
同じメロディーを違うアレンジで聞いているかのようですね。
ちなみに哲学者のチャールズ・グッドマンは、仏教の道徳哲学を扱った本の中で、仏教の教義では、共感と思いやりを区別すると述べています。
共感・・・感情的な思いやり(sentimental compassion)
思いやり・・・偉大な思いやり(great compassion)
と。
Compassionと思いやりが多用されて分かりにくいので、僕らは、
共感 v.s. 思いやり
共感 v.s. 共苦(Compassion)
と仮に定義し、前者が島皮質や前帯状皮質、後者が内側眼窩前頭皮質や腹側線条体の発火を促すと考えます。
面白いことに、チャールズ・グッドマンによれば、共感は菩薩を消耗させるので避けるべきで、追求すべきは「偉大な思いやり」(我々の言うCompassion)だと言います。
「菩薩を消耗」って良いですね。
昨日の文脈で言えば、気が枯れるのです。
もしくはバーンアウトするのです。
文字通り、燃え尽きるのです。
「共感による共有は、私にはただちに耐え難いものになりました。燃え尽きたかのごとく、情動的に消耗したように感じられたのです。」
共感の度合いが小さいほうが、より親切になるということだ。(以上、「反共感論」より)
この現象を我々は「被り(かぶり)」と呼んだりします。
これはホメオスタシス同調により、同じ症状が情報的にコピーされることを指しますが、我々の師が、気功はホメオスタシス同調ではないという根拠はここらへんにあるかと思います。
同調、すなわち共感によって仕事をしているうちは素人だということです。
そして皆さんの周辺でも皆さんご自身でも経験しているように、数年も本気でヒーラーをすると燃え尽きてしまい、身体も心も壊れてしまうのです。これが「被り」であり、ヒーラーが「良い人」ではいけない理由です(別に悪い人になれ、ということではなく、イエス達のようなサイコパスで鬼畜なロジカルモンスターになれということです)。
というか、木を集めるのが上手でも、仕事の割り振りが上手でも、結局ダメなんです。
海に対する圧倒的な憧れを持ち、それに突き動かされる人でないと、単なる便利屋で御用聞きになってしまいます。
そして、海に対する圧倒的な憧れを持ち、そして一方で海を畏怖していれば、適当な仕事をしている船大工をしばいたり、クビにしたりすることは可能です。
そこで共感的な優しさを発揮するリーダーは雑な仕事で船を沈没させる結果となるのです。
未知の大海に漕ぎ出しましょう!!
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